
ジマ近郊にて。電気機関車の廃車体を利用した倉庫。「顔」を含む残り半分は何処に?

ジマ近郊にて。ロシアでは変電所にも側線が延びているのが印象的です。移動変電所を予備機として運用するため……? と推測しましたが、変圧器などの大物機材の搬入用かもしれません。

「NOBO TRANK」と読みます。ノボォシビルスク通運……?

街を離れると、また黒土の大地が続きます。車窓も「落ち着いてきた」きましたし、車掌の賄いメシの匂いも食欲誘ってきたので、朝昼は利用を見送ったロシアの食堂車へ。ちなみにモスクワ時間で15時……現地時間20時ですから、夕食としても遅いほうですね。

厨房のドアがたまたま開いていたので撮れた一枚。


インテリアはこんな感じ。云われてきたように……ちょっと年季の入った車です。間違ってもお洒落でも小奇麗でもない、時代に取り残された感じが濃厚。
でも、悪い感じはしません。木目の化粧板は古びても温かみあるものですし、カーテンやテーブルかけ、生花で体裁は整えてますので居心地はよいもの。神田あたりの古いロシア系洋食屋……というのは偏見でしょうけど(神田の洋食屋に対して)、これは悪い意味での喩えではありませんからね!
それにしても、他の客車とかでもそうですがロシアはカーテンの使い方が凄く上手いんですよねぇ……。車格以上に豪華に見えてしまう魔法といいますか……。
ああ、カーテンよりブラインドが上等と考えてた(考えてる)日本の車両設計者のセンスのなさったら! あと余談ですが、1990年代の島原鉄道のディーゼルカーは横引カーテン装備だったので払い下げのキハ20でも結構デラックスに見えたものでした。
閑話休題。予想はしてましたが混んではいません。お客は白人旅行者のみ……というか、食堂に限らず通路やホームに積極的に出てくる乗客はほとんど彼ら(+自分)なんですが。
従業員は食堂長+給仕女性2名+コック……? 私服だったり制服だったりするので、どうも区別がつきにくいきらいがあるのです。
さて、ロシアの食堂車で懸念してたのは「メニューは読めるか(英語か)?」「メニューの揃いは良いか」「高くないか」「味、量」「何か余計にチャージなど必要か」の5点。あと、ドルでも支払いできるか……に関しては、成田でルーブル交換してきたので問題なし(白人旅行者はドルで払ってたので、大丈夫なようです)。
まず、メニューは文字だけですが英語表記ありです。素晴らしい。
種類と揃いに関しては、出来るものだけ値段が書いてあるので(笑)、何が出来るかはわかるようになっています。サラダ1種、スープ2種、メイン4種(牛豚鶏魚)……くらいは選べます。個人的には迷うのも面倒ですし、高すぎる特別なものあっても無意味ですから正直コレ位で十分だと思いました。
価格は、ロシアの物価を云々云うと安くないのでしょうが、日本の感覚でなら決して高くはありません(ちなみにロシアでファミレスと扱われるチェーン店、ヨーリキパーリキも食堂車位の価格でした)。
取り合えずスープとメイン、ビールを注文……。

定番のボルシチがあったのは嬉しい(180P ¥600位)。黒パンはサービスなのか、スープかメイン頼むと付いてきます。ビールはもちろんロシアビール(70P ¥230位)。

メインはポークカツ(350P ¥1200位)。玉子っぽい衣がついてます。付けあわせがたっぷり……サラダとか別注する必要ないですね。
肝心の味に関しては、どれも「おいしい!」。あと、ボリュームも十分。普通ならスープだけとかメインだけでも大丈夫だと思いました。
あと、お勘定はメニュー記載どおりの620Pの明朗会計で安心♪ あと3日、この食堂車で大丈夫!という安心感は大きいものです。
客車に戻り、食後のコーヒー。ロシアや中国だとネスカフェとティーバックを買い込んでおけば「飲み物代」を気にしなくて済むのがありがたいことです。お茶請けに、ウランバートルで買ったロシアのビスケットを空けますが、素朴ながら日本のより濃厚な味で悪くありません。
落ちていくように見えなかなか沈まない日を眺めつつPC(HPのネットブック)引張りだしてメモ取ったり、本読んだりでまったりと。「嘘つきアーニャの真っ赤な真実(米原万里)」はロシアの大地眺めながら読むとライブ感あっていいもの……。

これを撮影したのが現地時間22:12。北の夏というのはいいものです。そしてあと数日、この感覚が楽しめる幸せ!
さて。まったりしていたら23:37にニジニウディンスク着。流石に、暗いです。12分停車なのでホームに下りたりもせず。

駅舎。ロシアっぽくも「ソ連」っぽくもないのでインパクトに欠ける印象です……。

架線柱にとりつけられた案内板が綺麗。
此処をでると、流石にまっくら。
寝酒あおってから、例によってシーツ敷いてコンパートメントのドア施錠して、寝たのは現地1時くらい。でもモスクワ時間では20時だったりするので、まだ感覚が馴染んでいません。まぁ好きな時間に寝起きできる旅ですから、その辺のズレを自由に味わえるのもまた楽しみなんですが。
北京を出て、この客車で過ごしてきたのは2晩。あとこの客車で寝られるのは3晩……この晩が時間的には折り返し点です。先への期待とともに、少しの寂しさも感じたのでした。