2010年02月26日

【米:第5日目の1 2009/0928】エンパイア・ビルダー篇2:スポーケンでの併合作業。編成について。ホワイトフィッシュ駅の「GN文化財」たち。

 「エンパイア・ビルダー」はシアトル〜シカゴの7/8列車と、途中スポーケンで分割・併合されるシカゴ〜ポートランドの27/28列車から成ります。
 これはアムトラック以降化後に乗客が減ったからそうなった……とかいうのではなく、少なくとも1940年代にはこの運行形態になっていた模様。

 シアトル発の8レだと、出発日の深夜0時半にスポーケン着。ここでポートランドからの28レを併合します。

 左がシアトルからの8レの最後尾。右がポートランドからの28レ。
 時刻表では、ポートランドからの28レが先着することになっていますので、28レは到着後に8レと同じホームに転線したと思われます。

 ここまでの8レ「エンパイア・ビルダー」の編成は以下の通り。
←シカゴ                     →シアトル
機関車−機関車−荷物−従業員寝台−寝台−寝台−食堂−座席−座席

 これの後ろに28レをそのまま繋げる由。
←シカゴ                     →ポートランド
機関車−ラウンジ−座席−座席(1階荷物)−寝台

 ここからの併合作業手順です。
・8レを全車、シカゴ方面に引き上げ。
・28レから機関車を切り離してシカゴ方面に引き上げ。28レはホームで待機。
・8レを再びホームに戻し、機関車の無くなった28レに繋ぐ。



 28レの機関車切り離し。
 

 28レ。機関車のない状態での待機。


 28レの座席荷物合造車からの手荷物扱い。
 4両の分割編成であっても手荷物車が存在するのがアメリカの流儀。


 8レがホームに戻ってきて、28レと連結されます。

 スポーケンでの作業時間は45分と多めにとられています。遅れのマージンも込みなのだと思うのですが。
 スポーケン発は1:15。流石に直ぐ寝てしまいました。座席車3泊目です。

 さて、アムトラックの長距離列車では幾つかの編成上の「お約束」があるようです。
・分割併合のない列車では、「荷物−従業員車−寝台−食堂−ラウンジ−座席」と組成する。
・編成の向きは必ず三角線などで変える。荷物車は必ず機関車の次位。座席車は最後部。
・寝台車と座席車の間には食堂・ラウンジ車を挟む。
・食堂車とラウンジ車は隣合わせに繋ぐ。


 更に、分結併合があると以下が加わります。
・片方に食堂車、片方にラウンジ車が来るように分割する。
・どちらの編成にも荷物車(荷物合造車)は含めるようにする。


 「エンパイア・ビルダー」ではシアトル編成に食堂車、ポートランド編成にラウンジ車で分割後に「エサなし」にならないように配慮している由です。この種の運用を行う場合、食堂車の一部は「売店」として使われますし、また食事が料金に込みの寝台車客には弁当が配布されるとのこと。

 余談ですが、1960年代の「エンパイア・ビルダー」ではシアトル編成(7/8)に最後尾展望車があったため、分割併合は以下の手順を要していたと思われます。
・シアトルからの8レを半ば(座席と寝台の間)で分割
・ポートランドからの28レをその間に挿入
 

 深夜にも停車があるのですが気がつかず。目がさめたのはホワイトフィッシュ駅の手前でした。
 駅舎の見事さに思わず下車。ここも20分強の長めの停車です。

 ついた地点ではまだ暗い。


 保存されていた入換用機関車。正調のGNカラーです。


 構内を見渡す。山の中なのに立派すぎる陸橋が自動車社会アメリカを感じさせます。
 

 最後部より。


 今度は一番前へ。長い編成ゆえ結構疲れました……。
 機関車はポートランドからのものが頭についてますね。
 余談ですが、こんなところまで来てる「同業者」は殆ど居ないのも印象的でした。


 朝日を浴び、山の姿をその身に写せば、あの醜いジェネシスだって美人に見えるもの……。

 この駅の「GN文化財」その1。GNのシンボル、シロイワヤギ(マウンテンゴート)の像。
 

 「GN文化財」その2。昔の客荷両用と思しきバス。バスにもGNカラーはよく似合ってます。


 「GN文化財」その3は言うまでもなくこの駅舎。1927年築とのことなので見た目ほど古く?はありません。でもこの地域のシンボルを作ろうとした心意気を感じるのです。
 

 手荷物扱い所の八角堂が珍しい。あと「荷車」が馬車時代からじゃないのか?というような古風・素朴な形状なのが印象的。自分が知る限りで、日本の荷物輸送末期はかなり近代化されまくっていたことを実感させれれるのです。

 発車することにはかなり日が登っていました。
posted by 西方快車 at 23:59| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月25日

【米:第4日目の4 2009/0927】エンパイア・ビルダー篇1:海沿いから一気に山の中へ。カスケード越えの電化区間の痕跡求めて。

 「シアトルは日本郵船を母に、グレートノーザン鉄道を父に育った街」という言葉の出典がちょっと分かりません。
 ただ、或る時代……ジェット機時代になるまでは氷川丸のような太平洋航路の船からGNに乗り継いでシカゴ・NY・DCを目指すルートが一般的だったのでしょう。大陸横断列車の中では一番日本人には身近であった路線という話も聞いたことがあります。
 そのGNの代表的列車が「エンパイア・ビルダー」。1929年に運行開始、1947年に流線型客車に置き換えて以後編成にドームカーを徐々に加えて(最大4両も!)1960年代に最盛期を迎えた由。とはいえ他のアメリカの諸鉄道同様に質的な意味での最盛期であり、量的な意味では既に衰退期だったのですが。

 手許にある「写真で楽しむ世界の鉄道 アメリカ2」(1962 交友社)では大陸横断列車の数々を紹介していますが、そのトップに載っていたのも「エンパイア・ビルダー」。
 そのおかげで、ちょっとした憧れを抱いていました。
 そして、今も列車番号を変えず(7/8レ)毎日の運行が続いていると知り、大陸横断の片道はこれにしようと決めたのでした。


 シアトル発車。最後尾の窓より。
 スーパーライナー登場以前は長距離列車の最後尾は展望車……すなわち寝台車の乗客専用のラウンジとして使われるものでした。列車の最後部からの「展望」が座席車の客にも開放されたのは喜ぶべきことなのですけど、展望車という伝統を捨てたのは勿体無いことだとも思い、複雑な気分です。

 左手にはまた臨時の通勤列車「サウンダ−」が並んでいます。上の歩道橋を見ると人で一杯ですから、臨時列車はフットボールスタジアムの客を乗せるものなのかもしれません。「観戦には公共交通機関をご利用ください」と。


 「サウンダ−」のホーム(左)とアムトラックのホーム(右)は完全に分断されています。
 ロスアンゼルスからの「コースト・スターライト」の最前部が突っ込んでいたトンネル・陸橋に向かって「エンパイア・ビルダー」は進んで行きます。


 陸橋を抜け、時計塔を見上げて。


 ここからシアトル市内と裏山?をトンネルで一気に抜けてしまいます。
 トンネルは坑口の一部をダブルスタックカー用に切り欠いた形になっているのが分かるでしょうか?


 さほど長くないトンネルを抜けると、ピェジェット湾沿いに出ます。ここから暫く海沿いが続く、エンパイア・ビルダーの見所は最初から容赦がありません。


 目を「陸」に向けると機関庫が。バーリントンノーザン(BN)鉄道カラーの機関車。ロゴは今のBNSFに書き換えられていますが。奥に見える機関車は未だBNロゴが残っています。


 こちらはグレートノーザン鉄道カラーの機関車。BNにGNが統合される前のいわば二代も前の伝統的カラーリングですが、割とよく見かけました。意図的に残している可能性が高そうです。
 かつては「エンパイア・ビルダー」もこのカラーリング、そして湘南色のルーツとしても知られています。

wikipedia 国鉄80系電車
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%8480%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
この塗色は、「静岡県地方特産のミカンとお茶にちなんだもの」と俗に言われ、国鉄も後にはその様にPRしている。しかし実際には、とある海外の鉄道雑誌に掲載されていたアメリカのグレート・ノーザン鉄道の大陸横断列車「エンパイア・ビルダー」用車両の塗装にヒントを得て、警戒色も兼ねてこれに近い色合いを採用した(後略)


 ちなみに、アメリカのファンにこのカラーリングは「かぼちゃ色」とか云われてるとか。
 日本でも数年前、東京近郊での113・115系末期に「かぼちゃ電車」とか云われてたことを思い出します。好む色とか、或いは連想するものに案外差異はないものなのかも?


 これは流石に動態保存機でしょうね。ミルウォーキー鉄道カラーの流線型ディーゼル機関車。


 事故機。機関車全体が頑丈なので、キャブに破損が集中しているように感じられるのですが……。


 入換用の小型機。1950年代の古いタイプの筈なのに、入換機は案外古いものも現役の模様。自分はみませんでしたが、どこぞのアムトラックの基地では今のジェネシスと同じスキームVカラーリングのGE製凸型スイッチャー……日本でいうところのDD12みたいなのが現役とも聞いてます。
 手前の「STOP」の札は留置用。


 扇形庫とターンテーブル。全てが片運転台である!アメリカのディーゼル機関車に後者は必須……のはずですが意外と見かけませんでした。デルタ線やループ線で方向転換する場合が多いからだと思います。


 機関庫にはこの規模の燃料タンクも必要になります。大量の燃料喰うディーゼル機関車がたくさん居るわけですから。


 海側に目を向けると、運河と閘門が!
 とっさの撮影につきピントも露出も最悪なのはお許しを。でも、良い景色です。


 暫くこんな景色が続きます。「コースト・スターライト」とは違った意味での海と線路の近さが印象的。
 ここらで「撮り鉄」するのも楽しそうですよね。エンパイア・ビルダーの他に中距離のカスケード・通勤列車サウンダーも来るはずですから意外と撮るものは多そう。


 陸側。落ち着いた別荘地?


 海沿いの貨物側線。貨車がすぐに錆びそう……。


 長閑な景色が終わり、今度は港湾施設が見えてきます。


 巨大な巨大な半球形のサイロ。どんな構造なのやら……。
 手前には穀物用カバードホッパー車。日本からは絶滅して久しい車種ですが、農業国アメリカでは当たり前の車種の一つ。大小に角形丸型のバリエーションも豊富です。


 古き良き時代を今に伝える壁面広告。褪色加減からいって今も手入れはしているのでしょうが。


 エヴァレット駅。2002年に新築されたもの。
 サウンダーの終点でもありますから、ピェジェット湾沿いの「乗り鉄」楽しむだけならエンパイア・ビルダー乗らずとも、通勤列車でも良いとも……。シアトル近郊観光としてお勧め?

 この駅からも結構乗ってきます。とはいえ、座席車で相席にならない程度の混み具合ですが。


 エヴァレットからは内陸部へ。一気にカスケード山脈越えに掛かります。


 「山の景色」に変わっていきます。緑と水の土地ですから、日本人にも馴染みやすい優しい景色。


 ここらでおやつ。ブリトーとプリングルス。




 かつての電化区間はこの辺りでいいのでしょうか……。
 GNはエヴァレットとスポーケン間、カスケードトンネルとその周辺の113kmに電化区間(交流11000V 25Hz)を1956年まで有していました。電機/ディーゼル機の切り替えはスカイコミッシュ駅とWENATCHEE駅で行われていた由……。
(電化の廃止はトンネルに排煙設備設置したため)

 今のエンパイア・ビルダーからその痕跡を探すのは困難でした。スカイコミッシュはアムトラックの駅としては残っているのですが、今はバスのみの駅です。


「百年の鉄道旅行」より
 カスケードトンネル周辺の切り替えについて詳しいです。大昔の写真もあり。

グレートノーザン鉄道「スカイコミッシュの変電所」
 該当施設はみつけられませんでした。


 どんな機関車が走っていたかは以下参照願います。北米の鉄道写真サイト「NorthEastRails」より、電機の写真。
http://www.northeast.railfan.net/electric1.html
 お隣のミルウォーキー鉄道の電機も同じページでちょっと紛らわしいのですが、「GN」「Great Northern」で或る程度絞り込めると思います。Y-1は車軸配置「1C+C1」のデッキ付き箱型電機(1両は事故復旧で流線型化)、W-1は「B-D+D-B」で動軸数12という流線型電機でした。色はディーゼル機関車や客車と同じ「湘南色」。ああ、この種の電機が「エンパイア・ビルダー」を牽引しているところを想像すると溜息が漏れます。
 そして2010年現在も電化が維持されていたら……? 妄想は果てしなく膨らむというものです!



 日が沈んで行く。写真撮れるのもこの辺が限界。


 夕食のサンドイッチ。意外と具沢山。


 かつての電化起点のWENATCHEE駅。
 ここでもその痕跡を探すのは無理でした。
 

 最前部へ。
 アムトラック長距離列車の旅で物足りないのは、機関車が全区間通し運用であり、ロシアや中国のような「機関車交換」というお楽しみがないことかもしれません。


 留置されていた除雪車。いわゆる広幅式(ジョルダン)。色はBNグリーンです。
posted by 西方快車 at 19:49| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月24日

【米:第4日目の3 2009/0927】シアトル篇3:路面電車運休中。キングストリート駅の内部など。


 路面電車(先のセントラルリンクライトレールとは別)の案内板。

 西海岸の都市でもロスアンゼルスは「英語+スペイン語」が表記で多く、シアトルでは「英語+繁体字」となるのが印象的です。間のサンフランシスコではどっちもあり。
 ちなみにStreetcarを「街車」と訳すんですね。大連だと「有軌電車(簡体)」とか云ってましたから中国語での路面電車の表記は結構幅が広そうです。香港はなんて云ってたかしら……。
 あと、この案内板出来た地点ではメトロトンネルには電車は走っておらずバス専用だったはずなのに、既に「地鐵」と表示されているのが気が早いというかなんと云いますか。

 この「海濱街車」ことウォーターフロント・ストリートカーは1982年に開業したものの(LRTのハシリ?)、2005年以降長期運休中です。
 詳細な経緯は以下参照して頂きたいのですが、公園の一部を使っていた車庫が立ち退き要求され、移転が手間取っていることと、沿道(高架)の老朽化による工事が絡んで長期に渡って運休せざるを得ない状態になっているとか。

海外LRTニュース・ひろい読み より
【シアトル】ウォーターフロントをゆく路面電車しばしのお別れ?
http://urbantransit.seesaa.net/article/5665037.html

【シアトル】海岸沿いの電車は再開が遠のく?
http://urbantransit.seesaa.net/article/93093574.html

ウォーターフロントの電車(Wikipediaより日本語訳)

 気になる車両はメルボルンから購入したヴィンテージ・トラムカーが使われていました。これはサンフランシスコのFライン(実用交通にヴィンテージトラムを使っている路線で大好評)のお手本になったとも云えます。

 シアトル自体は軌道系公共交通の整備を進めているところですから廃止はありえないとしても、車庫移転の件も沿道の老朽化の件も軌道事業者の発言力の弱さを感じ、何か切なくなります。
(日本なら公営・民営の何れでも公共交通の車庫が代替地の手配なしに移転させられることはないでしょう。関連した道路の老朽化に関しては電車の運行を維持しつつの工事が行われるはず……)
 


 キングストリート駅に戻ってきました。とはいえ、微妙に時間つぶしの塩梅を間違えて「エンパイア・ビルダー」発車まで2時間ほどありますが。


 この駅舎は時計塔部分も凄いのですが、下の建物部分もいい感じです。




 駅舎内部。時計塔の真下のエントランスホール部分。


 エントランスホールの床。モザイクタイル。東西南北の表示。


 荷物扱い所はやや殺風景?


 タルゴ列車「カスケード」が14:20の発車待ち中。欧州合わせの低床客車は補助ステップ引き出してもまだアメリカの平面的ホームにはちと高い(一般に欧州大陸ではアメリカほどホームは低くない)。アメリカ名物?の踏み台がここでも健在です。

 さて……。
 この駅は立派ではあるんですが、構内の設備は立派ではありません。食堂やカフェ、バーの類は兎も角、売店さえありません(あってもアメリカの駅じゃ割高でしょうけど)。あるのは自販機のみ。
 これからシカゴまで2泊3日の乗車に備えて飲料や菓子などの買い置きの必要があるので(日本での青春18旅行が染み付いてると、乗る前に飲料食料買い込むのは習慣化するんですよねぇ)、適度に余った時間使って駅周辺買い出し行です。
 しかし、シアトルのダウンタウン同様、コンビニやファーストフードは周辺に皆無(アメリカ人がファーストフードに頼ってるという事実が信じられなくなります)。小さな食料品店は辛うじて2軒あるものの片方は土曜日ということで休み、もう片方は閉店作業中……。あんまり品揃えもよくない。なんとか夕食用のサンドイッチは作って貰えましたが……。


 駅の裏手のフットボールスタジアム。
 試合中で物凄い喧騒でした。アメリカらしいといえばそうなのですが。


 市内観光の水陸両用車。軍払い下げのが相当数あるのでしょうか?


 美しい街ではありますが……不便。

 ここらを歩いてても埒が開かなそうなんで、また表通り(ジャックソンストリート)に出ます。殆ど偶然ですが、ユニオンステーションやメトロトンネル駅を過ぎた向こう側に食品店を発見!


 この写真で左の通りがジャックソンストリート。右の建物がユニオンステーション。写真中央のレンガ建て3階がその食品店(丁度ONEWAYの矢印の先)。

 スーパーのような規模はないものの、コンビニ同様の品揃えと価格に涙が出そうになりました。またブリトーなどのホットスナックもあって安い(1ドル)のも嬉しい。ちなみに酒類もありますので寝台車の人ならここでの調達もありです(しつこく書きますが、座席車での飲酒禁止は本当にうざい規則です)。
 ここでやはり夕食用のブリトー何本かと、Drペッパーの2Lペットボトルとダイエットペプシの1Lペット、菓子類を調達。炭酸飲料は大きなボトルほど単価が割安になるので重くても2Lペットは有り難い存在。なにせ「禁酒国アメリカ」ではこれがビール代わりですから。

 重量数キロ(笑)の手提げを下げ、再び駅へ。


 大変に印象的なカナダへの国際列車(1日1本)の注意。
「カナダへの以下の武器持ち込みは認められていません。拳銃、自動小銃、メイス(棍棒?)、催涙スプレー、スタンガン、爆発物」

 これ自体は妥当な内容だと思います。しかし突っ込みどころはあります。
 アメリカ国内だとこんな物騒なものを車内に持ち込んで良いのか?
(まぁスタンガンや催涙スプレーは日本国内でも持ち込めますけど……)
 武器の中に「ライフル(含む猟銃)・刀剣・ナイフ」が含まれてないのはどうよ?


 待合室全景。ここの待合室も広告などがありません。


 「エンパイア・ビルダー」入線。
 入線後、出発15分前くらいに改札が始まります。「コースト・スターライト」と違い、行き先別に号車指定で座席までは指定されないシステム(こっちの方がアメリカでは標準)。
 アメリカでアメリカ以外の国では常識的な「座席指定」が定着していない理由というのは研究に値するテーマだと思うのですが、さて?
 ここでも海側を取りたかったので、早めに並んで正解と。
 取り敢えず荷物をおいて落ち着き、写真撮るためにちょっと降ります


 ちょうど通勤列車「サウンダ−」が出たところでした(時刻表をみたところ土日運休の完全通勤ダイヤなので、臨時列車?)。
http://urbantransit.seesaa.net/article/7094351.html
 客車は標準的な、八角形の二階建てタイプでプッシュプル対応型。ところで制御客車の三連ホーンと鐘が実に印象的。西部劇的な汽車の「鐘」は今に生き続ける伝統で、アムトラックの機関車も装備している由。低速での進入時や構内入換では鐘を鳴らしまくります。


 向かいに止まっていた「カスケード」。昨晩ポートランドで撮影したのとは違うタイプの機関車です。
 機関車と客車のアンバランスは意外と気にならないもの。


 カスケードで印象的なのはこの機関車と客車の高さギャップを埋める荷物車でしょう。エアロパーツ?がネコミミみたいで可愛いといえば可愛い?
 ただ、かならず前後に機関車つけた編成ゆえ、この車両が最後尾に来ることはありませんが。


 「エンパイア・ビルダー」の最後尾。といってもお馴染みのスーパーライナー・コーチですが。
 まもなく16:40。発車です。この1枚とって直ぐに客車に戻りました。
posted by 西方快車 at 23:54| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月19日

【米:第4日目の2 2009/0927】シアトル篇2:シアトル市内の印象、トンネルバスに新型トラムなど

 シアトル市内に戻ってきたのは11時くらい。まだ5時間はある由。
 





 ダウンタウンに関しては、小奇麗で落ち着いた街……という印象です
 手前に古いビルが並び、奥に高層ビルが見える……という流れは先のロスアンゼルスと変わらないのですが、雑然とした感じが全くありません。適度な涼しさも相まって快適な街ではありました……気候に関しては「汽車で二晩掛かる距離」だけの差が確実にありますね。
 あと、街行く人が確実に裕福かどうかは兎も角、なにかゆとりを持ってる印象はありました(やっぱり世界的な大企業が云々……)。ここは日本に近いのかも。


 オープンバス。東京にもサンクトペテルブルグにもありますから、当然シアトルにもあります。乗り降り自由の定期観光バスとして使われて居る模様。
 

 モノレール。世界初の実用になったアルウェグ式の筈、しかしアメリカでは広まりませんでした(まぁ試作したドイツでもダメでしたけど)。車両は1962年開業当初のもので車齢50年近く。もちろん、その後開業の羽田は何度も代替わりし、初代車両で頑張ってきた名鉄犬山も廃止されましたから極めて貴重な存在。
 「短距離の遊戯施設的モノレールだし」とか小馬鹿にしてて乗らなかったことに、今さら後悔。


 モノレール駅。複線(正確には、全線が単線並列)ですが線路の間隔が妙に寄った不思議な配線(モノレールの「ガントレット」)。ビルよりではない線路の昇降はどうやっておこなうかといいますと……(答えはリンク先参照。その手がありましたか!)。
http://www.monorails.org/tMspages/Seattlepix1.html
(Seattle Center Monorail - a Photo Essay)

 モノレールの詳細に関しては
 「海外LRTニュース・ひろい読み」より2005/0807【シアトル】43年目のモノレールが、とても詳しいです。行く前に読んでたら絶対に乗ってたでしょう……。


 公園とかスタバとか。
 シアトル以外の街で「Seattle Coffee」なんて恥ずかしい看板見かけたりもしましたが……。どうでもいいんですがスタバの注文のしにくさってこっちも共通。「本日のコーヒー 普通の」と使えるのにどえらく苦労。普通のは1ドル70セントですから日本より安いです(ただ、アメリカでは街で飲むコーヒーの相場は1ドルから1ドル10セントという事実も考慮する必要あり)。勿論、なんとかラテのなんとかフレーバー云々の複雑怪奇な飲み物は日本同様に高価ですが。あとレジ横で売ってるケーキとかが微妙に美味しいのも日本と同じ。
 そういえば、メニューにあるのにエスプレッソ飲んでる人が居ないのもアメリカといえばアメリカですね(欧州ラテン圏ではコーヒー=エスプレッソでした)。

 なお、ダウンタウン(=都心部)のお洒落なエリアにはコンビニやファーストフードは少ないです(貧乏旅行に優しくない)。街の中心部にマクドナルド他が乱立する日本(と欧州にロシアに中国)とはなんか違う。都心部と郊外での生活が「別」ってことなんでしょう。
 あ、でもアメリカでもシカゴはダウンタウン(ループ内)にコンビニやファーストフードは乱立してましたが。アメリカは汽車で一晩走ると別の国、という認識をした方が良さそうです。


 緑は多い。坂も多い。
 
 さて、シアトルの公共交通の特徴といえば「トンネルバス」。地下鉄ではなく、市内中心部にバス専用のトンネルを堀って地上の交通緩和を図るというのは独自です。
 建設の経緯や沿革に詳しいのでリンク張って引用させて頂きます。

「海外LRTニュース・ひろい読み」より
2005/0918【シアトル】バストンネル2年間の一時閉鎖
http://urbantransit.seesaa.net/article/7059304.html

シアトルのダウンタウンは南北に長く,東西には狭い上に急坂です.ここにどうやって公共交通機関を通すか,特に郊外から通勤客を運んでくるバスをどこに走らせるか,これが長年の懸案でした.バスで道路は飽和状態になっていたのです.1980年代には地下にトンネルを掘り,南北のターミナル間を結ぶ交通機関の導入が検討されましたが,南北ターミナルでの乗換えを避けたいため,妥協策として今日のバストンネルが考え出されました.
デュアルモードバスを使って郊外では普通にディーゼルエンジンで走り,トンネル内ではトロリーで集電してモーターで走ります.


 さて、モノレール駅も近いウエストレイクからトンネルバス駅探すのですが、入り口が分かりません! 10分以上荷物抱えたまま歩きまわりました。「地下鉄」の入口探すのに苦労したというのは生まれて初めての経験ですよ!!(二回目もシカゴで経験します……ずっと先に後述)
 あの表示類がロシア語解者以外に優しくないモスクワやペテルブルグでさえメトロの入り口はわかりやすかったのに(苦笑)。
 トンネルバスは通勤用という割り切りで、(英語圏も含めて)外来者の利用は想定してないのでしょうか? ちょっと不親切な印象です。
 地上からの直接の入り口が無く、ショッピングモール経由でしか入れないようでした。


 なんとか辿りついた地下コンコース。インテリアはアールデコ系(1980年代に復活してから不滅の様式ですよね、アレは)でなかなかお洒落。「地下鉄」ではないので改札口などはありません。


 吹き抜けから「路面」を見下ろす。線路が見えます。
 「将来LRTを走らせられるように線路を埋め込んである」程度の認識だったので驚きはしませんでした。この地点では「将来」が現在とはつゆしらず……ここに来るのはバスとトロリーバスだけかと思ってました。


 「横断は違法」というちょっと威圧的な表記。「横断禁止」「横断は危険」とか柔らかな?表記出来ないところがアメリカのアメリカたるところ(ちょっと息苦しい)。
 実はロスアンゼルスの地下鉄で写真撮ってて警官に怒られてるので、地下での撮影にはちょっとビクビクしていたり(注:撮影禁止のサインはまったく見かけませんでした)。写真に関するアメリカの息苦しさに関してはまた何れ……。




 バス。基本的には同型の連接バスのみ。トロリーバスと聞いていましたし上には架線もあるのですが、やってくるのはディーゼルバス?ばかり(後で知りましたがハイブリット車)。


 この先のスロープを登り切ると地上へ。

 暫く地下を走る反対側に目を向けてみると……。あれ?

 電車です。誰がどうみても電車!


 3車体連接車の重連。

 後で分かったのですが、セントラルリンクライトレールはこの年(2009年)7月から運行開始したばかりとのこと。下記に時刻表と路線図があります。
http://www.soundtransit.org/Riding-Sound-Transit/Schedules-and-Facilities/Central-Link-Light-Rail.xml
 

 やはりバスと電車の共存? は不思議な情景ですね。早速乗り込んでみます。
 なお、このトンネルバス区間はバスは無料エリアですが、電車には適用されないルールになってるので要注意です(このルールも外来者には分かりにくい!)。


 車内。低床式で運転台周辺部分だけが高床(運転士が運賃収受行わない信用乗車制なのでこれで大丈夫)。
 下ろし立ての電車ですから勿論ピカピカです。モケット張りの座席は固くないものでした。中間車体部分のみロングシートで他は1方向き固定クロスシートです。
 そして、「近畿車輛」のプレートもありました。日本製の活躍を喜ぶべきなのか、(日本から見れば羨ましいほどの)LRTブームなのに鉄道車両を開発出来ないことを嘆くべきなのか……。


 途中、パイオニアスクエアはアーチ屋根を持ちます。時間あったので降車。


 凝ったデザインのアーチ。しかも大口径。御堂筋線心斎橋なんて比較にもなりません(笑)。モスクワメトロの壮麗さとはまた違った立派さです。
 

 電車とバスの共存。それにしても電車やバスのサイズに対して駅施設の持っている「余裕」が印象的。ただ、利用者数がピーク時でも限られているが故の「余裕」と思うと切なくなりますが……他都市でも思ったのですが、アメリカの今出来の公共交通は「余裕」のあるものが多いのです……補助金漬けが普通ですし。


 
 ここからはバスでインターナショナル・ディスクリクト(キングスストリート)へ。単線トンネル走るバスはやはり不思議ですね。





 ここは掘割になっています。ひろびろ……。


 電車はほぼ全て2編成の重連でした。閑散時は違うのかも知れませんが。
 連結器まわりはこんな感じ。複雑怪奇な電連。大きなカバーですが、開閉は自動? 人力?


 堀割の地上部分。整った広場になっています。左に見えるのがユニオンステーション。


 近くには中華街。中華街は西海岸の都市の「お約束」なのでしょうか。


 バストンネル(とセントラルリンクライトレール)の案内。絵柄は特徴をよく表すもので好感のもてるピクトグラムです。しかし、このバス停状の看板だけでは案内としてはやっぱり不親切。

 
 ユニオンステーション。今は鉄道駅としては使われていません。右手の時計台のあるキングストリート駅に全列車が発着しています。
 

 キングストリート駅。その背後には巨大なフットボールスタジアム。試合中で歓声がずっと聞こえていました。


 架線を電車と兼用するのが難しいためトンネルバス区間から追い出されたトロリーバスも、地上では健在です。

 セグウェイというのは絶対に西海岸特化の乗り物じゃないかと思うのです……(笑)。
posted by 西方快車 at 23:13| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月17日

【米:第4日目の1 2009/0927】シアトル篇1:オトナの社会科見学その1 ボーイング工場見学

 シアトルは前夜に到着予定。ホテルで1泊して、午前中にボーイング社エヴァレット工場の見学を予定していました(現地ツアー[もちろん英語。日本語ガイド付きは高くて無理]を予約済。自力でたとり着くのは困難と判断)。そして夕方16:45発の「エンパイア・ビルダー」には余裕もって間に合うと。

 しかし列車遅れでの早朝5時着。
 現地ツアーの車が宿泊予定だったホテルに迎えに来るのは7時丁度。余裕があるのかないのか……。ホテルは駅から歩いてはいけない場所(中心部)で要バス移動。

 先ずはバス乗り場探しつつ、こんな写真撮ってました。

 シアトル・キングストリート駅。良い絵が撮れたのは大幅遅延の埋め合わせ……。


 駅前の通り。並木と背後のビル群との対比が印象的。
 ちなみにこんな時間ですが、治安面では全くといっていいほど不安を感じさせない雰囲気でした。
(儲かってそうな世界的大企業が多いこの街の失業率とか気になるものです。いや、州別失業率統計とか分かりますけど、あれ内陸部が低くて沿岸部が高いという?なデータですからなんとも)

 なんとかバス見つけて乗り込む(系統多くて調べるのに一苦労)。市内中心部(キングストリート駅含む)のバスは無料。公共交通利用を促す政策的なものと云われますけど、絶対に「世界的大企業が集まってて税収が多いからできる力技」だと思うのは穿ち過ぎでしょうか?
 6時15分には中心部着。余裕! コーヒー位飲めるとか思ってました。

 しかし、地番案内が分かりにくく、宿泊予定だったホテルが見つからない! 早朝散歩?の地元の人に聞いたりで(語学力貧乏には大変に勇気のいる行為)、迷いまくった挙句に6時55分にやっと辿り着きました。ちなみに坂登った上でした(苦笑)。しんどい……。ロスアンゼルスの暑さに対して、肌寒さを感じたこの街でしたが、着いたときには汗まみれ。
 ちなみにこーいう時に役に立たないのが林檎マークの某電話機の地図とかGPS。「海外ではパケットローミングをオフに設定する」という使い方が強いられるのはどうにかならないものでしょうかね。「定額パケットローミング」ってそんなに需要がないor実現が難しいもんなんでしょうか?
 

 こんな感じのところで30分以上迷いました。


 坂道! シアトルも坂の多い街ということを知らずに来たのでちょっと驚き。
 まぁ名港あるところに坂ありですから(坂のない港町で有名どころってあんまり思いつきません)、当然と言えば当然なんですけど……。


 ここに泊まる予定でした(純粋にホテルではなく、病院経営の付帯宿泊施設という感じ。これも探すのに手間取った理由。病院ならそう書いてくれれば見つけやすいのに!)。前夜定刻についても絶対に探すのに苦労したと思います。
 
 で、7時といっても「あばうと7:00」ですから、不安を禁じ得ません。もし迎えの車が先にいっちゃってたらどうしよう……。
 7:05ころ、大きめのバンがやってきて運転手が「ぼーいんぐ・つあー?」とか聞いてきたときにはほっとしました。バンは定員8名ほど……バスツアーをイメージしてるとあてが外れます。こちらは荷物持ったままであることでこの種の車は有り難いですし、少しでもアメリカの「普通の車」に乗れたのでこれは満足。
 
 他1箇所ほどで客を乗せて郊外へ出発です。
 ちなみに白人男性の運転手兼ガイドのほか、黒人男性のふたり連れが居たのでアメリカ人かと思ったらナイジェリアからでした……(絶対に向こうじゃ金持ちなんでしょう)。あとはオーストラリア人とドイツ人だったような。この種の観光に(他の都市から来た)アメリカ人は参加しないのか……? まぁ、自力で車で行くんでしょうね、多分。

 写真には撮り逃しましたが、今は運行していない路面電車のレールをなんども跨ぎます(この電車の経緯については後述)。


 ハイウェイに入る前の圧巻。湾口をまたぐ大橋。その奥には可動橋。
 

 ハイウェイへ。鉄道では知らない「普通の」アメリカが広がります。
 30分ほど飛ばしてエヴァレットへ。
 広大な敷地に建家群が散在しているのが見えてきました。


 ばばーん。巨大な工場建家。手前の乗用車などがサイズ比較になると思います。


 見学センター。


 見学センター内はささやかながら博物館になっています。ここで工場見学ガイドまでの時間つぶし……。


 ライバルメーカーの製品も飾ってあります(笑)。


 B787のモックアップがありました。噂通りに窓が大きいのが印象的。


 謎の試作機。先尾翼でプッシャープロペラ(しかも5枚)という「震電」を双発にしたような不思議な飛行機。


 ビジネス機の市場を狙ったのが分かります。
 詳細が分からないのが残念(どなたかご教示を!)。


 いよいよ見学開始。

 ただ撮影は禁止なので、以下写真はありません。
 日本の常識で考えれば、「重工業メーカーに一般見学コースがある」だけで驚きですから、撮影禁止なんて気にもならない規則ですが。エヴァレット工場の製造中の写真などは普通に探せば見つかると思います。

 映画見せてから(あんまり長くない。世界で活躍するボーイングの輸送機って感じの)、見学センターの裏からバス(普通の大型観光バス)に乗り、工場建家へ。広いのと安全面からバスでの移動は必須です。
 
 工場建家は地下から入ります(地上にも入り口はあると思いますが……)。
 地下にはメンテナンス通路が網の目に広がっています。その一部を通ってエレベーターへ。資材用の大型エレベーターです。多分今まで乗ったエレベーターの中で一番大きいはず……黒部峡谷鉄道欅平のトロッコやバテロコ載せられる立坑やら、YRP野比の電話交換機載せられる大型エレベータが可愛く思えます。
 そして広大な建屋内へ(さっきの写真の建物)。見渡せる見学デッキへ。

 適切な表現が思いつきません。大きいとか云われてるB747が小さくみえると云っておきましょう。資材のストレージはまるでプラモデルのパーツ。スケール感が狂ってくるんですよ、ここにいると。
 今まで自分が認識していた広大な空間といえば有明のビックサイトとかだったりするんですが、認識の限界を超えてみると大差がないように考えられるのが怖いことで。もちろん、ビックサイトよりずっーーーと広大です。ここなら落選無しで申し込みサークル全て当選させて1日にまとめてもお釣りがくるでしょう。

 コミケな喩えはともかく。
 工程ごとに3箇所ほどの見学デッキを移動。
 気になってはのは当時「飛べない飛行機」だったB787。問題抱えつつ最新鋭にして目玉商品ですから隠さず見せてくれましたが(笑)、やはり主翼付け根部分を改修中でした。その後飛行成功したようでなにより。

 残念だったのはこの日が土曜日で恐らくは休業日であったこと(物静か)。働く人たちがいて工作機械も動いてればまた違った印象だったかもしれません。
 もう一つ残念だったのは……夜行2晩連続で微妙に眠気が残っていたこと。もちろんこんな凄いものみて眠くなる訳はないんですけど、ベストなコンディションではありませんでしたから。
 でも、面白い場所でした。
 
 バスで見学センターに戻って、あとはお買い物タイム。模型とかグッズとかアパレルとか。品揃えは半端ではないです。

 ……って旅の荷物になる懸念から殆ど買い物してませんが。


 ここの施設や空港はクラブ?への貸出もしているようで、この日は軍用車両やレシプロ機の展示やデモを行っていました。こんな文化があるのも、この国の豊かさなんだなぁと思います。


 飛行機は20機ほどあったと思います。どれもピカピカでマーキングも綺麗。申し訳ないのは自分がこっち(レシプロ時代の軍用機)には全然知識がないこと。でも、好きな人にはたまらなさそうな展示でした。


 複葉機のデモ飛行。動いているものは興味の対象外であっても感動します。


 戻りかけに工場建家を。
 やはりスケール感が喪失する建物ですよね。青いドアはトラックが出来るする程度の大きさの、近所の普通の倉庫や工場にしか見えませんよね?
(手前の木はミニサイズなんですよ!)


 巨大輸送機ドリームリフターが居ると、スケール感が補正できますかね? え、ドリームリフターが小さく見える?


 帰り道。高速道路って万国共通に見えて、通行の左右意外にも違いがあるものだと思いました。


 市内に戻って。モノレールの軌道。アルウェグ式ですから羽田のと同じ。


 何処まで乗るかと云われたので「だうんたうん ものれーるすてーしょん」とか云って下ろしてもらいました。ツアーに使ったのはこんな車です。日本のバンより確実に二回りは大きい車でした。
posted by 西方快車 at 22:24| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

【米:第4日目の0 2009/0927】「コースト・スターライト」篇まとめ:14レ遅れの理由。西海岸旅客列車の沿革(「カスケード」+「デイライト」=「コースト・スターライト」)。

 14列車の遅延8時間余の理由は
「(先行か対向の)貨物列車がトンネル内で停止した。停止したのは貨車の1両に故障があったため。故障した貨車を抜き取って側線に移す作業が手間取った」ためでした。
(遅延証明書……フォーマットはなく、ただのword文書……を発行して貰い、そこから意訳)

 他の列車の車両故障による遅延というのは日本でも皆無ではありません。しかし、8時間も遅れるというのは有り得ない話です。勿論、故障車を避けるために低速で最寄の操車場(駅)まで移動、入換というのが短時間でできるとは思えませんが。それでもダイヤ回復には急行旅客列車は最優先するのが普通だと思うのですが、どう考えてもHost Railroads側にそんな考えはないようです。列車は風水害などなくても遅れて当たり前とでも思ってるのか……。
 アメリカの借地借家法は知りませんが、鉄道に関しては「店子(Amtrak)」の立場はあんまりよろしくないようで。まぁ日本も「店子」のJR貨物は冷遇されてる雰囲気ありますけど……。

 なおwikipwdia(en)によると、コースト・スターライトは定時率が極めて低く、2005年10月〜2006年8月の定時率は僅かに2%!最大遅れは11時間! ユニオンパシフィック鉄道が貨物優先するためだったそうで(予想通り!)。但し、最近ではアムトラックに優先権を与えてるとも云われてますが……。


 さて。
 「コースト・スターライト」の纏めとして、西海岸シアトル〜サンフランシスコ〜ロスアンゼルス間の旅客列車の沿革を記しておきましょう。あんまり古い話は分かりませんが。
(参考文献リンク先です)

 アムトラック以前にこの地区で旅客列車を運行していたのは主にサザン・パシフィック鉄道でした。各「デイライト」号が有名で、専用の半流線型蒸気機関車(1955年以降ディーゼル化)と鋼製流線型客車で知られます。
(光ゲンジの「パラダイス銀河」のアニメパートで出てくる汽車……っていって分かる人どれ位いますかね?)
 このサザン・パシフィック鉄道は1996年にユニオン・パシフィック鉄道と合併し、今は社名が消えてしまいました。


●シアトル〜ポートランド(UP・NP・GN共同運行)
 ・「コースト・プール・トレイン」
  1日3〜4往復。「カスケード」の寝台車も併結。1981年全廃。
  1993年に「カスケード(2代目)」として復活。

●ポートランド〜サンフランシスコ(SP)
 ・「カスケード」(夜行)11/12レ
  寝台車はシアトル〜サンフランシスコ間直通
  1950〜1971(1970年まで毎日運行、以降週3便)
  ※1951年の編成は個室寝台8、食堂1、従業員用寝台1、
   ラウンジ1、座席2、荷物郵便各1の15両。


 ・「シャスタ・デイライト」(昼行)9/10レ 
  1949〜1967(1959年まで毎日運行、以降週3便)

 ・「クラマス」19/20レ 郵便車主体で座席車併結 運行時期不明
  ※日本でいう急行荷物列車みたいなものか?

●サンフランシスコ〜ロスアンゼルス(SP)
 ・「ラーク」(夜行)75/76レ
  1910〜1968。1957年まで全寝台車編成。
  ※1941年の編成は個室寝台8、食堂1、従業員用寝台1、
   ラウンジ1、荷物郵便各1の12両という豪華さ。
  ※1968年廃止寸前の編成は個室寝台1、カフェラウンジ1、
   座席2の僅か4両。凋落が凄い。
  ※更にもう1本夜行「オウル」が設定されていた時期もあり。


 ・「スターライト」(夜行)
  1949〜1957。1949「ヌーンデイライト」を夜行化、全座席車。
  1957年「ラーク」に統合。

 ・「デイライト」(昼行)98/99レ
  1937〜1971。1940〜1949は2往復体制
  (モーニング・デイライト/ヌーン・デイライト)。
  ※1941年の編成はパーラー(優等座席)2、座席9、ラウンジ1、
   食堂1、カフェ1、荷物座席合造1。
  ※1969年の編成はパーラー(優等座席)1、座席4、
   自動販売機車1、荷物1。凋落が……。


 ・「サクラメント・デイライト」
  「サン・ホアキン・デイライト」(併結)
  ロスアンゼルス〜サクラメント/サンフランシスコを
  「デイライト」と別ルートで結ぶ。昼行。

 1971年以前はロスアンゼルス〜シアトル間の直通は全く存在しませんでした。また、サンフランシスコ〜シアトルでも寝台車以外はポートランドでの乗り換えが必要でした。

 1971年5月1日にアムトラック発足。この地点で残っていた「コースト・プール・トレイン」「カスケード」「デイライト」の3系統を繋げてしまい、更にロスアンゼルスから南にサンディエゴまで延長して生まれたのが愛称なしの11/12列車でした。現在に続く「西海岸縦断列車」は生まれましたが、これは晴れ晴れしい物というより、生き残りのために残った系統を一纏めにしたものと推測しますが……。
 11/12列車は週3回運転であり、残りの4日は98/99列車(旧デイライト)がサンフランシスコ〜ロスアンゼルスに設定されました。
 1971年11月14日、11/12列車に「コースト・スターライト(11/14レ)」と命名。98/99列車は「コースト・デイライト(12/13レ)」を名乗りました。
 後に「コースト・スターライト」を毎日運行とし、その際に「コースト・デイライト」は吸収されています。
 また、これらの列車のロスアンゼルス〜サンディエゴ間は「パシフィック・サーフライナー」等の中距離系統に分割・統合されました。
(1990年代の2年間のみ、座席車2両を中距離列車に併結しサンディエゴ直通が復活したことあり)

 この経緯を辿ったため、「コースト・スターライト」は上下共にロスアンゼルス〜サンフランシスコは昼行(「デイライト」の流れ)・サンフランシスコ〜シアトルは夜行(「カスケード」の流れ)で運行されているのです。
 残念ながら夜行昼行逆のパターン(「ラーク」「シャスタ・デイライト」)は復活しておらず、ロスアンゼルス〜サンフランシスコの夜行移動、サンフランシスコ〜シアトルの昼行移動は出来ないままです。
(各都市近くの中距離列車のサービスが互いに接続すると便利になりそうなのですが……)

 それでも、1971年のガタガタになっていた運行系統・列車編成をよくぞここまで整備し直したものです(デイライトの自動販売機車はよく故障したとも伝えられます……)。
 フルサービスの食堂車と2両のラウンジカーを含む「豪華編成」現「コーストスターライト」が毎日運行されているのは、やはり立派であると思う由。

 この列車に転機があるとすれば、加州高速鉄道……カリフォルニア新幹線による元「デイライト」の部分、ロスアンゼルス〜サンフランシスコ間の発展的解消でしょうか? その折には高速列車は懐かしき「デイライト」号を名乗るのかもしれません。

posted by 西方快車 at 23:59| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

【米:第3日目の2 2009/0926】「コースト・スターライト」篇7:動かない! 8時間遅れ!! でも、貴重な非常食の体験も。

 先の山中の信号場で貨物列車とすれ違ったのが11時丁度位。
 交換が終わり、前進します。しかし、トンネルに頭つっこんだまま止まってしまい。挙句の果てに先の信号場に後退してしまったではありませんか。

 それから、全く列車が動きません。
 勿論、アムトラックが遅れるというのはよく云われる話です。それは或る程度「織り込み済み」ではありましたが……。

 12時過ぎて昼食に食堂車へ。

 この地点では、すぐ動くだろう位に思ってました。食事中に景色が動き出したら素敵だろうな、と。


 食堂車中央の配膳室。階下とのエレベータなどあり。ウェイター・ウェイトレスは3〜4名乗務ですから、他の国の食堂車より人員は多めでしょう。


 昼食は定番らしい?「アンガス・ステーキ・バーガー」。7.75ドル(コーヒー込)。
 大きいです。ボリュームもあります。そして美味しい! 今まで食べたハンバーガーの中で一番美味しかったと断言しちゃいましょう。
(たぶん日本なら高級バーガーとして結構なお値段とるようなタイプだと思います。日本でその手は食べた事ないので何とも云えませんけど)

 しかし、列車は動きません。反対側の線路にもなんの動きもありません。
 先に戻って寝直したり、本読んだり(長旅に備えて序盤で読み尽くさないようにしなきゃいけないのに!)……。
 気になるのはシアトルに今日中に辿りつけるのかどうか。
 辿り着けないと、車中5泊連泊確定です。洒落になってない。


 景色自体は悪くないのですが。


 動かなくなって4時間経過の15時頃、ついに非常食が配布されました。たまたま離席中でもらえず、あとから車掌さんとこに貰いに行ったら、物欲しそうと思われたのか二つくれました(笑)。


 中身。チーズ・クラッカー・ドライフルーツ・ビスケット。
 こんな常備があるというのがこの国の鉄道の一面なんですね。

 16:21。反対側の線路を貨物列車が通過。


 おかげで、やや希望が持てる展開になってきました。
 ちなみに列車の最後部は窓ありますので、この種の写真撮るのはそんなに難しくありません。椅子もなんにもないので立ちっぱなしにはなりますけど。

 16:40。遂に列車が動き出しました。
 でも、また先のトンネルに入って静止。そして信号場に戻ってしまうではありませんか。

 戻った先は信号場の反対側の線路。要は入換しただけ!


 17:11。今度はUP(HostRailroad 要は大家)のディーゼル機関車の単機回送(3重連)とすれ違い。何かの確認でしょうか?


 18:02。遠き山に日は落ちて……としかいいようのない景色。
 動かずに7時間。シアトル着予定は20:45ですから、ここから順調だとしても到着は4時頃。ほぼ明朝確定……。絶望的な気分です。

 前後して車内が妙に騒がしい。なにかと思えば食堂車での「非常夕食」(無料)の案内でした。簡単なものしかないけど無料だから勘弁してくれ、みたいなニュアンスだったと思います。


 マッシュポテトのグレービーソース掛け。皿も簡易。
 こんな常備があるというのもこの国の鉄道の一面なんですね……。

 食べ終えた19時頃、ついに列車が動き出しました。止まったりせずにずっと動き続けています。
 でも、8時間遅れです。シアトルは早く見積もっても5時着。
 シアトルでホテル1泊して休んでから、エンパイアビルダー+キャピトルリミテッドの3泊4日連続に備えるつもりだったのが、車中5連泊確定となってしまいました。
 勿論、アムトラックが遅れるというのはよく云われる話です。それは或る程度「織り込み済み」ではありました。しかし此処までの遅れは見込み違いでした。


 22時頃、元来は12時半着であったEugene-Springfield着。
 タバコ吸いに降りる客多数。


 駅舎は中央に丸いセクションのあるユニークなもの。なかなか風情があります。
 それにしても残念なのは、景色を堪能出来たはずのこの辺の区間が全部真っ暗になってしまったこと。
 
 そろそろ寝入りに入りますが、途中停車が多いのでちょっと落ち着きません。

 1時30分。Portland着。
 写真には撮れませんでしたが、駅周辺での市内電車……LRT路線との並行が印象的でした。

 大駅であり、降車客多数。
 5番線到着ですが、1〜4番線は跨線橋ではなく構内踏切を渡ります。


 ネオンや鉄サッシなど、至る所が昔のままで残っている印象です。この種の風情には羨望を禁じ得ません。


 この駅を象徴する時計塔。1898年からの歴史あるもの。
 

 「列車で行こう」のネオンサインは近年のものかと思いましたが、帰国後調べたところ歴史のあるもので、1940年代のものだとか。
http://usarail.hmc5.com/portlandor_jp.htm


 明朝の出発に備えて待機する、ポートランド・シアトル・国境越えてバンクーバーまでの中距離・国際列車「カスケード」。
 アメリカンな大型ディーゼル機関車とタルゴ客車の組み合わせです。
 余談ですが、アメリカの「国際列車」は中距離列車ばかり。ユーラシアや欧州のような気合の入った長距離国際列車は皆無です。その上、廃止や復活も繰り返し……アメリカ西部、シアトルからバンクーバーへの国際列車はアムトラック発足当時の1971年に廃止され1972年復活したものの1981年廃止、1995年に「カスケード」として再復活と波乱万丈。ポートランド〜シアトルの中距離も「カスケード」以前は全廃されてた時期(1981〜1993)があったとか。
 余談ついで。スペインのタルゴも1950年代の初代はアメリカからの技術が入ったものでした。その流れで、スアメリカ国内向けタルゴやその亜流も多々試験的運用が行われていた時期があったのです。しかし、その全ては短期間の試験運用で終了……長続きしたのでもカナダ国鉄のUACターボトレインで10年ちょっと(1969-1982)。
 その意味では1993年以来運用されているこの列車も車両も大したものではないでしょうか。
 

 Tacomaにて、シアトルはもうすぐです。


 約8時間遅れで5時頃にシアトル(Seattle King Street)着。
 疲労感というかあきらめ感が凄い……と言いたいところですが、アメリカ人はこの種の遅れには慣れてるのかなんの異変もないのにむしろ驚きました。


 この駅も時計塔が見事です。ホームの屋根等が近代化されているのも悪い感じはしません。


 編成前部はこの駅の先にあるトンネルに突っ込む形で停車します(機関車撮れず。まぁ同じ機関車ですけど)。ターレットが取りついて荷降ろし開始。
 考えてみたらこの列車の遅れのせいで各停車駅も残業強いられた(残業代の支払い強いられた……が正確?)訳で、えらい損害じゃないでしょうか?

 さて、シアトルのホテルをキャンセルするためにこちらも「遅延証明」を貰わねばなりません!
posted by 西方快車 at 23:59| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日

【米:第3日目の1 2009/0926】「コースト・スターライト」篇6:一夜明けて。

 座席に関する感想は既に記しましたが、流石によく眠れました。深夜にも……1:55、3:14、5:04と小駅への停車と客扱いはあるのですが気がつかないほどに。ちなみにアムトラックの長距離列車は平気で無人駅でも停車します(集落唯一の駅をどうして飛ばせましょう?)。
 昔から西部の長距離列車が「特急」とか「急行」と呼称しないのはこうした事情もあったりするんじゃないでしょうか?
 この種の小さな停車駅では必ず車付きの車掌がドアを見張っていますので、治安上の問題はありません。アメリカはこういうところはしっかりしています。
 あれ……座席車でも1両に1人は専属の車掌がいるのは日本じゃ考えられないですよね?

 ちなみに「車掌」と「車掌補(ボーイ)」の区別がつかないので、便宜上車掌で統一しています。というか今のアムトラックの職制までは調べた事ないです。勿論、彼ら彼女らが人種や性別に区別なく乗務しているのは当然。大昔……「写真で楽しむ世界の鉄道 アメリカ編」のころ迄……は鉄道のボーイは黒人男性の仕事[チップで実入りの良い]だったそうですけど。ちなみに乗った車の専属はネイティブと思しき?女性でした……東洋人にしては顔立ちが濃かったですから。美人。)


 起きて一枚目の撮影。

 起きてから最初の停車駅はKlamath Fallsで8時過ぎ。ここは「タバコも吸える」長時間停車。
 日は登りきっていませんし、空気もちょっと冷たい。一日と一晩汽車で走ると気候は変わるものです。


 貨物列車がお出迎え。従えているのは有蓋車の列。
 アメリカはコンテナ輸送は盛んですが、日本のように「鉄道貨物=コンテナ」というわけではありません。


 マルチプルタイタンパの形は万国共通……と言いたいところですが、日本で使われているものより小型ですね。保線機器は日本ほど進化していない印象を受けました。


 日本では絶滅した穀物用カバードホッパー車という車種はアメリカでは当たり前に見かけます。国土の広い農業国ならでは。


 列車の最後尾へ。


 前方を眺める。前には越えるべき山々が。


 やっぱり長い11両編成+重連の機関車。
 
 アメリカでは長距離旅客列車の機関車を途中で交換することはありません。「コースト・スターライト」のロスアンゼルス〜サンフランシスコ間の補機とか、分割併合を伴なう場合を除き、同じ機関車が起点から終点まで通しで牽引します。
 所属区ごとに機関車を交換する中国やロシア(と、昔の日本)と運用方針が全く異なるようです。

 何時からこうなったのかは分かりません。幾ら何でも蒸気機関車時代には無理でしょうから、ディーゼル機関車になって、更にその信頼性が高くなってからなのでしょうか?


 可愛らしくも威厳はあるKlamath Falls駅舎。

 ここ出て暫くしてから朝食。確か朝食も予約取りに回ってきたような気がするのですが……。

 6ドルちょうど。スクランブルエッグとハッシュドポテト、パン替わりのビスケット(日本のケンタにもある、あのスコーン状のやつです)。これにコーヒーとジュース(コーヒーは何杯でも継ぎ足しにきます)。味とボリュームは可も不可も無くというか、価格考えれば上等ですね。
 それに以下の景色までついてくるんですから。


 こんな山中の信号場での停車中でした。
 もやのかかった深い、しかし豊かな緑の山はいろんなことを考えさせてくれます。


 分かりにくいのですが、貨物列車との交換。
 
 
 こんな景色を眺めつつ……。でも、ここで或る異変に気がついたのでした。
posted by 西方快車 at 21:28| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月10日

【米:第2日目の5 2009/0925】「コースト・スターライト」篇5:アメリカにおける食堂車の身近さと「襟持ち」。サンフランシスコへ。


 座席の上に乗車区間の紙片を挟み込む習慣。
 (知る限り)アメリカ独自ですが、いつ頃始まったものなんでしょうか?

 山の中をひたすら。アップダウンはそこそこあります。山はカーブでひたすら距離稼いで超えていく感じ。平均速度も高くありません。3重連も納得。
 景色は良く観光には楽しめる路線ですが、加州の二大都市を結ぶ鉄道としてはどうなのかな? と思わされるのです(非電化単線であるのは言うまでもなし!)。


 餘部風味の鉄橋を渡る。


 巨大なパンケーキ形タンク。中身は農業用水でしょうか? 乾燥してそうなので水は貴重そう。


 山越え。左端のカーブがサミット。
 客車の窓から撮って機関車がこの位置にみえるということで、カーブの強さが分かるのではないでしょうか。

 機関車3重連に続き、客車もサミットを越えていく。
 コーストスターライトは太平洋岸の景色がよく誉められますが、山越えもなかなかのものです。


 客車の窓越しにここまで前方を見渡せるカーブってことで。
(写真は機関車の部分だけコントラスト弄ってます)


 或る駅でみかけた謎の貨車。
 真ん中にフレームの通った無蓋車。どんな用途なんでしょうか……(旅行中に判明。いつか積荷状態の写真も出します)。
 貨物列車密度の低さや貨物設備があまり見当たらないのは変わらず。日本と同等って感じでしょうか。


 El Paso de Robles駅。木造の山荘風。それにしても駅名はもろにスペイン語。この辺の歴史に関わってるのでしょうか?
 この辺にくると、停車は2時間に1回とかになります。


 ワイルドな景色も良いのですが、少しでも車窓に緑がみえるとほっとします。
 

 Salinas駅にて。ここも15分程度の長時間停車。
 

 客車のドア付近。黄色い踏台は客車の備品。停車の旅に車掌が出し入れ、昔ながらのやりかたが残っています。右側の表示器の数字の意味は分かりません。客車の車号でも列車番号でもありませんから。
 車側灯は夜間走行中は緑の点滅パターンで、これは綺麗でした。


 やはりヘリテージなハイレベルコーチは気になる存在。日本で云うなら東急5200とかサロ153-900とほぼ同期ってことになりますが、それが現役と云うのもやはり凄い。
 なお、客車の愛称は展望車・食堂車・寝台車には全車付けられています。


 ハイレベルコーチの台車。
 鋳鉄製の重そうなイコライザー台車(台車を軽量化する気はなかった模様……)。中央寄りの軸バネ位置にも注目。イコライザー台車の軸ばね位置は歴史が下るほど外寄りになるものなので(例えば開拓使号辺りは中央寄り、昭和の私鉄電車の場合は多くが外寄り)、1956年にこの台車というのも不思議です。
 

 駅前の保存蒸機とカブース。


 この辺りの「Host railroad」はUP(ユニオンパシフィック鉄道)。
 UPはデンバー&リオグランデ鉄道を1988年に統合していますが、まさか今なおリオグランデ鉄道塗装の機関車が残っているとは……実は意図的に残しているとのこと。ファンサービスもあるのでしょうが、現場の……被統合側の職員の士気を保つためかと深読みしたくなります。

 UPに並ぶ大手、BNSF(バーリントンノーザン・サンタフェ鉄道)もあれこれ吸収しまくってますが、統合した一つであるGN(グレートノーザン鉄道)塗装も健在なのはそんな理由なのかも知れません。


 山を下ると今度は沼沢地帯へ。そろそろ日も沈みかけ。


 この辺のタイミングで、食堂車の予約を取りにきました。

 さて。
 先にことわっておきますが、アメリカにおいては「食堂車での食事」は贅沢なものとか特別なものではありません(鉄道での長距離旅行が特別なものであるのは事実ですが)。
 そもそも利用距離が長いので食事する機会が多いこと、途中駅ホームでの飲食物の購入が有り得ないこと(1日1本程度の列車のために営業するわけにはいかない)。利用距離が平均的に短い欧州や日本、ホームでの販売が盛んで途中駅での購入も楽しみの一つであるロシアや中国とはまるで違う事情があると考えるべきです。

 ですから、合理化は徹底しています。
 食器はカップ・コップ含めて原則使い捨てのプラ製(そんなに安っぽくはない。陶製を模したデザインがいじらしい)。メニューはほぼ全土統一で調理も凝ったものは避けている印象(アメリカ料理に何を期待?)。テーブルクロスはディナーでは布製だけど朝や昼は紙のを使い捨て(ビニールにするという発想はないんでしょうか?)。
 でも、この種の合理化は否定する気にはなれません。
 食堂車が特別になりすぎてしまった国から見ると、低廉な価格でのサービスが全土・全列車に維持出来ていることの方が褒めたくもなるのです。


 それに、「食堂車」としての襟持ちは十分に保っています。
 ウェイター・ウェイトレスのサービスは過不足ないもの。たまですが、凄く愛想の良い人もいるのも印象的です。チップ目当てだとしても、そんな人にチップケチる理由はありませんよね?
 コーヒーは飲み終えたら空かさず注ぎ直してくれます(チップはコーヒーお代わり代と思って納得してました(笑))。
 それから、大事なのは窓際の生花。食堂車が特別なものであった時代の名残が嬉しいのですよ。

 食堂車は数えきれないほど利用しましたが、やはり楽しみな場所でした。
 昔の客船での食事を意識しているのか、一人旅の客を意図的に「相席」にさせるのもユニークなサービスだと思うのです。食事=会席として、食堂車が社交のための場所であることを今なお意識しているのでしょう。
 食事中に一人で寂しい思いはせずに済みましたが、貧弱な英語力での会話は……実はそこそこ楽しかったと云っておきましょう。日本から来たとかいえばそれだけで話題になりますので。


 
 さて。この日の夕食。
 本日のスペシャル16.75ドル、ステーキ22.5ドル、魚料理17.5ドル、ローストチキン14ドル(全てパン・サラダ・コーヒー付)。他ベジタリアンパスタ12ドル。
 スペシャルの内容がよく聞き取れなかったものの、「なんとかなるだろ」とそれを選択。


 サラダとパン、コーヒー。
 欧州人がアメリカ来て驚くのは「アメリカ人が食後ではなく、食事中にコーヒー飲むこと」なんだそうで。
 味は至極普通。


 メイン、やや失敗。魚のハンバーグ状のもので、あんまり美味しくなかった……。勿論、まずいとか食べられないというレベルではありませんけど。
 付け合せはフライドポテトとベークドポテトと米を選択出きたと思います。
 量は(予想通り)たっぷり。

 食事中にサンフランシスコに近づきました。

 サンフランシスコの中距離列車「キャピトル・コリドー」。
 アムトラックは西海岸の主要都市、ロスアンゼルス・サンフランシスコ・シアトルを起点に周辺の都市への中距離列車の便をそこそこ設定しているのですが、残念ながらそれらのネットワーク同士は完全に孤立しています。
 直通するのは「コースト・スターライト」1本のみ。

 また、アムトラックは何故かサンフランシスコ市内に駅がなく(最近そうなったとかいう話ではなく、昔からのことらしい)、「コースト・スターライト」は郊外の3駅に停車し市内へはバス連絡。
 この中でメインはOakland駅。21時47分着。15分停車。


 食堂車への補給。


 最前部へ。此処から先は有名な路面区間です。詳細は以下参照。
http://usarail.hmc5.com/oakland_jp.htm

 有名な?動画は以下。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6393507
(編集されて名鉄のミュージックホーンがついてます。オリジナルの動画は行方不明)


 最前部より。ここで機関車P32-8の切り離し。ここからはジェネシスの2両のみが牽引となります。


 「STOP」の注意差しが印象的。


 荷物車からの荷降ろし。


 Oakland駅舎。ガラス張りの超絶モダーンなもの。
 ここで降りる乗客多数。


 夜のステンレスカーも風情あるものです。
 座席車は既に減光済み。真ん中で明るい部分は階下への階段部分。

 お次はEmeryville。

 ここは完全な旅客駅ですが、ダブルスタックのコンテナ車の留置が印象的でした。
posted by 西方快車 at 22:22| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月08日

【米:第2日目の4 2009/0925】「コースト・スターライト」篇4:1956年生まれ車齢53年の「ヘリテージ」フリート健在也。

 もちろん、車内を歩きまわってみることに。
 完全に自由にというわけにはいきませんが。食堂車で寝台側と座席側が完全に分離されちゃってますから。
 物価の安い国なら寝台車や1等車に乗れますし、欧州みたいに1等車の割引が凄い……というか乗りまくり旅行に便利なレールパスが1等用しかない(ユースパスの年齢制限が未だに残ってるのは前時代的……)と、優等車側からの高みの見物ができるのですけどねぇ。
 ですから、旅行中に寝台車などのレポがないのはお許しください。


 カフェラウンジのメニュー(というより品目価格リスト)
 ほぼ全土共通。日本の車内販売に比べても割高感は否めず……(ビール高いよ!4ドル50セントもする)。でもコーヒーは1ドル80セントで割安ですが。アルコール類の価格は禁止・抑止的価格と思うのは偏見かしら。
 サンドイッチなども割高感ありますんで、朝食・昼食は食堂車で食べた方が安上がりにつきます(あっちなら6〜8ドルでジュースとコーヒーまで付いてきます。コーヒーはお代わり可だし)。でも、座席車のお客に取っては食堂車は敷居が高いと思われてる印象はありました(食堂車の予約は寝台車優先。ただし寝台料金に食事代込みですから、これは差別ではなくて合理的処置)。


 ラウンジ車(展望車)の階下。向かい合わせのテーブル幾つかと、奥に売店。
 



 売店。旅客機のギャレーを思わせる良い意味で合理的な造り。数字の振られた冷蔵ケースがそれっぽいですよね。普通のスーパー・コンビニと同じスタイルですから売る側も使う側も便利です。
 なお、このスタイルなのはスーパーライナーUのラウンジ車であり、スーパーライナーTはもっと使いにくいスタイル……狭いカウンターがあって、そこに注文して係員に取ってもらうというスタイルです。


 丁度この列車の景色上の目玉の一つ。太平洋を見渡す海沿いの区間に出てきました。階上のラウンジの、しかも海側の席はなかなか空きません。なんとか空席みつけて座り込みます。

 海。
 とくに言葉も出てきませんけど、海とか湖とか水辺を走る列車は好き……。


 ときおり線路と海の間に道が入り込みます。
 アメリカ人のオートキャンプ好きがわかります。キャンピングカーは得てして大型ばかり。


 Santa Barbara駅。南欧風の駅舎が見事。
 ここからは海も近いはず。


 駅の外れに保存されていた展望車。かつてこの辺りで旅客列車も走らせていたサザンパシフィック鉄道のもの。いわゆるヘビーウェイト客車で1920年代かそれ以前の車。
 ダブルルーフながら、上段寝台の居住性考えた部分シングルルーフが印象的です。


 駅をでると、また海沿いへ。
 如何にもリゾート!とかパラダイス!な光景。




 ラウンジの窓が上下に大きいので、海が近くに感じられます。
 現行のスーパーライナーラウンジ車は昔のガラス張りなドームカーよりも開放感に欠けるんじゃないかと思っていましたが、窓が外見の見た目よりも上下に大きいので杞憂でした。 膝より上が窓、それが車体全長に連続している……というのは結構インパクトがあるものです。
(ラウンジ車の車内写真は他で撮ってますので、もう少しお待ちを)


 海沿いを2時間ほど走って、今度は山へ。


 謎のすれ違い。相手はアムトラックのアムフリート客車。
 まず、アムフリート客車は西海岸への配置はないはずです。また、この区間(Santa Barbara〜San Luis Obispo)には「コースト・スターライト」以外の客レもないはず……。
 回送か、事業用か……。

 なお、貨物列車とのすれ違いも殆どありませんし、貨物用設備や留置されている貨車も殆ど見かけません。

 事業用?のカブースは留置されてたりしましたが。


 丘に登れば、如何にもアメリカな田園風景。広大なる農地。


 ロスアンゼルスから5時間半、15時20分頃San Luis Obispo駅に到着。ここでは反対方向のコースト・スターライト(14レ)との交換が行われます。といっても11レ入線と同時に14レが出て行くダイヤなので並びは撮れませんが。
 14レも11レ同様、座席車を最後尾にした編成です(と、いうことは必ず編成ごと方向転換している!?)。

 ここは20分ほどの長時間停車。スモーキングタイムでもあります。
 そして、やや狭いものの光線状態がよいので、客車の写真とるのにも最適♪


 ラウンジ車。青帯の位置に床がありますので、窓の大きさが実感出来ますかと。
 昔のドーム車に比べて地味な外見ですが、中身は凄いという感じ。


 食堂車。階下に窓なしであることと、階上中央部・配膳室の窓無し部が食堂車であることをアピール。




 前後のスーパーライナーとの車体断面の差に気がつかれたでしょうか?
 この編成中の白眉、貴重な「ハイレベルコーチ」の生き残り。1971年のアムトラック統合前の客車は概ね淘汰されてしまいましたが、1956年製のこの車は今なおコースト・スターライトのレギュラーとして活躍中。
 寝台車側のラウンジとして使われているので、気軽に立ち入れないのが残念ですが(ワインのテイスティングイベントとか行われてるとか)。内部はサンタフェ鉄道時代からはかなり改装されている模様。
(車内写真などお持ちの方いらっしゃいませんか?)

 統合前の「ヘリテージ」客車は事業用車や動態保存的な車の他、東部の食堂車にも現役で運用についている車があるようです。意図的に残しているというより、新車作る費用の問題らしいのですが……。


 寝台車。座席車と車体構体は共通です。窓割りは寝台車側に合わせています。
 荷物車との間に入るのは従業員用寝台車。昔はドミトリーカーという開放寝台車だったそうですが、今は従業員用も個室寝台。


 荷物車。荷物車もまたヘリテージな世界です。かつてはスカート付きのスマートな車だったようですが、いつの間にか剥ぎ取れてしまった模様。車端部と扉ステップに名残を残す。


 編成を見渡す。


 いわゆる「ジェネシス」。昔の流線型ディーゼル機関車を今風に再現したつもりなのでしょうが……。お世辞にもかっこよいとは云えません。普通に角形ボンネット突き出した形状でも、或いは普通のキャブユニットの機関車らしい機関車で十分だったと思うのですけど。


 やっぱり機関車は機関車らしい形状が一番です。ゴツいキャブユニットに爽やかなアムトラックスキームV塗装(この辺の解説はまた何時か……)は意外と似合ってます。ただ大型キャブユニットに軽快なB-B配置の足回りはゲテモノといえばゲテモノですけど。
 この写真撮るために汗まみれになりました。


 駅舎。おとなしくも整ったもの。やはり南欧の匂いです。
 客車に戻り、反対側をみたら……。


 

 構内に留置されていたユニオンパシフィック鉄道のディーゼル機関車。アメリカンマッチョなディーゼル機関車は趣味の対象外……のつもりですが、やはりこの空の下でみると魅力的です。巨大なラジエータや燃料タンクも魅力の一部。
 あと、UPの黄色って一番写欲を刺激すると思うのは私だけではあるまい……。ディーゼル機関車(ガスタービン・蒸気タービン機関車も)投入以来のカラーリングを変えていない伝統保守もファンごころを刺激します。
 サイドに国旗を描くようになったのは最近のことなのでしょうか?

 撮り終わったら丁度、発車でした。
posted by 西方快車 at 19:27| Comment(3) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月07日

【米:第2日目の3 2009/0925】「コースト・スターライト」篇3:アメリカの鉄道運賃のこと。また、「アメリカ的な編成」について。

 先に「世界一豪華な普通車」の話をしました。
 ここに気になるのはアメリカ……アムトラックの鉄道運賃です。

 当日購入の運賃だと、このロスアンゼルス→シアトルの西海岸縦断で192ドル(18000円位)。所要34時間30分。2216km。
(2216kmの運賃は、JR本州会社だと21110円)
 また、シアトル→シカゴ→ワシントンDCでの北部大陸横断で310ドル(29000円位)。所要65時間と30分(うちシカゴでの乗継3時間)。4805km。
(4805kmの運賃は、JR本州会社だと40430円) 
 
 アムトラックの運賃は公式サイトより、この執筆日2月7日発の運賃を出しました。ちなみに日に依って運賃は変わりますし、購入時期が早いとだいぶ安くなります。2週間前に購入すればロスアンゼルス→シアトルで98ドル、シアトル→ワシントンDCでは193ドルという運賃になります。ほぼ半額から2/3程度。

 JRの運賃計算は、以下のサイトを参照しました。
http://bunkatsu.info/fare.html
 「運賃の仕組み」より。

 当日購入の運賃であってもJRより低廉であることが分かると思います。もちろん、運賃の他に急行料金・特急料金・座席指定料金等は一切不要!

 それにしても……2週間前購入の運賃は、日本どころかロシア並じゃないでしょうか(笑)。但しロシアだと最低運賃でも3等寝台(プラッツカルト)になります。昼の居住性を重視したアメリカ式デイナイトコーチと、昼は直角椅子ながら夜は横になれるロシア式プラッツカルトのどちらが快適かは難しい問題ですが、この辺の考察は別の話題にでも。
 
 とにかく、豪華な設備に対して運賃は低廉に抑えられていることは事実です。
 とはいえ、アメリカにはバスや格安航空という強力なライバルがあるのも、また事実ですが。


 例えばグレイハウンドでロスアンゼルス→シアトルの当日運賃検索すると正規158ドル、web割引120ドル! ……ただし2週間先の事前割引でも96ドルまでしか安くなりませんので、ここではアムトラックと同等。
 勿論、設備が大きく違うことも考えに含めるべきですよ!
 グレイハウンドの設備に関しては、先に結論だけ上げておけば
「最低。日本のツアーバス並か以下!」
 とだけ記しておきます。「はかた号」はいうに及ばず、青春ドリーム(JRバス関東)のエアロキングさえも恋しくなりましたから(苦笑)。
 やはりアムトラックの運賃は割安というべきでしょう。

 さて。
 その豪華普通車を含む「編成」はどんなものでしょうか?
 「コースト・スターライト」はこんな感じ。

 機関車の三重連に続き……。

 荷物車−従業員用寝台車−寝台車−寝台車−展望車(寝台客用)−食堂車−展望車(座席客用)−座席車−座席車−座席車 

 ……という10両編成。その中で乗客乗せる車は僅かに5両!! 残り半分が何らかのサービス用車両(荷物車は旅客の預け荷物を運ぶためのもので、収入になるわけではない)。
 こんな編成はアメリカ以外で考えられるでしょうか。しかも特別なツアー列車の類ではなく、運賃を格安航空やバスと争わなければならない「普通の列車」でのことです。
 展望車(ラウンジ車)は通常の長距離列車では1両であり、寝台と座席で2両用意したコースト・スターライトは別格ではありましょう。されど、「荷物車」「従業員用寝台車」「食堂車」はどの列車にも必須のものになっています。
 
 アムトラックは全席満席で走っても赤字……という噂がありますけど、ちょっと否定する気になれません。
 しかし、アムトラック発足直前の旅客輸送サービスが地に堕ちきっていた頃への反省と自責、また旅客輸送全盛期へのノスタルジー、公社であるが故の理想主義など考えれば、こんな編成も「当然」なのかもしれません。
 そもそも、運行距離考えれば「従業員用寝台車」「食堂車」は必須。駅(ホーム)での物販が商売にならない以上、後者の存在意義は限りなく大きなものになります。従業員も多くなりがちで、労働環境考えれば彼ら彼女らの寝台だって必要でしょう(客用の空き設備でどうにかなる人数ではない)。旅客の手荷物も多いのがアメリカですから「荷物車」も居る。最後に売店兼ねた「展望車」が唯一のゼイタク設備かもしれませんが、編成に通常1両のこの種の車がついてる程度なら、他の国の列車でも別に珍しくはありません。

 そう考えてみると、豊かなる資本主義国アメリカで旅客鉄道輸送を行う難しさがしれようというものです。
 但し、豊かさこそが社会主義的に旅客鉄道輸送を維持させているのも、また事実なのでしょう。
  
posted by 西方快車 at 21:29| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月05日

【米:第2日目の2 2009/0925】「コースト・スターライト」篇2:スーパーライナーコーチの印象。世界一豪華な「普通車」。

 前回の答えです。
「イコライザー付きの方が新しい」

 S形ミンデンの方はスーパーライナーT形で1979-81年の製造。イコライザーつきの方はスーパーライナーU形で1993年以降の製造です。車体直結のエアサスという進歩は褒めるとしても、この時代にイコライザー台車を新造し続ける理由はアメリカ人以外には図りきれないものがあります。

 台車のイコライザーというのが軌道整備状態がよくなかった昔のアメリカで、文字通りに釣り合いを取るために機能していたもの。しかし、「イコライザーはバネ下重量になり、強度を確保しにくく破損しやすい部品」という理由から現代の鉄道車両から排除されて70年余……そもそもTR23みたいなイコライザーなしの台車が最初に生まれたのもペンシルバニア鉄道だった筈なのに。
 まさか、アメリカの鉄道整備状態が70年前より悪化しちゃったからだとすると……。
 文明後退モノのSFは腐るほどありますが、スーパーライナーUの台車はその好例でなんでしょうか。まぁ車両メーカー壊滅させ、幾つかの幹線の電化の廃止しちゃった国なんで納得できちゃうのも何ですけど。

 まぁ、趣味的ルックス面ではイコライザー台車は格好良いのは事実です。近代的車体とのアンバランスでは昔の名鉄7300(パノラマカーの車体にD16。後にまともな台車に換装)とか相鉄2100(パワーウィンドウのアルミボディにTR11という究極のゲテモノ。これも台車更新と新性能化)とかそこそこ魅力的でしたし(笑)。

 Superlinerに関してはwikipediaに日本語項目もあります。
 スーパーライナーTのコイルサスは元はエアサスだったとは……やっぱり文明後退……?
 
 御託は抜きにして乗り込むとしましょう。


 デッキから2階への階段。狭くて急。
 この設計自体は長距離用客車として理想的。階段やデッキが旅客の回遊出来るスペースにもなりますから。しかし元々の設計が1956年のハイレベルコーチ、あの頃はアメリカ人は今ほど太ってなかったのでしょう……(苦笑)。


 室内。
 当然ながら冷房効いてるのが有り難い限り……。


 座席。
 シートピッチ1270mm。レッグレスト付きのリクライニングシート。
 リクライニングシートというのは元来こういうものを指すのだなと深く実感させられました……。

 アムトラックの長距離コーチは新幹線のグリーン車なみとか云われますが、スーパーライナー作られた1979年頃の0系とか200系のグリーン車よりずっと上です。それにレッグレストに10cm以上広いシートピッチは今のグリーン車よりも更に上。あと、欧州の平均的な1等車よりも上でしょうね(欧州の1等はは1-2アブレストですが、アメリカは車体幅広いですからね)。
 また、インテリアの作りこみが丁寧。床は絨毯で壁や天井もフェルト系の素材で硬質な部分が全くありません。インテリアの方向性は華美な豪華さの見えない、シンプルなモダニズム系。しかし使用素材が安っぽくはなく、正しく上質なモダニズムなんです。
(モダニズムの名のもとに簡素化しちゃうような愚は犯していません!)
 照明は1970年代の車と思えないほど凝っています。窓ぎわには蛍光灯間接照明とスポットライト。夜を意識した大人のライティング。勿論読書灯あり。
 深夜に減光されると、寝やすさはパーフェクト……ただし、足元灯ないのは不安ですが。

 座席自体の寝心地も不満のないものでした。日本のグリーン車だとバブル期に流行ったもののいつしか粛清されまくったレッグレストの効果は大きいものです。2泊3日かそれ以上に耐えられる座席車であり、「デーナイトコーチ」と云う呼称は伊達ではありません! ベッドライクな座席という意味で、「飛行機なら一昔前のビジネスクラス」という表現してもバチはあたらないのかも知れません。
 ただ、気がかりなのは座席間の肘掛がないこと。ふたり連れの客なら必要ないでしょうし、一人旅の客同士が相席になりにくいよう配席は行っているので不要という判断がされたのかも知れません。
(実際、相席になることは稀でした)


 ペーパータオル、水、紙コップは常備。勿論不足時には補充されています。
 ただ、水が冷えてないのはどうかと思いましたが。あと、中国やロシアのようにお湯もサービスされるなら最強なんですが……。どっちもない日本は最悪ですが。

 それから、車内はとても清潔で、車両の経年ほどは老朽化もしていません。清掃やメンテナンスにはそれなりの費用を掛けていることが分かります。
 敢えて云います、世界で一番豪華な「普通車」です。しかも特別な列車の特殊な運用とかじゃなくて、全土全長距離列車ががこの水準に保たれているのです! 


 乗った客車の1階客室はゲームセンターとして使われていました。利用率は低かったですが……。
 1階客室のある車は、元来の目的……ハンディキャップルームとして使われています。

 いよいよロスアンゼルスを出発。
 車内は定員の半分くらいの乗車率。


 構内に保存?されていた古いオープンデッキの展望車。ヘビーウェイトを固定窓・冷房化したタイプと思われます。レールは本線に繋がっていましたので、私有車で動態保存車なのかもしれません。
 この後、この種の保存客車・私有客車は多々見かけることになります。


 上はメトロゴールドラインの高架。桁自体が細めで、柵や壁がないのでとても軽快な印象。電車の軌道というより、モノレール的な感じがします。


 編成前方を眺める。




 少し走るとメトロゴールドラインの車庫横を通ります。銀色の新型電車たち。


 さらに行くと、今度はメトロリンクの車庫。


 こちらはかなり広大。着席通勤を支えるための膨大な客車群!
 といっても、この列車走る前はみんな車で通勤してたはずですから、シムシティ的に渋滞やらは解消されたのでしょうか。


 メトロリンク車庫で見かけた、たぶん事業用のカブース(車掌車)。


 意外と貨車や貨物設備は見当たりませんでした。
 アメリカは鉄道=貨物輸送のイメージ持っていただけに肩透かし食らった気分……。或いはシベリア鉄道の膨大な貨車群や次から次へとすれ違う貨物列車の印象が強すぎたのでしょうか……。
 たまたま目撃した、平凡な?ボックスカー。


 メトロリンクの駅。日除けのみで極めてシンプル。
 駐車場は駅の必需品。


 日中も或る程度列車は運行されています。これは他都市の通勤鉄道も同様でした。


 でっかいトレーラートラック。TPクルーザーのようなクラシックモダンなスタイルにも見えますが……実はアメリカではトレーラーヘッド=ボンネットであり、キャブオーバータイプは「まったく」見かけませんでした。


 20分程走って最初の停車駅。Van Nuys。郊外の駅で客を拾う感じ。


 プール付きの別荘?が線路際に何軒もずっと続く。


 踏切もワイルド。


 ロスアンゼルスの郊外を抜け、いよいよ山越え。


 どこぞの駅でみかけた、パック詰?の機関車。砂埃除け?


 さらに、山へと。岩とか乾いた感じが早くもアメリカを感じさせます。


 3つめの停車駅Oxnard。日除けが可憐。


 そろそろ昼食。朝方調達した、サブウェイの巨大サンド(中身はツナ)。変形しちゃってますが気にしない……。
posted by 西方快車 at 20:23| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月04日

【米:第2日目の1 2009/0925】「コースト・スターライト」篇1:長距離列車乗車待ち…LAユニオンステーション(出発篇)

 暑さで6時過ぎには目が覚めました。
 ロスアンゼルスの暑さはナメない方がいいです。アメリカでは鉄道では大昔からエアコン普及してますけど(1960年代には中長距離列車は基本的に全車冷房車になってる。通勤車も冷房化は日本より早い)、安ホテルは別なのが不思議……。以後、何度も冷房なしの部屋を経験しましたので(此処と違って流石に扇風機はある)、冷房は贅沢なんだと認識しましたよ(苦笑)。

 あとこの部屋で不便なのはイスがないこと。書きモノしにくいです。
 はっきり云えば、アメリカで安すぎる宿は避けた方が無難な気がします。

 シアトル行「コースト・スターライト」のロサアンゼルス・ユニオン発車は10時15分。
 余裕を持ってというか、あの美術館のような駅でまったりする時間が欲しくて早めに出かけることにしました。


 セシルホテルのロビー、お薦めはしませんけど(笑)、ロビーは立派。


 昨日の夕食買い出したサブウェイ。今日も朝食兼昼食もここで調達。
 あとはセブンイレブンでペリエ2本と、2リットルのペプシ1本(激重!)。ペリエは禁酒国アメリカ合衆国でのビール代わりとして(苦笑)。


 連接バスの後ろ姿。

 乗りなれてきた地下鉄でまたユニオンステーションへ。昨晩の「下見」ではなく、列車に乗るための「本番」と思うと気分はさらに高揚するというもの。
 また、黄昏時にも素晴らしかったこの駅が、午前の光浴びているところもまた良いものでした。
 真っ先に臨時カウンターにチケット見せて座席の指定を受け(このシステムはロスアンゼルスだけ)、「コースト・スターライト」では重要な海側席を確保。そして待合室へ。


 待合室。うわさにたがわず鉄道利用者は「年配の夫婦」が目立ちます……若者は少数。また、欧州でみかけるバックパッカー系は超絶に少数派。
 ここで、北京〜モスクワの3次との差異を感じます。


 立派な革張りソファー。ここは有料とか特別な場所(軟席候車室とか空港のラウンジとか……前者は兎も角後者は無縁だなぁ)ではありません。普通の待合室です。


 ドア鴨居の装飾と、カッコいい時計。


 中庭へのドア。光の漏れ方も素晴らしい……。

 この立派な駅でいただけないのは飲食物が高めなこと。日本でも中国でもロシアでも、あと韓国や台湾だと市価(安売りスーパーとかではなくて、コンビニや街頭のキオスク)と駅構内価格は大差ないもんですが、ここは確実に高い! あと、駅周辺にコンビニやファーストフードが全くありません。
 ですから、この駅からアムトラック乗る人は飲食物は市内で買いためしておくことを強くお勧めします。

 といっても酒類の買い出しはダメですが。
 「禁酒国」アメリカでは、座席車での飲酒が禁止されちゃってますから(例外あり、ニューヨーク辺りで記します)。勿論ラウンジカーなら飲酒可ですが、ここは持ち込み不可ですので車中で割高な酒買うしかありません。寝台車の高額な料金は「持ち込んだ酒を自由に飲める料金」って気もします(苦笑)。
 とにもかくにも、自分がアメリカで感じた窮屈さはここに起因してます(断言! まぁ他にも理由ありますけど)。
 汽車に乗ったら呑む人はアメリカでは覚悟した方がいいですよ! アメリカとは仲悪いはずの回教圏行くくらいの(苦笑)。

 ちなみにアルコールでこれですから、喫煙者はもっと地獄。車内は喫煙可能な場所ゼロですから。駅でも喫煙所は見かけませんでしたし(ホームは可らしい)。
 イリノイ鉄道博物館で昔のインターアーバン乗ったとき、車内に仕切があって区切られてて「これは何ですか?」と尋ねたら、「スモーキング・セクション。(今は禁煙だが)」と云われた時の驚きは忘れられません。ああ昔はタバコも吸えたんだ……。

 余談が長くなりました。


 昨日とは違う中庭に出ました。ここには小さいながら噴水があります。タイルモザイクが可憐。


 緑が多く安らぐ空間。


 タイルのベンチも、暑いこの土地では気持ちよいもの。

 出発30分前になって、いよいよ待合室にコールが掛かり乗車開始。

 地下通路での「コースト・スターライト」の案内。こんな看板用意するあたりに、アムトラックの気合を感じます。左が前方で寝台車、右が後方で座席車。


 ホーム上にも看板が掛けられます。左が「コースト・スターライト」。右はサーフライナー。
 ダブルデッカーが並ぶと、ホームはまるで谷間のよう。


 「赤帽」もアメリカでは健在(帽子はかぶってませんけど)。但し手運びではなくこんな車を使います。荷物と一緒に持ち主も運んでしまいます……。


 構内の斜路はこういう用途のために。

 取り敢えず、客車に乗り込んで荷物を置き、発車まで構内撮影。


 メトロリンク3本並び。通勤ラッシュ外れててもこれですから、それなりに利用されている模様。


 別事業者の?通勤客車。「NJ TRANSIT」とはどんな会社?
 運転台付のプッシュプルタイプ。電車っぽい顔です。


 3レ「サウスウェスト・チーフ」(8:15着)と、1レ「サンセット・リミテッド」(9:40着)が並ぶ。列車番号的にもこの辺の列車の「立場」が量れましょう。ちなみに「コースト・スターライト」は14レ。
 この時間のロスアンゼルス・ユニオンは長距離列車3本が並ぶゴールデンアワーでもあります。

 左が「コースト・スターライト」。
 平地が広がってるロスアンゼルスですが、ユニオンステーションは山に囲まれているのも分かります。


 「サウスウェスト・チーフ」と「サンセット・リミテッド」からの手荷物取り降ろし。ホームは荷車走り回る空間となっています。


 「コースト・スターライト」最前部。機関車は3重連。2両目3両目はアムトラックの今の標準機「ジェネシス」の背中合わせですが、一番前はP32-8というアムトラック全体で20両のみの希少機。
http://hebners.net/amtrak/amtP32PHS5.html
 希少機といっても貨物機ベースのゴツいキャブユニットに過ぎず、ジェネシスより見劣りする存在……。ただ、ずいぶんと機関車らしい形状ではありますので、個人的にはジェネシスよりずっと好きですが。
 いろいろな意見はあると思うのですが、ジェネシスだけは未だに好きになれません。


 「コースト・スターライト」のスーパーライナーコーチ。


 同じく、「コースト・スターライト」のスーパーライナーコーチ。
 さて、上下写真の違いは何処でしょう?

 答えはひと目でわかりますよね? 台車が違います。


 S形ミンデン(片ミンデン)の近代的台車。但し枕バネはコイルサス。


 車体直結のエアサスと枕バネは近代的です。でも、イコライザーはどうかと思いますが……。

 さて、どちらの台車の方が新しいでしょうか? 答えは次回!
posted by 西方快車 at 21:32| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月02日

【米:第1日目の4 2009/0924】ロスアンゼルス篇4:通勤に中距離、市内電車も混じって…LAユニオンステーション(ホーム篇)

 ロスアンゼルスのユニオンステーションはホームが常時オープン、欧州と同じです。ちなみにアメリカの大駅だと通勤列車も含めて「列車別改札」が主流であり、撮影に不便きたすこと他なりません。
 その意味でこの駅は変わった部類に入るのかも知れません。


 ホームへの地下通路。LEDの発車案内が日本と同じスタイル。
 右手のスロープはホームへ続くもの。Y形のスロープが階段を挟み込むユニークな形です。スロープはバリアフリー対策ではなく(苦笑)、荷物の「ターレット」用。


 スロープと階段。


 ホーム。通勤列車も含めてホームで列車を待つという概念がないため、なんの設備もなくあっさりしたものです。並んでいるのは中距離列車サーフライナー。プッシュプルですからこっちが前面になることもあります。


 ロスアンゼルスの駅は行き止まりになっています。頭端式ではありませんが。
 左方にメトロリンクが2本、右手にサーフライナーが2本発車待ちというちょっと賑やかな状況。


 メトロリンクの通勤客車。横から見て8角形の通勤客車は標準型の一つで、サンフランシスコやシアトルでも見かけました。これもプッシュプルです。


 サーフライナー。数時間程度の中距離列車で近隣都市を結びます。この車は運転台付のコーチ・荷物合造車(1階が荷物)。


 サーフライナーのコーチ・カフェ合造車。
 アムトラックではごく一部の区間列車以外では、原則として食堂かカフェの営業がある模様。
 日本や東アジア、今の欧州からみると「え!」と思うような羨ましさですが、車内販売やホームでの販売が皆無である代替ともいえます。
 日本は問題外としても、台車押しての販売が何処でもある中国、公式の売店も露天物売りも充実したロシアを見た後だと寂しさを感じる部分でもあります。
 この車は1階をカフェに当てています。


 ビジネスクラス。意訳すればグリーン車。
 アメリカの鉄道も「1等・2等・3等」のような等級制を取っていないのは昔からの伝統。普通車にあたるコーチの上には「クラブ」や「パーラー」のような上位クラスが設定されていました。しかし、ビジネスクラスという航空業界由来の言い方が鉄道で使われているのは、どうも馴染めません。
 それにビジネスクラスは今でこそ「特別席」のニュアンスですけど、元来は正規運賃でエコノミークラス利用したお客へのサービスとして始まったものの筈で特別席という意味合いではありませんし。


 サーフライナー編成に混じっていた長距離用「スーパーライナー」コーチ。
 アメリカでは「コーチ」といっても中距離用と長距離用では仕様がかなり異なります(シートピッチやリクライニング角度)。この車は乗り得な車でしょうね。12系編成に1両14系が混入しているようなものでしょうか。

 サーフライナーの6両編成。日本式に云えば
「ロ ハシ ハ ハ 特ハ ハニフ」といったところ。特ハはスーパーライナー客車。
 ディーゼル機関車は比較的近年のタイプである流線型機。客車との揃いです。


 別線に留置中の、メトロリンクとは別事業者の?通勤客車。
 平屋で窓の小さいアルミ製の客車。台車は内側軸受。
 これも標準型の一つで、通勤型だけではなくアムトラックの長距離仕様の車もあります。


 スロープをホーム側からみると。「STATION」の文字が印象的。


 メトロリンクの通勤客車。


 同じ8角形の2階客車が続くかと思いきや、編成端に別の客車がついているのは面白い。別事業者の車を併結しているのでしょうか?


 ディーゼル機関車。日本だと確実に電車化されてそうなところが客車列車で運行されているのがアメリカの現状。余談ですが、アメリカでは1950-60年代のRDC以降、気動車が完全に廃れてしまったのも強烈なこと。


 別のメトロリンクの列車。こちらは軽快な?3両編成。
 流線型の新型ディーゼル機関車は「888」のゾロ目。
 ところで、カリフォルニアでスノウプロウは何のために? プロウの後ろにカウキャッチャーも見えるので、カウキャッチャーを兼ねてるわけでもなく? メーカーの標準品だから付けてるだけなのか、北の方から中古で買ってきたから着いたままなのか、或いは将来北のほうへ転売する気なのか……。


 ホームから駅舎を見たところ。あの華麗な駅も裏側は地味なものですが、これはこれで悪くありません。荷物扱いのための設備が、日本の駅との差異を感じさせます。


 構内の駅舎より1番・2番線はメトロ・ゴールドラインのために使われています。ここだけホーム嵩上げで完全に電車駅になっています。


 大きな駅の片隅に小さな電車が出入する情景は、日本の幹線筋の私鉄分岐駅……北陸筋なら福井や富山あたりを思いださせます。
 ゴールドラインでは今のところ2種の電車が使われている用で、この白い従来車と新型と思しきグレーの電車を見かけました。


 グレーの新型車。


 20時過ぎに撮影切り上げ、またレッドラインでホテルに戻ります。
 ドルの現金を調達しそこねたままだったので、夕食買い物はカード使えそうなチェーン店に限られるのがちょっと不便。といっても初日でいきなりローカルの店に入る度胸もまた、なし(苦笑)。
 ホテル近くのセブンイレブンでドクターペッパーの1リットルペットとペリエ、歯磨き歯ブラシを調達。ドクターペッパー好きには嬉しい1リットルや2リットル入が普通に売ってます。でもルートビアはロスアンゼルスでは見かけませんでした(たまたま入った店で無かっただけかもしれませんが)。炭酸水好きにとってはペリエ位しか普通に売ってないのも不便かも。まぁ日本のふざけた値段ではなく、こっちでは飽く迄「水」の値段ですけど。

 チェーン系のファーストフードでは唯一見かけたサブウェイでサンドイッチ作ってもらいホテルへ。オプションが豊富ゆえ英語力が問われるシステム。一つ作って貰うのに手間取りましたが……。
(ロスアンゼルスのダウンタウンではマックもバーガーキングも見当たりませんでした……何故?)
 酒屋も見当たらず……(涙)。アメリカの飲酒事情に関してはあとで愚痴込めて記しますのでお楽しみに(苦笑)。

 
 共同のシャワー室は古い割に掃除されてて清潔ではあるんですが(ここは褒めたい)、脱いだ服をかけるフックもなく泣くほど不便。スリッパやサンダル、ましてスノコがあるわけもないので靴が濡れるのも気にする必要があります。
(パンツやスラックスが履きにくいのも想像付きますよね? 羽織って帯留めるだけの浴衣をもってて良かった……
 シャワーそのものも欧米人が未だに愛用しやがるホースレス・ヘッド頭上固定式(苦笑)。旅行先であのシャワー見る度にイライラするんですが、向こうの人はあれを不便と思わないのかしらん? ホースついたシャワーを知らないから不便と思わないだけなのかしら?
 風呂(含むシャワー)とかトイレの文化は、日本が一番と思わざるを得ません。

 それでも汗流してさっぱり。窓開けて涼んで(湿度が低いのは助かる)、遅い夕食。


 このデカいサンドイッチが5ドル未満。手前にサイズ比較用に某林檎印の携帯電話を置きましたが、奥の1リットルペットボトルの方がサイズ比較には適切かも知れません。
 素晴らしく食いでがありました(これでもヘルシーなファーストフードとか謳ってます)。あと、日本の同名のチェーンは何であんなに高いんだろう……そんな訳で、この後もサブウェイには滞米中なんどもお世話になりました。具はハムよりツナかチキンの方がボリュームあって良かったですね。

 さぁ、明日はいよいよ長距離列車への乗車!
posted by 西方快車 at 23:04| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月01日

【米:第1日目の3 2009/0924】ロスアンゼルス篇3:美術館のような駅! LAユニオンステーション(駅舎篇)

 世界で一番美しい駅って何処なんでしょう……?

 そんなことは特に考えず、明日の「コースト・スターライト」号の下見と、レイルパス・チケットの受領程度のつもりでユニオンステーションにやってきました。
 地下鉄からの無機的な通路を抜けた先にある、妙に暖かみのある配色で、適度にデコラティブな通路に「おや?」と思います。


 ひょっとして、ここ、凄い空間なんじゃないの? と。
 奥に見えるのが立派であると聞いてはいた待合室でしょうか。そこに向かう前に目についたのが時刻表。


 アールデコな装飾のされた時刻表表示。左が到着、右が出発時刻。「9/24 6:26pm」
 アメリカは鉄道が12時間表示なのでちょっと違和感があります。

 それにしても、意外と列車本数があることに驚かされます。
 18時台後半に通勤列車(メトロリンク)が3本と「サウスウエスト・チーフ」号、19時台に通勤列車2本と中距離列車(サーフライナー)2本が出発することがわかります。贔屓目に見れば、日本の地方都市レベルではないでしょうか。




 待合室。正直、言葉を失う空間です。美術館のような、が第一印象。

 豪勢でもあり、そして暖かみもある。そして下品なもの醜いもの冷たいものは全て排除された「駅」とは思えない空間。

 でも、この駅は博物館のように時間を止めた場所ではなく、先にも記したように今なお多数の通勤列車・中距離列車が出入し、多くの人が利用する生きた空間でもあるのです。

 もともとの造りのよさは言うまでもなし。

 しかし、鉄道の斜陽を通り越して綺麗に整え、余計なもので穢さない姿勢には思えば思うほど感激してしまうのです。
 穢すもの……といえば、広告を否定する気はありません……欧州の駅では優れた広告もまた駅の飾りになって雰囲気を盛り上げているのを見ていますから。しかし、一枚たりとも広告のない空間が商業と資本主義とコマーシャリズムの国、アメリカにありますとは! 他社の広告だけではなく、鉄道会社の広告やロゴマークさえこの空間には存在しない!

 鉄道に欧州や日本のように広告価値がないから?
 ……それはないと思いたいところです。あの列車本数なら広告の価値は十分にあるでしょうから。


 入口付近のインフォメーションカウンター。回廊わたった先にはレストランがあった模様(今は非営業……この雰囲気でしっかり営業すればさぞや……しぶちんの自分でもちょっと贅沢したくなるってもの)。




 入口ホール。飾り格子が可憐。


 外部! 南欧風のスタイルはカリフォルニアの空に映えるもの。
 装飾は控えめながら、基本の造作がしっかりしているため冷たさや嫌な意味での合理性とは無縁!


 大きなアーチが明確で、力強い。でも優しい。


 窓の装飾。全体にシンプルであるが故に強烈に映える部分です。


 見惚れていたら、駅本屋右手に中庭があるのに気がつきました。


 手入れの行き届いた見事な庭園です。ここもまた穢れとは無縁の空間。
 しかし、先の待合室と同様に誰もに開かれた空間でもあります。


 照明は全てアールデコの間接照明に統一。しかも白熱灯(或いは白熱灯色?)。
 何がこの空間をここまでに維持させるのでしょうか? 
 鉄道が交通機関の主役を降りてもなお「駅」に持っている誇りでしょうか。
 よもや鉄道を滅ぼしてきたアメリカ人の原罪意識ってことはありますまい……?
 同じことを、アメリカ各地の「ユニオンステーション」で感じることになります(除、ニューヨークのペンステ)。


 更に広がる「秘密の花園」。注:誰でも入れます……

 実は、「サウスウエスト・チーフ」号の発車シーンでも眺めようかと思っていたのですが、駅舎と庭園の見事さに押され……そんなの失念してました(苦笑)。
 我に却って、ここに来た目的であった切符の受け取りへ。

 アムトラックのカウンター。右手に旧ロゴが見えるのはご愛嬌。
 カウンターには空港同様に、下方に荷物を通すための小ドアがあります。ここで手荷物を預ける仕組み。

 無事レイルパスと6回分の指定券(座席指定なし。この辺はアメリカ独自のシステムなんで後述)を受領。あとは時刻表(Amtrak System Timetable。全国時刻表)を貰ってきました。
 全国版時刻表というのは駅で必ず売るか配布して欲しいものの一つですが、それが出来てない国って世界的には少なくないような気がします。アメリカは本数が少ないから可能で(苦笑)、日本だと利用者が多いから可能なのでしょうが……。
 時刻表やパンフレット類は整い、持っていきやすい様になっています。別の場所に通勤列車……メトロリンクのカウンターもありました。
 

 別のセクションにあった荷物受け取り所。


 空港と同じターンテーブルに、荷物を降ろすコンベア。
 誰もいなかったのでこのときは「過去に使われていた設備が保存されているのか?」と不遜なことを考えていましたが、翌日に「サウスウエスト・チーフ」の到着を見て印象を改めざるを得ませんでした。

 長距離列車の到着直後、ここは空港のように賑やかになります。
 アメリカ人は嘘のように大きな荷物をもって、汽車で旅行するのですよ。その荷物のために長距離旅客列車には必ず荷物車が未だについている、と。
 

 アムトラックの待機ゲート。ホームには改札もなく自由に出入できるのですが、列車の待機場所は別にあります。空港のゲートと同じ仕組です……というより、航空が鉄道(但しアメリカの)を真似したんでしょう!

 中距離列車「サーフライナー」の待機中ですが、結構お客さんがいます。

 さて、冒頭の世界で一番美しい駅の話。
 個人的なベストは云うまでもありませんよね?

 鉄道旅行はしなくてもロスアンゼルスを訪問されたなら、絶対に訪問して損はない場所だと思いますよ!
posted by 西方快車 at 19:39| Comment(2) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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