2010年03月30日

【米:第7日目の1 2009/0930】キャピトル・リミテッド篇2:列車の概要とか。改装されたラウンジ風食堂車。東部唯一の「ドームカー」の名残。

 「キャピトル・リミテッド」シカゴ〜ワシントンDC間は所要17時間程度で1泊2日。距離にして1222km。
 ちなみに「北斗星/カシオペア」は上野〜札幌間を所要約16時間で1214kmですから、かなり類似する存在でしょうか。まぁなんども繰り返し書くように、アムトラックは座席車付きで深夜停車も多いので「八甲田/はまなす」+「北斗星」と言ったほうが喩えとしては正確ですが。
 日本で「北斗星」乗るのはさぁ長旅だ……という感じがするものですけど、既に「エンパイア・ビルダー」の2泊3日こなした後だと「たいした距離じゃないや」と感覚が麻痺するのはなんとも(笑)。

 なんであれ、夜行列車としてはそこそこ「体験」しやすい距離・時間だと思います。車両がスーパーライナーで食堂・ラウンジ揃ってますから大陸横断の超長距離同様の車両・設備というのも好ポイント。

 さて、ちょっと歴史的な話を。
 今は1往復の「鉄道首都」と「連邦首都」を結ぶ列車というのは昔はもっともっと本数あったはず。
 1960年代なら、ペンシルバニア鉄道(PRR)の「ブロードウェイ・リミテッド」、ボルティモア&オハイオ鉄道(B&O)の「コロンビアン」「キャピトル・リミテッド」「ワシントン・シカゴエクスプレス」が有名なところ。寝台車のみ・或いは寝台車主体の特別な列車だけでこの状態でした……。

 しかし、1971年の「公営化」を乗り越えられたのは「ブロードウェイ・リミテッド」のみ(他にあったら何方かご教示を!)。この著名な列車も1995年に廃止されてしまいました(但しワシントンDC編成はもっと早い時期に廃止されてた模様。少なくとも1987年まではDC編成とNY編成が混成でしたが)。
 
 今の「キャピトル・リミテッド」は1981年に旧B&Oルート経由の列車が復活したものです。「復活」の理由が調べてもわからないのですが……。ブロードウェイ・リミテッド(ワシントンDC編成)廃止の代替という感じでも無いですし。
 ちなみにB&Oは、1963年には既にチェサピーク・アンド・オハイオ鉄道(C&O)に吸収され、1971年に旅客輸送全面廃止。1986年にはCSXトランスポーテーションとなり会社が消滅してしまいました。

 話を「キャピトル・リミテッド」に戻せば、1960年代には東部の鉄道では珍しいドームカーを付けていました。シカゴ以西と違って車両限界がシビアな(勿論、欧州に比べりゃそれでも大きい)東部の鉄道でこの種の車を導入したのはB&Oの2両とC&Oの6両のみです。何れも屋根の低い特製のドームカーでした。

http://www.trainweb.org/web_lurker/BO/
 B&Oのドームカー(ドーム・コーチ)。形式図へのリンクあり。
http://en.wikipedia.org/wiki/Capitol_Limited_(B%26O_train)
 Capitol_Limited(wikipedia)。ドームカー車内写真やら食堂車メニューやら貴重な資料多し!

 今のB&Oルートは車両限界が西部並となり、ダブルスタックカーにスーパーライナー編成の運用も可能になっています。現「キャピトル・リミテッド」のスーパーライナーラウンジはB&Oドームカーの名残なのかもしれません。

 取り敢えず、現状の編成は以下の通り。

←ワシントンDC                     →シカゴ
機関車−機関車−荷物車−従業員寝台−寝台−寝台−食堂−ラウンジ−座席−座席

 8両編成中、運賃収入のある車は僅か4両という優雅さというか、大味っぷり! 日本の「民営事業」だったら間違いなく廃止されてるでしょうね……。
 
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 深夜にクリーブランド、ピッツバーグというそこそこの大都市に停車しているはず。結構客の入れ替わりもあったような気がします。

 でも目が覚めて気がついたのは7:09発のConnellsville駅。

 小さな待合室のみの無人駅。


 最後尾より眺める。
 さて、ここらから川……渓流沿いとなり、景色が良くなってきます!

 身支度してラウンジ車へ。
 雨の展望車というのも案外趣のあるものです。天窓流れる水滴が迫力。
 先に「エンパイア・ビルダー」でやたら乾いた眺めを目にした後だけに「湿り」に飢えていたのかも。


 流石に空いています。時間が経つに連れ、だんだんソファもうまってきましたが……。

 8時前に隣の食堂車を覗き、朝食予約出来るか尋ねたところ、空いてるのですぐ!とのこと。
 この食堂車が近年に大改装したのか、面白い車でした。


 車端から中央を見たところ。中央部にカウンターあり。


 中央から車端をみたところ。コの字ソファーとテーブル席が交互配置。
 この列車ではラウンジ車1階の売店があるので使っていませんでしたが、売店の機能もあり、その気になれば食堂とラウンジ車を1両で済ませてしまえそうです。


 食堂として営業に供しているのは残りの2/3のセクションのみ。こちらもテーブル席とソファ席の交互配置。 食堂車を何度も何度も利用する長旅だと、こんな車に当たるのは気分が変わって嬉しいものです。まぁメニューは相変わらずの全土共通のものですが。

 通されたのは幸いにも?ソファ席の方でした。相席の方は寝台車から。座席車客の食堂車利用率はあんまり高くなさそうです(価格は高くないのに)。相席者との話題は「ロスアンゼルスからシアトル通って乗り通してきた」で済んでしまいます(笑)。普通のアメリカ人はやらない乗車パターンですから。


 「お馴染み」のスクランブルエッグとビスケット、ジュースとコーヒーで6ドル。
 食器はプラ製使い捨てですが、テーブルクロスは布製。

 サービスよく、コーヒー何杯かお代わりもらって渓流添いの優しい景色眺めつつ、やはり食事……特に朝食は楽しみの一つでした。


 食後は座席に戻らず、ラウンジに居座ってしまいました。
 朝食とりながら眺めたのもこんな景色。


 前方を眺める。こんな区間をまったりゆっくりと。癒し系。


 貨物列車の追い抜き。巨大な自動車輸送車。


 オーバークロスする謎の廃線?


 派手派手なベイウィンドウカブース(保線用)。


 山間の風情ある街並みを眺めつつ。


 ラウンジ車もそこそこ賑わってきました。



 見事な紅葉!


 渓流が真下に迫る……。迫力とは違いますが、日本の鉄道景色でここまで自然への距離が近いところがあったかどうか考え込んでしまいました。
 とか書いてたらなんとなく叡電思い出しました。デオ900「きらら」の窓配置とか座席配置、あと特別料金不要なのに設備が太っ腹なのもどこか共通してます(笑)。(注:アムトラックには急行料金・特急料金の概念は無い! 長距離旅客輸送とサバーバンを比較する無茶は承知ですので念のため)


 山の中を行く。
 
 「キャピトル・リミテッド」の日本での紹介のされ方というと、シカゴとワシントンDC結ぶビジネスライクな路線・列車に過ぎない、景色は期待するな……という感じのものが多いような気がします。
 思いっきり異を唱えたいですね!! そりゃ確かにアメリカといってイメージされるようなワイルドな眺めはありませんが、そのかわりに優しい景色が間近に迫る別の魅力があるのですから。

 このルートに、かつて「東部ではほぼ唯一」のドームカーが運用されていた意味は大きいと。景色が売り物になるからこその「展望車」だったのですし。
posted by 西方快車 at 22:08| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月25日

【米:第6日目の7 2009/0929】キャピトル・リミテッド篇1:「鉄道首都」シカゴ。ユニオンステーションにて。「鉄引力」強し!

 時間の感覚って旅行の性格とか期間によって変わってくるもの。2時間半の待ち合わせというのは日本だと、特に18きっぷでの普通電車乗継旅だと悠長に過ぎるものです(1時間なら食事して買出ししてちょうど良い感じ。30分だと買い出しには十分……)。
 でも、2泊3日乗って、すぐに1泊2日乗りたす分にはどんなものやら。
 ちょっと駅の外までいく気分にはなれませんでした。それに「鉄道首都」は旅行の後半で戻ってくる場所。
 ここは、後のお楽しみです。
 

 降車口から出口への案内に従うと、有名な大待合室に出ます。
 よく云われるよう、実質的に待合室というよりは「ホール」として機能しています。文化財的意義のためか、はたまた広告価値がないのか? ここも広告は皆無、案内の類も控えめです。
 なお、通勤列車メトラが多数発着していますので駅規模と現実の昇降客数が釣りあってない……ということはありません。


 問答無用の広大な空間。
 よく云えば広々、悪く云えば虚ろな感じはします(ちなみに16:45。そろそろ夕ラッシュなのに)。入口出口がたくさんあるため、動線がうまく分散されてるのもありますが。

 ただ、シカゴユニオンは流石に「駅ナカ」は充実していました。著名ファーストフードは全て揃うフードコートあり、カフェに売店あり。なお、今回は気がつきませんでしたが駅の外には一般の商店(コンビニ・ドラックストア等)もありました。
 なんであれ、これまで見てきたアメリカの駅よりはずっと便利で賑わってはいます。フードコート冷やかすのもなかなか楽しい。先の待合室と違ってこっちは通勤客で賑わっています。

 フードコート一巡して、アムトラック待合室を軽く覗いて……先の待合室付近に戻ってくると雰囲気の良いバーをみかけました。日本ではバーは無縁な私なので、入りにくさを感じましたが……入り口の「本日の日替わり企画。ドメスティックビール2.5ドル」とかいうのを見て思い切って入店。
 
 こんなところ。
 
 気構える必要はありませんでした。要は「居酒屋」です。「ど、どめすてぃっくびあ」「? バドワイザー?」「いえす」とか云えば2ドル50セントで美味しい生ビールが飲めると(苦笑)。
 

 ありがたい事にデリも併設なので食事もできます。高いレストラン以外で「呑みながら食事」というのはアメリカでは難しいような気がしますので、有り難い限り(フードコートにはアルコール無いこと多し)。


 この日の昼兼晩飯。8ドル50セントでメインの豚肉とたっぷりの付け合せ。美味しかったですよ(但しアメリカ基準)。歩きまわって少し汗かいてたのと、列車内禁酒の辛さからの反動でビールは計3杯。

 あとは1時間ほど暇つぶし。
 先のフードコートのマクドナルドで夜食の買い出ししたり。マックは日本とは微妙に違います……。持ち帰りの飲み物は袋に入れてくれないので要注意(その場で飲んでしまいました)。クオーターパウンダーダブルチーズのセットが確か7.5ドルで日本同等。サイドメニューのチキンラップは1ドル位で安いと思いましたが。


 たまたま改札が開いてたメトラのホームで1枚。


 アムトラック待合室へ。


 大待合室と違って広くも豪華でもない空間。ただ床は安物ながら絨毯で冷暖房完備ですから、実用本位の設備なのでしょうけど。
 通勤列車の客と中長距離の客を分離する役目もあります。


 当然ですが、さまざまな人種・宗教の客層が列車を待ちます(白人黒人半々くらい。東洋人は少ない)。ですが、アーミッシュの男女の一群が居たのはさすがに驚かされました。都会に汽車で出てくることもあるのですね……。

 発車20分くらい前には自分も「キャピトル・リミテッド」の列に付きます。事前の座席指定はせず良い席は早い者勝ちですから、ちょっと意識する必要はあるのです(定員制ではあるので座れないことはありえないのですが)。
 出発10分ほど前にゲートが開き改札開始。ホームへ、どたどたと。



 !!!!
(今日は3回目。なんという鉄引力!)

 向かいのホームに止まっていたのは、今日は3回目に見かける「プライベート・カー」。
 元ATSF(サンタフェ鉄道)の56号(ビジネス・カー。社用車)で、アムトラックの登録番号は800156。1923年製造の古典車両が「現役」というのは言葉も出ません。
 所有者の情報が得られませんでした。貸切用車両のリストにもありませんでしたので(ほぼ同型の車、ATSF#33はありましたが)、本当に個人の所有車の可能性もあります。
 もし、時間とわずかの勇気があれば車内のオーナー?に挨拶というか「愛車」を褒めるだけ褒め倒して、車内を1枚撮らせてもらうくらいのことは出来たかも……(21世紀の今日、個人で鉄道車両所有する金持ちがレールファンで無いわけはないでしょう……たぶん)。
 まぁ勇気以前に時間がなかったのですけど。

 左にちらりと見えるのが乗車する「キャピトル・リミテッド」。東部に向かうのに二階建てのスーパーライナーとは知らず、こちらはこちらで驚きでした。


 ATSF#56のデッキをアップで。
 オーナー?が座ってますね。アメリカの鉄道伝統色のオリーブグリーンは不思議な色調であり、中国やロシアのいわゆる「コミュニストグリーン」とも違った色です。


 連結されているのはホライズンタイプのシングルレベル客車。19:00発の307レ「Lincoln Service」でしょうか? セントルイス0:30着の中距離便。確証はありませんけど。


 さて。
 30レ「キャピトル・リミテッド」も座席車を一番後ろにした編成。
 この地点では、アメリカの長距離列車が今でも「終点で編成ごと方向を変える」ことを知りませんでした。
 3度目になるスーパーライナーの階段よじ登り、席に荷物置いて一段落。客車自体は「お馴染み」ですが、みたび驚いたのは窓際にコンセントが設けられていたこと! これで電話もカメラもゆっくり充電出来るというもの。
 込み具合は……一人客が相席にならなくて済む程度、です。


 何本か先のホームにも同じくスーパーライナーが停車中。


 なんと「キャピトル・リミテッド」と同時発車! 時刻表をみても該当列車はないため、シカゴに着いた列車の回送でしょうか?


 夕方の街を眺めつつ。


 車庫? そろそろ写真も限界です。


 最後尾に出て1枚。
 シカゴを出て1時間ほどでの撮影ですが、かなり複々線区間が続いています。


 夜食。クォーターパウンダーダブルチーズ。日本で同じもの食べたわけではないので正確に比較できず。まぁ「安心」の味ではありますが。

 21時過ぎにはもう寝かけてました。長時間停車があるわけでもなく、窓の外は真っ暗だわ。なにより座席車5泊目ですから……。


 22:33発のWaterloo駅。小さな無人駅。
 「キャピトル・リミテッド」も他の長距離列車同様、深夜にもほぼ1時間ごとに停車して客を拾ったり降ろしたりします。
 この辺の路線はシカゴ〜DCの「キャピトル・リミテッド」、シカゴ〜NYの「レイクシェア・リミテッド」の1日2往復体制。ただ、どちらも時刻が偏っててお世辞にも便利ではありませんが。
posted by 西方快車 at 23:59| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月20日

【米:第6日目の6 2009/0929】エンパイア・ビルダー篇12:ミルウォーキー駅で見かけたNYC風プライベートカー/ついに「鉄道首都」シカゴへ到着。

 Colombusからミルウォーキーまでも1時間強。寝てたかなんかで記憶も写真もありません……。
 

 ミルウォーキー駅近くで。
 やはり線の細い印象のアーチ橋。


 ミルウォーキー駅。近代駅舎で面白くも何とも無い……とこの地点では思ってました(笑)。
 アムトラックとグレイハウンドの合同ターミナルって意外と少ないです(客層も違うので間違いじゃないかも……)


 !!

 セントポールに続き、ここでも構内にプライベートカーが待機していました。
 幸いにも20分停車です! タバコのために降りる客たちに混じってホームへ。


 オープンデッキの展望車。他車種からの改造車と推測します。
 カラーリングはNYC……ニューヨークセントラル鉄道風。やはり伝説の鉄道会社なのでしょう。


 もう1両はドームカー。この車の車歴をなんとか調べました。

http://www.trainweb.org/web_lurker/UP/
 UP 7003 - ["Challenger"-12/54], Auto Train 703 (6/72), James E Strates Shows (12/81), private party (1982), C P Huntington chapter NRHS (1982) (800377) "Sandstone Falls" (not applied) car was renumbered UP 7003 then to HUNX 7003 during 1993 due to a dispute with the UP. Car sold 5/2001 to Charter Wire Milwaukee WS for their business train. Rebuilt by Avalon Rail as "Charter Club".


 1954年製。元ユニオン・パシフィック鉄道のドーム座席車でしたが、転売を繰り返し2001年より現状に収まっている模様。現オーナーによって寝台車に改造されたとも。

 「Charter」とありますが、チャーター用というわけではなく、
 「Charter Wire Milwaukee」
http://www.charterwire.com/
 という鋼線会社の「社用車(BusinessCar)」です。


 余談ですが、NYCにはドームカーはありません。東部の鉄道は車両限界が小さく、ドームカーの運用は困難だったのです(除:チェシーとB&O。前者は屋根高さを抑えた特製のドームカーを、後者はワシントンへの車両限界の大きい路線で使用)。ただ、渋いカラーリングはいい趣味で、この車に似合っています。


 そして、同じ線路にもう1両が。
 やはりスムースサイド客車から改造したものと思われます。「SILVER FOOT」との名称表記がありましたが、同名の企業のやはり社用車? 詳細不明でした。


 4灯のヘッドライト?が賑やか。派手なカラーリングも悪くありません。
 地上から電力?の供給を受けています。

 デッキ部分は昔の客車の常で、裏面に斜めの手すりのついた塞ぎ板があります。




 駅構内。アメリカで屋根付きの駅は珍しいようです(ニューヨークやシカゴのような大規模地下駅は兎も角)。


 駅をでて、ミルウォーキーの市街と運河を眺める。

 ここから終点シカゴまでは2時間弱。また、ここからシカゴまではアムトラックの中距離列車「HIAWATHA SERVICE」が一日7往復で結んでいます。ここからの小駅は「HIAWATHA SERVICE」に任せ、エンパイア・ビルダーは幾つかの駅を通過する由。


 やはり、線の細ーいアーチ橋。
 手前には気合の入った?古工場。


 古そうな倉庫? ロシア訪問時の写真に混ぜておけば区別がつかない自信があります(笑)。


 巨大サイロに、手前の廃墟。そして中程には可動橋。


 可動橋が上がっているところ。かなり近代的なタイプです。
 遮断機を下げ、車を抑制するようになっています。また、橋の路面部分が「メッシュ」になっていて軽量化されているのも印象的。
 日本では「数えなきゃいけないほど珍しい」現役可動橋もアメリカでは至極当たり前のものでした。


 最後の停車駅。Glenview駅。古風な駅舎に見えますが、1995年築とか。
 アメリカ人が鉄道駅に求めている「理想」が分かるような気がします。ここはメトラ(METRA。シカゴの近郊鉄道)との共用駅。

 また、ここからHostRailroadがカナディアン・パシフィック鉄道からメトラに代わります。日本で例えれば、長距離列車が「○○近郊区間」(国電区間)に入るような感覚です。とはいえメトラも2線除けば(サウスショア線と、イリノイセントラル線)非電化でディーゼル機関車牽引ばかりなので国電という表現は適切なのかどうか……。此処からはメトラだけの小駅も続きます。


 Glenviewを出てすぐ、度肝を抜く平面交差。3線と複線の大規模交差。
 平面交差はアメリカでは珍しくないようですが、旅客列車がどうどうと通過するところは流石に珍しいようで。


 郊外住宅が並ぶ。


 いよいよ、シカゴのビル群が見えてきました。
 シアトル出て以来、最初で最後の大都市!

 メトラの車両基地横を通る。ここも広大なものです。


 ディーゼル機関車が二種類確認できます。客車は全てステンレス製プッシュプル・ギャラリーカー。乗車の機会は……ずっと後になりますね。「鉄道首都」シカゴは後のお楽しみ♪


 事業用のカブース。本線用と違ってベイウィンドウもキューポラも無く、そして小柄。砂利積みのホッパー車に繋がっていました。


 また、別のタイプの機関車。


 操重車。事故復旧用には小さめなので、他用途でしょうか? このサイズであの大きな二階客車を持ち上げられるとはとうてい思えませんので。


 メトラの複々線と、アムトラック用?の複線の計6線区間。


 シカゴ・ユニオン駅近くでは線路が複雑に・立体的に入り組んでいます。しかも、大規模に。


 ユニオンステーションに入る直前の踏切。東京とか上野の手前に踏切があると思うと変な感じですね。小田急新宿手前の踏切といえばそんな感じなのかも。
 奥には「L」(高架電車)の高いガードも見えます。


 大きくカーブして、巨大なユニオンステーションに進入。
 配線はなかなか複雑です。


 地下? 或いは人工路盤の下なのか? 何線もあるプラットホームも見えてきました。


 駅規模の割にホーム幅が狭いのは気がかり。
 

 到着。降車。
 「エンパイア・ビルダー」2泊3日の旅の終わり(その前には「コースト・スターライト」の2泊3日!)。
 とはいえ、ここで「終わり」ではありません。数時間後には「キャピタル・リミテッド」でワシントンDCを目指すのです。あと一晩と780マイル!

 みな出口方面へぞろぞろ。ごろごろ。


 ポートランドから牽いてきた77号機。


 シカゴ・ユニオン駅は南北のブロックがエの字型に相対し、それぞれが頭端式の大駅になっています。真ん中のエの字の縦棒部分に駅舎・駅設備があると。
 ただし、何本かの線路は南北のブロック間を接続しています。写真は連絡線に入るメトラの列車。


 駅そのものはアムトラックの管理だそうですが、圧倒的に多いのはメトラの近郊列車です。


 壮観!
 阪急の梅田を小汚くそして大規模にして、「きたぐに」辺りが乗り入れたらこんな感じでしょうか?

 「きたぐに」……もとい「エンパイア・ビルダー」は40分ほど遅延(先の「コースト・スターライト」の8時間遅れにくれべりゃ定時運転のレベル!)。18時50分発の「キャピトル・リミテッド」までの待ち時間は約2時間半ほど。
 余裕はありやなしや? 駅は大規模!
posted by 西方快車 at 14:17| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

【米:第6日目の5 2009/0929】エンパイア・ビルダー篇11:続:貨車ハント。微妙に珍車もあり?

 
 LA CROSSEを出てしばらくすると、また小さなヤードが見えてきました。
 シリンドリカル・カバード・ホッパーも真っ黒塗装は不思議な感じがします。日本の感覚的には「貨車=黒」なんですけど、でも日本でもカバードホッパーで黒塗りは少数派でしたしね。
 積荷は何? 温度上昇にシビアな穀物以外と推測しますが。


 SooLine鉄道の表記と、カナディアン・パシフィック鉄道の表記が混在している車。車籍は子会社SOOに、所有は親会社CPということでしょうか。


 クローズドではない、屋根なしのホッパー車……ヲアカー(砿石車)は意外と見かけませんでした。
 石炭とか石灰石を運ぶ車なのか、事業用のバラスト積みなのか?
 あと、端部を黄色?に塗っている理由が気になります。
(中国でも石炭車は同様に端を黄色に塗っていました。関連はありやなしや?)


 会社ロゴと番号・報告記号表記が右端の車と、左端の車。
 左端に書いた車が多数派で、右側表記は少数派です。
 「CP RAIL」の表記は1996年までのものと聞きましたが、案外残っています。
(まぁ随分前に無くなった筈の、BNのロゴマークとかカラーリングが平気で残ってるのがアメリカの貨車のすごいとこですが) 


 カバードホッパーの中でも「ACFセンターフロー」というタイプだそうです。
 4ベイの大きなタイプ。


 これも同種の車ですが、微妙に車体形状が違います。


 車端部の形状がまた違う車。
 側梁部の警戒塗装(赤黄の帯)が良いアクセント。アメリカではヤードでの解結が今も当たり前に行われていますので、この種の警戒塗装は作業上必要なのでしょうか?


 全長の短い、可愛らしいホッパー車。
 WWの表記もお洒落な感じがします。

 「Winchester_and_Western_Railroad」ショートラインという小規模鉄道事業者のようで、所有貨車数もたぶん少ないはず……? 日本で云えば「某臨海鉄道の直通社車」のようなもの? その意味では珍車のはず……。


 リブサイドカバードホッパー。これもいい加減お馴染みですが。
 台枠の省略されっぷりが分かります(台車上の中梁しか、台枠と言えるものが見当たらない)。

 ところで。
 同じ積荷にセンターフローとリブサイドという強烈な形状違いがある……というと、日本のホキ6900形式のメーカー違いによる差異を思い出したり(以下リンク先、吉岡心平氏の貨車ホームページへ)。
http://3.pro.tok2.com/~shimpei/0001/121_pfc-special1/pfs007_hoki6900.htm
 ホキ6900。富士重工製。センターフロー系。
http://3.pro.tok2.com/~shimpei/0001/127_pfc-special7/pfs331_hoki6905.htm
 ホキ6905。川崎重工製。リブサイド系の角形。あ、リブはないですね。でもホッパ下部が剥き出しの造りはリブサイド系の仲間と云えます。

 カーボンブラック専用のホキ6900は、日本のホッパ車として最大容量を誇りました。そのため何処か日本離れしたボリューム感があります。アメリカの穀物用カバードホッパー車を見ると、用途が同じホキ2200あたりより、寧ろこちらが思い出されてしまうのです。




 アメリカには粉モノをタンク車輸送する習慣がないようで、タンク車はホッパ車にくらべて圧倒的に少数派です。しかも大スケールのものは見かけませんでした。石油やガソリンの輸送という需要はある筈なのに……(パイプライン輸送でも普及してるとか?)。

 この車は真ん中が垂れ下がった形状が特徴的です。多分、粘性のある積荷を降ろしやすくする為でしょう。
 日本では極小数にみられた形状ですが、アメリカでは珍しくないようであちこちで見かけました。
(逆に全く見なかったのは、日本の石油系タンク車のような異径胴です)

 最後におまけ……というより自分用メモ。

 報告記号について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B1%E5%91%8A%E8%A8%98%E5%8F%B7
 報告記号一覧
http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Lists_of_AAR_reporting_marks
 膨大な数があります(使われていないものも多いのでしょうが……)。


 あとは暫く、内陸の平凡な?景色をゆきます……。
 La Crosseの小ヤード通り過ぎてからなんと2時間くらい写真撮ってないので、「撮るに足らない」だったのでしょう(或いは寝てたか?)。無人駅に3回程停車しているのですが、とくに印象に残らず……。

 そして久々の有人駅、Colombusが近づいてきました。

 線路に向けて、ハロウィンの飾り付けをした民家。
 1日1本の旅客列車のお客さんに……というより、貨物列車の機関士に向けたものかも知れません。どちらにしても心温まる風景。


 小さな、でも小奇麗な町。


 そして、瀟洒ながらも重厚な石造りの駅舎!
 手をふる子どもたちに、待機する駅員とポーター。

 この駅の人とか子どもたちをみていると、1日1本というのが申し訳ないような感じです。部外者ながら、ミネアポリスまでは中距離列車を増発して上げてもいいんじゃないの? という思いになりました。
posted by 西方快車 at 22:46| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月16日

【米:第6日目の4 2009/0929】エンパイア・ビルダー篇10:旧ミルォーキー鉄道、現カナディアン・パシフィック鉄道を行く。ミシシッピ川に沿って貨車ハントは続く……。


 勿論、鉄的密度の低い、普通の景色も続きます。自分的には「休憩時間」ですね。
 昨日のようなだだっ広い平原ではないので、安心感もあります。


 暫く、ミシシッピ川沿岸を走ります。
 川というか河のスケールが違います。日本の河は論外としても、ロシアよりもこの辺は雄大。
 あと、世界名作劇場の「トム・ソーヤの冒険」とか思い出す……(原作もあとで読まされたけど覚えてないわ)。あの時代って蒸気船はありましたけど、汽車は未だ広がってないころでしたっけ?


 離れ小島。


 ダム萌え。


 堰の前後であまり水位差はありません。


 アーチ橋。地震の少ない国のだと、物凄く華奢な造りになるのが印象的。
 日本だとこの種の橋はもっと骨太になりますよね。


 St paulを出て1時間で、Red Wing駅に到着。
 駅舎自体も由緒のあるものであり、周辺も古い町並みが整備されています。
(時刻表では「無人駅」なのですが、それが信じられない雰囲気)

 先にも触れたよう、この辺はかつてのミルウォーキー鉄道沿線。今でこそ1日1本のエンパイア・ビルダーのみが発着列車ですが、往年は2往復+1往復のハイアワッサ号(とその他普通列車?)が発着してたのでしょう。
 写真にもあるよう、ここで結構な数のお客さんが乗り込んできます。座席車はほぼ満席に! この旧ミルウォーキー鉄道沿線の需要が恒常的なものであるなら、シカゴ〜ミネアポリス(St Paul)間の中距離サービス充実……本当の意味での「ハイアワッサ」復活もありえるのかも?


 Red Wingの街並み。観光地かと思うほど、小奇麗に整備されています。


 優雅で長閑な船溜まり。


 また、巨大な堰が見える。


 手前の操作室系が古風なデザインでカッコいいですね。

 川べりを眺めつつ、先のRedWingから1時間ほどで、次の停車駅Winonaへ。


 駅構内に留置されているのもお馴染みカバードホッパー車。


 貨車の奥に、歴史ありそうな駅舎が隠れています。


 ホーム。或る程度は昇降客が居ます。


 小さな駅ながら、赤帽と手荷物扱いのサービスあり。


 1887年築という駅舎はホームとやや離れたところにあります。駅舎に面してるのは貨物側線。
 
 アメリカでは、思っていた以上に古い駅舎を大事に使っていますね。羨ましい文化です。


 駅を離れると小規模ながら操車場に出ます。
 手前のホッパー車は角形(リブサイド)と丸型(センターフロー)の中間的形状が独特。よく見ると台枠も必要最低限しかありません。かなり大胆な構造です。黄色系のカラーリングも強烈。


 円筒状のシリンドリカル・カバード・ホッパー車。円筒形状でタンク車との垣根が曖昧になりそうな車ですが、日本の粉末用タンク車とは全く違う形状になるのは興味深いことです。
 所有者は「Dominion Malting Limited」。


(他の駅で見かけた車ですが……)
 ミルウォーキー鉄道の路線を引き継ぐ、カナディアン・パシフィック鉄道のシンボルはビーバー。勤勉さの象徴は鉄道会社にぴったり。
 メイプルリーフのデザインは、並立するカナディアン・ナショナル鉄道(カナダ国鉄。CN)以上の「ナショナリズム(但し、健康的な意味での!)」を感じさせます。余談ですが、CNもアメリカ合衆国内に結構な延長の路線を持っています。
 ほんとにいいんでしょうか? こんな気合の入った「外国」企業・公社にインフラ任せるようなことしちゃって……(笑)。アメリカ合衆国内とカナダの関係は未だに理解出来ないものの一つ。


 遂にミシシッピ川を渡る。古い古い曰くのありそうな鉄橋です。


 鉄橋より眺める。


 渡りきったところに「粉もの」の積み込み基地がありました。
 カーブポイントを含む留置線はやはり模型的風情。


 一見してただの鋼製サイロにみえるのですが、何故タイヤが付いてるのでしょう? あとトラクタとの連結装置も頂部にみえるのは……?
 まさかと思うのですが、ホッパートレーラをそのまま立てて荷降ろしをしちゃうということでしょうか?
(でも、それにしてはクレーンや油圧装置が周囲に見当たりません)

 トレーラを転用したサイロなら、タイヤは要らないはず。ほんとに謎です。


 円筒状のシリンドリカル・カバード・ホッパー車を端面よりみる。補強リブがカッコいいです。
 この基地では粉モノ、といっても穀物ではなくセメント?を扱ってるような雰囲気です。アメリカの貨車は用途の明記が車体にないので、推測がしにくい……。


 LAFX……LaFargeのことで、これはセメント会社ですね(日本には麻生ラファージュなんて会社もあったりします)。
 セメントは穀物よりずっと比重が大きいですから、同じカバードホッパー車でも小柄になるようです。でも右の車は小さすぎ……左右で荷重は倍位違うのでは?


 ここは水陸の連携基地のようで、艀への積み替え設備もあります。


 如何にも「産業」な景色のなかに、ちょっと浮いた存在の遊覧船が係留中。


 LA CROSSEの町が見えてきました。小さな教会とか住宅とか長閑な雰囲気。






 構内から側線が分岐。そこに待機するディーゼル機関車。1両はSooLine塗装で、もう1両はカナディアン・パシフィック塗装。


 LA CROSSEの駅舎。煉瓦建てながら装飾が少なめでやや近代的印象。1926年築とのことですから、普通にはコンクリの時代ですね。煉瓦なのは意図的なものでしょうが、これはこれで雰囲気あって良い駅です。

 ここも荷物扱いのある有人駅です。


 すれ違ったCNのディーゼル機関車。運転台窓が「ベイウィンドウ」化されています。


 直角交差しそうな角度で分岐する専用線? 屯する機関車はBNSFのもの。
posted by 西方快車 at 21:35| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

【米:第6日目の3 2009/0929】エンパイア・ビルダー篇9:どんどん濃くなる鉄的濃度。操車場でのスナップ。

 思えば、ロスアンゼルスからシアトルの西海岸縦断、またシアトルからの山越えは「鉄的な濃度」は薄めでした。旅客列車が少ないのは分かっていたものの(というか都市近郊の通勤・中距離は予想以上の充実)、貨物関連が寂しい印象ありましたから。

 でも、ミネアポリス(セントポールと合わせてツインシティ)を越え、「鉄道首都」シカゴに手がとどく距離(といっても日帰りできるかどうか微妙な距離……)になると話は変わってきます。




 角形のカバードホッパー車。
 台枠の位置が高いのに注目。


 アメリカ名物、大型車運車。この角度だと二段積みか三段積みか分からないですね。
 台車が殆ど台枠にめり込んでいるような低床構造が凄い。


 今度は丸型のカバードホッパー車。側面のヘコミが凄いことになってますが、多分コレでも運用に入っているのでしょう……。
 前後の丸型ホッパー車も微妙に形状が違います。


 一見ボックスカー。
 よく見るとカバードホッパー車。さすがに純角形のタイプは希少種でした。
(GATX Airslideの表記あり。日本のエアスライドホッパ車の「親類」でしょうか)


 一斉に飛び立つ。
 

 また違うかたちのカバードホッパーです。ホッパの最上部が「角形」になっています。
 SOO LINEの大書きがカッコよく、麦穂のイラストも印象的。これで錆々じゃなければいいのに。

 左右は角形カバードホッパーですが、台枠高さが全く違います。


 操車場の片隅に機関庫。カナディアンパシフィック鉄道の機関車たち。


 ディーゼル機関車への給砂設備でしょうか?


 左が入替機、右が多分、本線用。


 「SOO」の大書きが目立つカブース。
 今も残っているカブースは、キューポラ部分が張り出したタイプが殆どのようです。


 そして操車場からは訳の分からない専用線などが出ているもの……。
 機関車と無蓋車(ゴンドラ・カー)の色がお揃い。

 背後の送電柱のΣ形のデザインが面白いです。強度考えたら合理的な形状。


 先の専用線。狭いながらもデルタ線を含み、実に模型的配線!


 反対側に広がっていたのは自動車取り降ろし側線。車がいっぱい。車運車もまた「壁」に見えます。
 それにしても自動車社会アメリカも、自動車そのものの輸送には鉄道に頼っているあたりは愉快です。
posted by 西方快車 at 20:36| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

【米:第6日目の2 2009/0929】エンパイア・ビルダー篇8:もう少し「ハイアワッサ」とミルウォーキー鉄道のことなど。更にカナディアン・パシフィック鉄道のことまで。

 先にも記したよう、現「エンパイア・ビルダー 8レ」(AMTK#8)は、St Paulより「モーニング・ハイアワッサ 6レ」(CM#6)の経由地・そして時刻も辿って運行されています。

 AMTK#8のSt paul(ミネアポリス)発7:50発に対して、CM#6はミネアポリス・ユニオン7:30発。
 AMTK#8のシカゴ15:55着に対して、CM#6はシカゴ14:55着(今のほうが遅いですね……)。


 「モーニング・ハイアワッサ」の正確な時刻が分からないのですが、途中停車駅も概ねはなぞっているのではないでしょうか? 違うのはミネアポリスの駅。味気ない現St Paul駅は1971年にアムトラックが新設したものだそうで、昔は立派なミネアポリス・ユニオン駅に発着していたとか……。ひょっとするとグレートノーザン鉄道とミルウォーキー鉄道の代表列車同士が並んでいた時期もあるのかもしれません。

 さて。
 アメリカの鉄道は1971年に旅客輸送がアムトラックに統合されたのですが、残る貨物輸送もその後に合併などを繰り返し、模型や写真集で鉄道ファンにお馴染みだったかつての社名も多くは消えてしまいました。

 グレートノーザン鉄道は、ノーザンパシフィック鉄道を合併。その後にバーリントン鉄道と合併し、バーリントン・ノーザン鉄道に。更にサンタフェ鉄道(ATSF)と合併して今はバーリントン・ノーザン&サンタフェ鉄道になっています。但し、機関車のカラーリングはグレートノーザン時代のものが使われていますし、現社名に合併元のものが含まれているのも救いといえば救い。

 しかしミルウォーキー鉄道(正確にはシカゴ・ミルウォーキー・セントポール・アンド・パシフィック鉄道。略称CM)は1985年に倒産。スー・ライン鉄道に吸収されてしまいました。この地点でスー・ラインはカナディアンパシフィック鉄道(CP)の子会社になっており、その後に運営が統合された模様。会社は消えるは、隣国の企業に乗っ取られるわ……。ただ、このニュアンスは正確かどうか分かりませんが。アメリカ合衆国とカナダの関係って凄く分かりにくいんですよ(少なくとも鉄道という主要インフラ事業を売却出来るレベルで友好的だとは考えられるのですが)。
 なんであれ、「大家」のこの大激変の中で頑張った「店子」アムトラックはすごいのかもしれません(そんなことより共和党政権で補助金減らされることの方がオオゴトだったのでしょうけど。大家より生活補助の方が大事!)。

 ちなみに、乗車当時には前者はともかく(BNSFとかは日本でも知られてますから)、後者の事情は全然知らず……。ですから、「何でここにカナダの機関車が居るの?」と首を傾げることになるのでした(笑)。
 

 スーパーライナー客車の貫通路。向こうは寝台車(愛称付き:なんと「PENNSYLVANIA」。無関係の路線で使われているのはご愛嬌)。貫通路も自動ドア装備。

 StPaul出たタイミングで食堂車を覗き、丁度空席あったので朝食に。
 本日のスペシャル(8ドル)を頼んでみました。


 ビスケット(何度も出てきますが、日本でいうケンタのあれです)を半分に切り、そのうえにソーセージ(朝マックでマフィンに挟まってるアレです)を載せ、クリームソースを掛けたという恐ろしくボリュームのある朝食。美味しかったですよ。でも、昼飯はシカゴに着くまで我慢でいいや……と思える分量でしたが。
 勿論クランベリージュースとコーヒー付き。

 St Paulから先は、景色は市街地が多くなります。昨日の午後以降ずっと続いただだっ広い平原より退屈しませんし、日本人には安心感?があるってものです。

 「TWO MEN」のイラストが楽しいトラックの荷台。


 如何にもなアメリカの地方都市の風景。

 更に嬉しいのは、だんだん鉄道系の密度も濃くなってくること! 機関庫に操車場、留置車両に胸がときめきます(笑)。


 機関庫に留置されていた事業用?客車。典型的なスムースサイドタイプで1930-40年代の車の筈。


 「ミネソタ・コマーシャル」という鉄道の機関車。後ろに繋いでるのは?


 スラッグという珍車で、運転台なし・エンジンなし・モーター有りの機関車。隣の電気式ディーゼル機関車から電力を貰い、入換に必要な牽引力を確保するための補助機関車。これってディーゼル機関車なのか電気機関車なのか? 


 機関車がいっぱい。台枠の白いドット状の塗りは何のため? 警戒色??


 錆びた貨車と云うのも趣あっていいものです。侘び錆び、じゃなくて侘び寂びの世界。


 反対側に目を移すと、こちらは小奇麗な水辺が広がります。


 立派なコンクリートアーチ橋。デザインが実に重厚。


 その裏にはなんと可動橋も! ただ、シカゴからニューヨークにかけては可動橋は珍しくも何ともないことを、後々思い知ることになりますが。


 貨物線が分岐。


 再び水辺へ。川幅が広くなってきます。


 今度は操車場へ。ラウンジカーの窓から眺める操車場と云うのもアメリカらしい景色と云えないでしょうか?
(大自然よりこっちがいい! と思う地点で病んでますが)
posted by 西方快車 at 13:23| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

【米:第6日目の1 2009/0929】ハイアワッサ篇……じゃなくてエンパイア・ビルダー篇7:St Paul駅で出会った、憧れのスカイトップにスーパードーム!

 座席連泊4泊目をすごし、目覚めて身支度して7時くらい。
 7時過ぎに停車したSt Paul駅は45分の長時間停車。「鉄的に何かあれば良いな……」とは思っておりました。何か、というのは貨車とか留置のディーゼル機関車とか、保存蒸機とかその程度の話です。

 しかし、入線時に何か「とてつもなく特徴ある形状」のオレンジ色の客車が見えたのです! ひょっとして……?

 
 未だまだ空の色は重い。降りて「一服」の人たちも多数。


 編成後部を眺める。左方に見える、あの姿は?

 とても有り難いことに、接近・撮影も容易そうな雰囲気! 


 !!!


 !!!!!!
 ミルウォーキー鉄道の「ハイアワッサ」に使われたスカイトップ展望車に、スーパードーム! 
 アメリカでは古い展望車・ドームカーの多くが観光会社の私有車として用いられて結構な数が「現役」であるとは聞いていました。またロスアンゼルスでもそうした古典展望車を既に見ています。

 しかし、スカイトップという大物に逢えたとは……。
 傾斜・後退角・流麗さにおいて隙のない流線型。そして屋根にいたるまで2段に窓ガラスを並べた、他に喩えようのない孤高の形状。SF的といっても良い。

 「写真で楽しむ世界の鉄道 アメリカ2(1962 交友社)」で見た時のインパクトは相当なものでした。
 それが今、目の前に留置されている。さぁ撮ってと言わんばかりに!


 列車「ハイアワッサ」については、以下参照願います。http://en.wikipedia.org/wiki/Hiawatha_(passenger_train)

 ミルウォーキー鉄道では幾つかの列車に「ハイアワッサ」の愛称を使っていましたが、特に有名だったのはシカゴ〜シアトル〜タコマ間の大陸横断の長距離列車(3525km/所要48時間)「オリンピアン・ハイアワッサ」。運行区間的にはまさにグレートノーザン鉄道の「エンパイア・ビルダー」のライバル。
 ロッキー山脈、カスケード山脈越えの電化区間も走行したりと特徴的な列車でしたが、1961年に廃止。幸いにもスカイトップ展望車とスーパードームはCN(カナダ国鉄)に売却、「スーパーコンチネンタル」で再起します(1970年代なかばに引退)。
 もう一つ有名だったのはシカゴ〜ミネアポリス間の昼行列車(680km/所要7〜8時間)としての「モーニング・ハイアワッサ」「アフタヌーン・ハイアワッサ」2往復。こちらは1971年の旅客営業撤退まで残りました。

 ちなみに後者、昼行列車の「ハイアワッサ」も「エンパイア・ビルダー」とは無関係ではありません。
 アムトラック成立後の「エンパイア・ビルダー」は、St Paul(ミネアポリス)からシカゴまでの区間をバーリントン鉄道経由からミルウォーキー鉄道経由に改め、「(ミネアポリス発シカゴ行き)モーニング・ハイアワッサ」「(シカゴ発ミネアポリス行)アフタヌーン・ハイアワッサ」のスジをなぞって運行している由。
 本数は半減し、かつてのライバルに統合されてしまったものの、列車としての「ハイアワッサ」は今も生き続けていると。

 また、1989年から「ハイアワッサ」の名称は、アムトラックの「Hiawatha Service」というシカゴ〜ミルウォーキー間(138km/所要1時間半)の短距離列車で復活しています。
 格落ち感は否めませんが、1日7往復体制でそこそこ盛況の模様。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hiawatha_(Amtrak)




 「ハイアワッサ」の客車については以下を参照願います。(写真・形式図などもあり。車歴も辿れます!)
http://www.trainweb.org/hiawatha/passenger.html

 「Skytop Lounges」は1947-48年(昭和22年!)に、寝台展望車として6両、パーラー展望車として4両が製造。前者はオリンピアン・ハイアワッサ、後者はモーニング/アフタヌーン・ハイアワッサに使われた由。
 前者は列車廃止に伴いCNに売却。後者はアムトラックの車籍は貰えず、3両が売却、1両が解体(火災が原因)されてしまいました。
 現在、寝台展望車の方は3両が1977-78年に解体されたものの、2両が静態保存、1両がレストア中。
 パーラー展望車は1両が早期に解体済。1両が保管中。1両が静態保存。残る1両は「現役」。

 こちらも参照。
http://www.trainweb.org/web_lurker/MILWf/

 「Super Domes」は1952年に10両製造。やはり6両がオリンピアン・ハイアワッサ、4両がモーニング/アフタヌーン・ハイアワッサに使われました。前者6両はCNに売却。後者4両はアムトラックの車籍を得ましたが長くは使われず、早々に売却されてしまいました。
 その後、CN組も引退、売却……売れなかった1両が早期に解体された他は、アムトラック組ともどもが纏めてアラスカに集った時期もあった模様。しかし、21世紀に入ってからはアラスカからも引退……それでも更に売却され、2010年現在も保存鉄道や私有車両として7両が現役とか。
(残る1両は保管中、1両は放置の末に解体されてしまいましたが、それでも驚くべき残存率! ドームカーの「商品価値」が伺えます)

http://www.trainweb.org/web_lurker/MILWf/
 こちらも参照。




 旧186号「Cedar Rapids」。10両製造されたスカイトップ展望車の中で、レール上で「現役」なのはこの1両のみ。昼行用で車内は1−1配置の「パーラーカー」スタイル。
 
 車歴。
http://www.trainweb.org/hiawatha/cedar.html
 1970年の引退後、なんと1985年まで保管されていました。売却を何度か経て1999年に観光会社"Friends of the 261"の所有になり、今に至ります。
http://www.261.com

 車内写真はこちら。
http://www.trainweb.org/hiawatha/skytop5.jpg
 昔の写真と思われますが、今も大きく改装はされていないはず?

 形式図はこちらより。
http://www.trainweb.org/hiawatha/rapidsd.jpg
 24名のパーラーシートと、5名の個室(デイ・ドローイングルーム)、そして展望席。


 強烈な面構え。テールライトが真ん中に1つ、という配置はインパクトがあります。そのうえ、このライトは追突事故防止のため、停車中・低速走行中は点滅したとか。
 左のジャンパ栓は電源供給用?の様で、地上のポストに繋がっていました。


 左がスカイトップ。右がスーパードーム。
 ドア窓やトイレ窓が丸いのも、この客車ではもはや印象に残らないレベル……。


 切り抜きのエンブレム。
 ハイアワッサの由来はモーホーク族の長の名より。

 800040というのはアムトラックで「私有客車」に付けた番号です。


 旧53号。
 カナダ国鉄(CN)に売却後、1978年にVIAに移管。1982年に引退。
 その後は観光会社や鉄道博物館の売却を繰り返し、2005年に観光会社"Friends of the 261"の所有になり、スカイトップ展望車とお揃いになりました。
 なお、その間の2001年にドームの窓の一部を「非常窓」に改造しています(ドアの全くない車両であるため、安全面で要求された)。

 車歴。
http://www.trainweb.org/hiawatha/53.html

 形式図(原型)。
http://www.trainweb.org/hiawatha/domed.jpg
 1階は軽食堂、2階は全て前向き座席になっていました。CN時代に2階の一部をラウンジタイプのソファーに変更したという話もあるのですが、現在のこの車はどうなっているのやら?


 スーパードーム車の台車。重厚な3軸ボギー。
 車体全長にドームのあるフルドーム客車はグレートノーザン鉄道・ミルウォーキー鉄道・サンタフェ鉄道・サザンパシフィック鉄道の4社が導入しましたが、全て3軸ボギー台車付きでした。
 

 スーパードームの隣は重厚なヘビィーウェイトの展望車。


 調べてみましたが、GNW&Bが所有する"Gritty Palace"ということしか分かりませんでした。
(所有者が観光会社なのか、何らかの団体か、或いは個人か? 「プライベートカー」の定義も難しいものです)


 台車。一見軸バネ式に見えますが、よくみると内側にイコライザーが見えます。ちょっと不思議な台車です。

 その隣が、不思議な形状をした展望車。
 スムーズサイドの近代的形状に、オープンデッキというアンバランス。


 よく見ると、室内灯も点っています。これから何処かに出発するところなのか、或いは一夜をこの駅で明かしたところなのか……???

 所有者(社)のホームページ見つけました。内部写真もあります。
http://www.highirontravel.com/caritas2.htm
 アンバランスな形状は、通常の寝台車を展望車に改造したため。

 この車は個人でも借りられる様です。1日4500-6000ドル、留置時は1日1000ドル。料金は運賃・食事など全て込み。ちなみに定員8名。8人で乗れば意外とリーズナブル? 或いは一生の記念になるような旅に使うこと考えれば……手が出ない値段ではない??

 アムトラックの列車に連結するほか(原則として最後尾に連結!)、カナダのVIAやメキシコへの直通もアレンジできます、と。
 あと、用途のひとつに「有権者を惹きつける、選挙キャンペーンに」というのもアメリカらしい。


 それにしても、これらの希少な?車をみて大喜びしている「エンパイア・ビルダー」の乗客はどうやら自分だけのようで、タバコ吸いに降りた人たちも殆ど無関心でした。


 St paul駅舎。実用本位。


 座席/荷物合造車(1階が荷物室)からの荷扱い。


 たぶん朝食準備中の食堂車。資材を積み込んで、そしてゴミを出して。


 先の夢のような車両を見た後で、現実に引き戻すスーパーライナー(笑)。良い車なんですけどね、でも相手が悪すぎですよ……。


 お馴染みのカヴァードホッパ車。個体差とかヴァリエーションは相当にある模様。


 3両並んでれば、どこか微妙に違うかたちをしています。
 

 出発前に斜め上から名残の1枚。目線はスーパーライナーの2階席。


 Pt paul出発直前。ラウンジ車は何故かガラガラ。写真撮りやすくて助かります……。
posted by 西方快車 at 19:20| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

【米:第5日目の5 2009/0928】エンパイア・ビルダー篇6:1時間か2時間走ると集落があって、小さな駅がある/今度は良かった。食堂車での夕食

 1時間か2時間平原を走ると、小さな駅に停車。
 これが「エンパイア・ビルダー」のリズムのような気がします。

 1日1本の列車でも何とか生活圏を繋いでるという感じ。で、小さい駅でも数名の乗り降りはありますし。


 Wolfpointの集落が見えてくる。


 アメリカの内陸部って、日本からの心理的距離感は相当なものがあると思うのです。まず、身近じゃない。それに全然知らない。
(町山智浩氏のアメリカエッセイに云わせれば「普通の日本人が知ってるアメリカは大都市とせいぜいその近郊、観光地だけだ」とのこと。自分もその意味じゃ十分普通ですので)

 まぁ、アムトラックのルートは内陸といっても未だまだ「開けて」いるのかもしれません。それに村とか町に無人でも1日1本でも駅と旅客列車の便があることの意義は大きいのでしょう。


 Wolfpoint駅。昔は狼が出たんでしょうか?


 ここらの駅には必ず穀物?のサイロと積み込み設備があります。
 

 また、平原へ。
 見事なまでに地平線はまっすぐ。大型のキャンピングカーもこんな土地には似合うものです。


 そろそろ日が傾いてきます。
 「地層」というのが凄く分かりやすい岩山。


 たまには、水辺もあり。


 石油掘りの井戸? こんな古風なものが未だ稼働中です。


 岩山。現実離れした景色は感動に値するのですが、あんまり心動かなかったのは連続することでの「疲れ」でしょうか。


 広大な放牧地。
 1947年に導入された「エンパイア・ビルダー」編成のカフェ・ラウンジ車は放牧地の丸太小屋を意識したインテリアだったそうで(「写真で楽しむ世界の鉄道 2」より)。外形は流線型客車ですからミスマッチは狙いのうち?
 でも、こんな景色を「借景」にすれば様になりそう。


 また1時間ほど走って、willistonの集落があって駅があって、そしてまた積み込み設備。
 これで19時位。


 先にも記しましたが、意外と貨物列車見る機会は少ないのです。
 BN(バーリントン・ノーザン鉄道)のカラーリング(緑)とマーキングの残るカヴァード・ホッパー車。


 同じくBN時代の表記・カラーリングのカブース。
 キューポラに手すり、煙突、ブレーキハンドルとカブースの必要条件を尽く満たした車。

 カブースは1980年代に多くの列車から外されているはず……なのですが、今も事業用車として残されてるケースは多いようです。
 

 今のBNSFのロゴマークは……SNCF(フランス国鉄)のように見えてしまうのは偏見でしょうか? 




 willistonの駅舎。レンガの立派なもの。
 ここでも多少の乗車があります。


 保存蒸機。
 そういえば、アメリカでは蒸機時代の給水塔はまったく見かけませんでした。
 保存なのか再活用なのか、とにかくやたらにレンガ造りの給水塔みかけたロシアとは対照的です。

 模型などでみる限り、アメリカの給水塔は木製が多かった模様? だとすると蒸機時代が終わったらあっさり解体されてしまったのかもしれません。


 そろそろ日の沈む頃。
 食堂車の予約も取り、ラウンジで時間つぶし。
 14ドルのローストチキンを選択。どの食堂車にもある定番です。
 他は17.50ドルの魚料理(なんだったか聞き逃しました)
 22.50ドルのステーキ。
 16.75ドルの「本日のスペシャル」(これも内容聞き逃した……)。
 あとはキッズメニューとベリタリアンメニュー。

 デザートのアイスクリームは2ドルですが、ハーゲンダッツ! 農業国じゃ安いんでしょうね……。


 パンとサラダ。


 メイン。骨付きレッグがニ本ですから凄い量。かぶりつくのは好きではないので、ナイフで身を解してから頂きましたが、アメリカ人的には変な食べ方なんでしょうか……?
 味は……普通(笑)。正直いうと、味わってる余裕もないのです。相席者と「英会話」しながら。そして量との戦いもありますから。でも昼のこと思えば普通は大事です。それにしてもこれで14ドルは安い(もちろん、何度でもおかわり次いでくれるコーヒー付きで)。

 食事終えて(座席車客は後回しなので遅め。20時過ぎ)、席に戻って気がついたら寝てました。
 翌朝まで、全然記憶がないのです……。

 ちなみに、深夜でも1時間に1回ほど停車して集落の客を「拾って」行きます。
 寝台・食堂・ラウンジにワイドなリクライニングシート……豪華な長距離列車のイメージのある「大陸横断列車」というのは、案外ローカルな乗り物。日本で云えば特急「北斗星」ではなくて、急行「八甲田」+「はまなす」辺りに喩えた方がしっくりきます。
 或いは、特急「トワイライトエクスプレス」が座席車(多分グリーン格下げ)併結してて食堂車がリーズナブル(笑)、停車駅が急行「きたぐに」並と考えても良いのかもしれません。

 こういうアムトラックは好きです。
posted by 西方快車 at 19:07| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月04日

【米:第5日目の4 2009/0928】エンパイア・ビルダー篇5:まずくて高い「弁当」とか。車内設備詳細など。


 「エンパイア・ビルダー」でもラウンジ車には何度か足を運びました。
 内装がダークブルーなのは「スーパーライナー1」の特徴であり、「スーパーライナー2」では白い内装に変更されています。ただ、シートレイアウトなどに差はありません。階上の2/3は窓向きのソファ、残り1/3が食堂車同様のテーブル席です(全席窓向きソファの車もあるらしいのですが、ついに出会わず)。
 なお、「エンパイア・ビルダー」では階上のカウンターでの飲み物の販売が行われています(他の列車では階下の売店のみの営業)。


 大規模な更新などは行われておらず、1980年代的な雰囲気をよくも悪くも残した車でもあります(ガンダムとかスターウォーズ的な雰囲気?)。1970年代末〜1980年代前半の製造なので、日本なら何らかのリニューアルが行われていそうなものなのですけど。
 

 Havreを出た先には機関庫地区。「貨車飢え」は所詮前菜、メインは機関車ハント! とはいえ光線状態最悪で写真は補正しまくってますが。
 本線本務機用の大型機。グレートノーザン由来のカラーリングは、GNが合併でBNになり、更にBNSFになっても生き延びています、というよりこのカラーリングの機関車が一番多く見かけました。「湘南色」(の元ネタ)は永遠に不滅です(笑)。


 フロントの塗り分けはATSF……サンタフェ鉄道流儀ですね。今のBNSFカラーはATSF風味のGNと云えばいいのでしょう。やっぱり伝統色は写欲を誘います。


 右にちらりと見える機関車はサンタフェ鉄道の赤と銀の塗り分けです。


 構内でみた、原木積みのフラットカー。この積み方だと前後に控車が必要になってしまいますね。


 BNのマーキングを残すタンク車。黄色い縦帯はアメリカの石油系タンク車ではしばし見かけた表記ですが意味不明です(何方かご教示お願いします!)。
 タンク車自体は完全フレームレスの大胆な造り。また、車両限界が大きいため日本の石油系タンク車のように無理して異径胴で容積稼ぐ必要はないようです。


 車輪いっぱい。錆びてるので廃品でしょうか?


 入換用と思しき、一回り小さな機関車。小さなといっても台湾辺りなら本線で急行牽いてるレベルですが。


 機関区のお約束、操重車。

 さて、そろそろ昼食。食堂車は朝に行ってるし夜も利用予定なので、昼は気分変えてラウンジ階下の売店で「お弁当」を買ってみました。座席車の客は食堂車より、寧ろこっち利用してる人も少なくないですし。

 ちなみに10ドル。思ったより高い。スーパーライナー1のラウンジ車の売店はカウンター越しに商品手渡しするシステムゆえに、価格が分かりにくいという欠点があります。
 話のタネにと思わなければ「のーさんきゅ、そーえくすぺんしぶ!」とか云って売店のおっさんにつき返してたところでした。


 中身。いうまでもなくフライドチキンとレタス、カットフルーツ、パン、そして右上の怪しいブツはケーキです。

 味は……最悪のレベルでした(パンも肉もパサパサ。まぁ食えないレベルじゃないですけど)。半額の5ドル返せ……5ドルなら許せるシロモノですから。
 ちなみに食堂車でのランチは7.75ドル〜9ドルでコーヒー付き(で、そこそこ美味しい)。アムトラックでは三食とも食堂車で正解だと思うのでした。


 乾いた平原が続くのですが、たまに水辺があります。




 水辺の回りだけ植生があるのが、日本にはない景色。


 平原。見事になにもない。


 退屈してきたので、車内の設備を撮影しておくことに。

 従業員用に確保された座席の表示。


 「この座席は二人でご使用ください」との表示。号車指定の半自由席ですから、こうした形で二人客が並んで席を確保出来るように配慮している由です。




 階下への階段。


 トイレ、出口、カフェ(ラウンジ)の案内看板。


 階段はかなり草臥れている印象。シートモケットや絨毯は痛んでいないのですが、階段までは整備の手間と予算が回らないのでしょうか?


 階下の通路。左右に昇降口。奥には1階客席があり「身障者優先」の注意書きがあります。
 実際に車椅子や杖をついた人の利用もあるので、この注意はかなり意味があります。

 通路の左側は荷物置き場。右手に階上への階段。


 階下のトイレなど。右は身障者用。身障者用以外は狭いのが難(飛行機同様)。車に依っては更衣室付きのトイレもあり、そこはそこそこ広くて利用しやすいです。
 トイレはこまめに清掃され、不快感はなかったです。


 ドア周りの注意書き各種。「ドアの窓を開けるな」。非常時の窓の外し方など。しかし簡単に窓のHゴムって外れるものなんでしょうか? 車体と内装材は不燃性に見え、火災などの心配は少なそうなんですが。


 水辺は写欲を誘います……。


 ダムというか堰。


 多少は緑が戻ってきました。


 平原の向こうには村(Glasgow)が見えてきます。
 村には、小さくとも駅があります。


 小規模な穀物サイロ。


 こんな村でも、ロードサイドにはマクドナルドがあります。昼が最悪だったので(苦笑)、あの看板でさえ羨ましい(笑)。


 こんな村でも中華料理屋が。昼が……(以下省略)。


 先のとは別に大きなサイロもありました。
 日本でいう「アント」のような小さな入換機関車が印象的です。他の場所ではみませんでしたから、珍しいものなんでしょうか?


 流れるコンテナは中国から。


 村を離れ、ふたたび、平原へ。
posted by 西方快車 at 20:32| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月03日

【米:第5日目の3 2009/0928】エンパイア・ビルダー篇4:乾いた土地。貨車飢えを満たす「オアシス」。

 ロッキー山脈を下ると、あとは平原が続きます。
 

 これはこれで悪くない景色なのでしょうが、先までが凄すぎたので平原の連続が退屈に見えるのは事実です。せめて鉄道に関する何らかの設備・施設(貨物駅とか操車場とか)でもあれば楽しめるのですが、アメリカの平原はシベリアの平原ほど優しくありません(苦笑)。シベリア鉄道と違って輸送密度が高くないので、貨物関連の設備も疎らに、そして規模も控えめな印象でした。


 牛。
 向こうは何もない。


 小さな、されど旅客扱いのある駅(Shelby駅)。
 文字通りオアシスです。

 云うまでもありませんが、ここらの駅は「1日1往復」しか列車はないのです。その唯一の列車が「エンパイア・ビルダー」。寝台車に食堂車に展望車を連ねた豪華列車が「ローカル列車」も兼ねるのもアメリカの鉄道文化の一面。


 ますます景色は乾いていく。


 貨物関連施設もまたオアシスです。
 巨大なサイロと積み込み口。線路は埋まっているのか撤去されたのか……。


 長大な貨物列車とのすれ違い。
 ダブルスタックカーの長編成はあたかも城壁のよう。




 乾いた景色が続くからこそ、たまの水辺が美しい。


 乾いた景色眺めて乗車二日目の午前中が過ぎ、13時過ぎにHavre駅へ。
 分岐もある大きな駅で、ここらでは要衝駅といえるところ。20分停車。




 駅前で見たミニトレーラー。
 食堂車やラウンジ車への納品を行っている地元業者のものでしょうか? 鉄道客車、たぶんスーパーライナーを意識したロゴマークがとてもユニーク。


 保存蒸機。2D2の巨大機ですが、動輪の大きさから旅客用?
 ロッドまわりはローラーベアリング化されている模様で、蒸機末期まで頑張った一両なのでしょう。


 ここでは「貨車飢え」が思いっきり解消出来ました。
 アメリカの貨物列車といえばこれ!のダブルスタックカー。積載は最大限に効率的に。
 BNSFの表記とかつてのサンタフェ鉄道のマークが共存しています。貨車に関してはマーキングの統一はさほど急いで居ないのかも知れません。
(まぁ、日本でも平成に入ってもJNRと書いたコンテナはたまに見かけましたし)


 車列。列車というより「壁」ですね。


 客車も貨物も二階建て。
 ところで、車端部のホースの処理が大胆といえば大胆ですよね。長く伸ばして貫通扉部へと。


 駅前の側線に留置?されていた貨車群。この駅での発着車でしょうか?
 ピキーバッグ輸送の連接貨車は3両1ユニット。構造的に積み下ろしは斜路ではなくクレーンを使う模様。タイヤが載る部分にしか床が無く、他は中梁のみのスケルトンという大胆さ。


 ピキーバッグ輸送を表現したロゴマークがとても楽しい。


 カヴァードホッパ車。角形。
 同じ用途の車に丸いとの四角いのが共存しているのは、日本のセメント専用車やアルミナ専用車のことを考えると違和感はありません?


 乗り降りする人。ひと休みする人。
 この大きな駅でも1日1本の列車ですから、この光景も一日2回ということ。


 ここでも荷車とトラクターが活躍。
 気合の入った「手荷物」ですが、手荷物の制限が緩いのも鉄道のメリットなのかもしれません。


 アムトラックの荷物車のほぼ全ては1971年のアムトラック成立以前のヘリテージフリート。これもそれなりに歴史のありそうな車です。ドアはシャッター式。
 余談ですが、アメリカでは側面総開きの有蓋車・荷物車というのは試作程度しか存在しませんでした。人件費の高い合理化の国であるはずなのに(日本のような)フォーク荷役、車輪付きパレット荷役が普及しなかった理由は気になるところです。


 駅の由来を記した看板。汽車の絵とグレート・ノーザン鉄道のマークのステンドグラス。
posted by 西方快車 at 21:04| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

【米:第5日目の2 2009/0928】エンパイア・ビルダー篇3:朝食は「国立公園のレストラン」で。アメリカの保線機材に思う。


 この辺りはロッキー山脈。蛇行した川に沿って進む。
 
 8レ「エンパイア・ビルダー」で結構なことは、一日目の夕食をカスケード山脈越え、二日目の朝食をロッキー山脈越えと重なっていることでしょうか。その辺意識してのダイヤ設定ということはないと思うのですけど。 ちなみに表題はこの朝食時、あと「カリフォルニア・ゼファー」での食事時に同席者との話題の切り出しに使った決まり文句だったりします。
 「まるで、国立公園の中の、展望の良いホテルのレストランで食事しているようですね」と。

 もう一つのお決まりの話題は、
 「(自動車社会のアメリカなのに)思ったより多くの人が公共交通機関を利用している。驚いた!」です。


 かなり水面に近いところも走ります。


 食堂車は特に予約は取りに来なかったので、直接行って空席の有無を問う感じ。
 窓辺の花というのはアメリカとロシアの食堂車に共通すること。昔の日本もそうでした。
(中国からそんな優雅な習慣は消え、欧州だとテーブルランプのことが多い)




 朝食は9ドルのオムレツ。中身はチーズとかベジタブルとか選べます。
「エンパイア・ビルダー」はアムトラックの食堂車では唯一、陶製の食器とカップを使っているとのこと。但し朝食・昼食ではテーブルクロスが紙製使い捨てなのですが(ビニール製テーブルクロスをお勧めしたい!)。

 パンはクロワッサンよりビスケットの方が良かったかも。
 

 この辺りはグレーシャ国立公園のはず。




 グラシア・パーク駅。
 山中の小駅ですが、そこそこの昇降があります。観光客が多い、今の列車の性格を考えれば当然ですが。




 保線機材。
 アメリカでは全てが大げさ大掛かりになるのに、保線機材だけは日本と同じか、或いは日本より小ぶりな機材が多い印象でした。ロシアで(或いは新幹線沿線で)度々見たような大型保線機器は先ず目にしませんでした。この意味で、「鉄道後進国」を感じざるをえない……。

 前にも記しましたが、本線の線路自体もはっきり云って「貧弱」。殆どが単線非電化ですし軌道も重軌道とは言い難い。。
 勿論、貨物列車は一般のアメリカの鉄道のイメージ通りに長編成で巨大な貨車による大掛かりなものです。しかし、本数はさほど多くなく(1時間に1本もない)、また低速。ロシアや中国のように10分かそれ以下に1本の貨物列車が高速でやってくる国。あるいは4分おきに300km/hの高速電車の走る世界一の旅客鉄道大国(日本のこと)とは保線に対する取り組みも違ってくるのでしょうか。
(7ルートかそれ以上?もある大陸横断鉄道と、2ルートのシベリア鉄道の比較にも無理はある? でもアメリカとロシアの経済力比も考える必要はありましょう!)


 クラシックなラッセル車。サンタフェ鉄道のマークが残る。
 除雪車をディーゼル機関車の大規模アタッチメントとして1960年代から進化させまくった日本はこの世界でもガラパゴス?


 旅のお供、ドクターペッパーの2lペット。
posted by 西方快車 at 18:49| Comment(2) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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