2010年02月16日

【米:第4日目の0 2009/0927】「コースト・スターライト」篇まとめ:14レ遅れの理由。西海岸旅客列車の沿革(「カスケード」+「デイライト」=「コースト・スターライト」)。

 14列車の遅延8時間余の理由は
「(先行か対向の)貨物列車がトンネル内で停止した。停止したのは貨車の1両に故障があったため。故障した貨車を抜き取って側線に移す作業が手間取った」ためでした。
(遅延証明書……フォーマットはなく、ただのword文書……を発行して貰い、そこから意訳)

 他の列車の車両故障による遅延というのは日本でも皆無ではありません。しかし、8時間も遅れるというのは有り得ない話です。勿論、故障車を避けるために低速で最寄の操車場(駅)まで移動、入換というのが短時間でできるとは思えませんが。それでもダイヤ回復には急行旅客列車は最優先するのが普通だと思うのですが、どう考えてもHost Railroads側にそんな考えはないようです。列車は風水害などなくても遅れて当たり前とでも思ってるのか……。
 アメリカの借地借家法は知りませんが、鉄道に関しては「店子(Amtrak)」の立場はあんまりよろしくないようで。まぁ日本も「店子」のJR貨物は冷遇されてる雰囲気ありますけど……。

 なおwikipwdia(en)によると、コースト・スターライトは定時率が極めて低く、2005年10月〜2006年8月の定時率は僅かに2%!最大遅れは11時間! ユニオンパシフィック鉄道が貨物優先するためだったそうで(予想通り!)。但し、最近ではアムトラックに優先権を与えてるとも云われてますが……。


 さて。
 「コースト・スターライト」の纏めとして、西海岸シアトル〜サンフランシスコ〜ロスアンゼルス間の旅客列車の沿革を記しておきましょう。あんまり古い話は分かりませんが。
(参考文献リンク先です)

 アムトラック以前にこの地区で旅客列車を運行していたのは主にサザン・パシフィック鉄道でした。各「デイライト」号が有名で、専用の半流線型蒸気機関車(1955年以降ディーゼル化)と鋼製流線型客車で知られます。
(光ゲンジの「パラダイス銀河」のアニメパートで出てくる汽車……っていって分かる人どれ位いますかね?)
 このサザン・パシフィック鉄道は1996年にユニオン・パシフィック鉄道と合併し、今は社名が消えてしまいました。


●シアトル〜ポートランド(UP・NP・GN共同運行)
 ・「コースト・プール・トレイン」
  1日3〜4往復。「カスケード」の寝台車も併結。1981年全廃。
  1993年に「カスケード(2代目)」として復活。

●ポートランド〜サンフランシスコ(SP)
 ・「カスケード」(夜行)11/12レ
  寝台車はシアトル〜サンフランシスコ間直通
  1950〜1971(1970年まで毎日運行、以降週3便)
  ※1951年の編成は個室寝台8、食堂1、従業員用寝台1、
   ラウンジ1、座席2、荷物郵便各1の15両。


 ・「シャスタ・デイライト」(昼行)9/10レ 
  1949〜1967(1959年まで毎日運行、以降週3便)

 ・「クラマス」19/20レ 郵便車主体で座席車併結 運行時期不明
  ※日本でいう急行荷物列車みたいなものか?

●サンフランシスコ〜ロスアンゼルス(SP)
 ・「ラーク」(夜行)75/76レ
  1910〜1968。1957年まで全寝台車編成。
  ※1941年の編成は個室寝台8、食堂1、従業員用寝台1、
   ラウンジ1、荷物郵便各1の12両という豪華さ。
  ※1968年廃止寸前の編成は個室寝台1、カフェラウンジ1、
   座席2の僅か4両。凋落が凄い。
  ※更にもう1本夜行「オウル」が設定されていた時期もあり。


 ・「スターライト」(夜行)
  1949〜1957。1949「ヌーンデイライト」を夜行化、全座席車。
  1957年「ラーク」に統合。

 ・「デイライト」(昼行)98/99レ
  1937〜1971。1940〜1949は2往復体制
  (モーニング・デイライト/ヌーン・デイライト)。
  ※1941年の編成はパーラー(優等座席)2、座席9、ラウンジ1、
   食堂1、カフェ1、荷物座席合造1。
  ※1969年の編成はパーラー(優等座席)1、座席4、
   自動販売機車1、荷物1。凋落が……。


 ・「サクラメント・デイライト」
  「サン・ホアキン・デイライト」(併結)
  ロスアンゼルス〜サクラメント/サンフランシスコを
  「デイライト」と別ルートで結ぶ。昼行。

 1971年以前はロスアンゼルス〜シアトル間の直通は全く存在しませんでした。また、サンフランシスコ〜シアトルでも寝台車以外はポートランドでの乗り換えが必要でした。

 1971年5月1日にアムトラック発足。この地点で残っていた「コースト・プール・トレイン」「カスケード」「デイライト」の3系統を繋げてしまい、更にロスアンゼルスから南にサンディエゴまで延長して生まれたのが愛称なしの11/12列車でした。現在に続く「西海岸縦断列車」は生まれましたが、これは晴れ晴れしい物というより、生き残りのために残った系統を一纏めにしたものと推測しますが……。
 11/12列車は週3回運転であり、残りの4日は98/99列車(旧デイライト)がサンフランシスコ〜ロスアンゼルスに設定されました。
 1971年11月14日、11/12列車に「コースト・スターライト(11/14レ)」と命名。98/99列車は「コースト・デイライト(12/13レ)」を名乗りました。
 後に「コースト・スターライト」を毎日運行とし、その際に「コースト・デイライト」は吸収されています。
 また、これらの列車のロスアンゼルス〜サンディエゴ間は「パシフィック・サーフライナー」等の中距離系統に分割・統合されました。
(1990年代の2年間のみ、座席車2両を中距離列車に併結しサンディエゴ直通が復活したことあり)

 この経緯を辿ったため、「コースト・スターライト」は上下共にロスアンゼルス〜サンフランシスコは昼行(「デイライト」の流れ)・サンフランシスコ〜シアトルは夜行(「カスケード」の流れ)で運行されているのです。
 残念ながら夜行昼行逆のパターン(「ラーク」「シャスタ・デイライト」)は復活しておらず、ロスアンゼルス〜サンフランシスコの夜行移動、サンフランシスコ〜シアトルの昼行移動は出来ないままです。
(各都市近くの中距離列車のサービスが互いに接続すると便利になりそうなのですが……)

 それでも、1971年のガタガタになっていた運行系統・列車編成をよくぞここまで整備し直したものです(デイライトの自動販売機車はよく故障したとも伝えられます……)。
 フルサービスの食堂車と2両のラウンジカーを含む「豪華編成」現「コーストスターライト」が毎日運行されているのは、やはり立派であると思う由。

 この列車に転機があるとすれば、加州高速鉄道……カリフォルニア新幹線による元「デイライト」の部分、ロスアンゼルス〜サンフランシスコ間の発展的解消でしょうか? その折には高速列車は懐かしき「デイライト」号を名乗るのかもしれません。

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posted by 西方快車 at 23:59| Comment(0) | 2009 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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