


ダウンタウンに関しては、小奇麗で落ち着いた街……という印象です。
手前に古いビルが並び、奥に高層ビルが見える……という流れは先のロスアンゼルスと変わらないのですが、雑然とした感じが全くありません。適度な涼しさも相まって快適な街ではありました……気候に関しては「汽車で二晩掛かる距離」だけの差が確実にありますね。
あと、街行く人が確実に裕福かどうかは兎も角、なにかゆとりを持ってる印象はありました(やっぱり世界的な大企業が云々……)。ここは日本に近いのかも。

オープンバス。東京にもサンクトペテルブルグにもありますから、当然シアトルにもあります。乗り降り自由の定期観光バスとして使われて居る模様。

モノレール。世界初の実用になったアルウェグ式の筈、しかしアメリカでは広まりませんでした(まぁ試作したドイツでもダメでしたけど)。車両は1962年開業当初のもので車齢50年近く。もちろん、その後開業の羽田は何度も代替わりし、初代車両で頑張ってきた名鉄犬山も廃止されましたから極めて貴重な存在。
「短距離の遊戯施設的モノレールだし」とか小馬鹿にしてて乗らなかったことに、今さら後悔。

モノレール駅。複線(正確には、全線が単線並列)ですが線路の間隔が妙に寄った不思議な配線(モノレールの「ガントレット」)。ビルよりではない線路の昇降はどうやっておこなうかといいますと……(答えはリンク先参照。その手がありましたか!)。
http://www.monorails.org/tMspages/Seattlepix1.html
(Seattle Center Monorail - a Photo Essay)
モノレールの詳細に関しては
「海外LRTニュース・ひろい読み」より2005/0807【シアトル】43年目のモノレールが、とても詳しいです。行く前に読んでたら絶対に乗ってたでしょう……。

公園とかスタバとか。
シアトル以外の街で「Seattle Coffee」なんて恥ずかしい看板見かけたりもしましたが……。どうでもいいんですがスタバの注文のしにくさってこっちも共通。「本日のコーヒー 普通の」と使えるのにどえらく苦労。普通のは1ドル70セントですから日本より安いです(ただ、アメリカでは街で飲むコーヒーの相場は1ドルから1ドル10セントという事実も考慮する必要あり)。勿論、なんとかラテのなんとかフレーバー云々の複雑怪奇な飲み物は日本同様に高価ですが。あとレジ横で売ってるケーキとかが微妙に美味しいのも日本と同じ。
そういえば、メニューにあるのにエスプレッソ飲んでる人が居ないのもアメリカといえばアメリカですね(欧州ラテン圏ではコーヒー=エスプレッソでした)。
なお、ダウンタウン(=都心部)のお洒落なエリアにはコンビニやファーストフードは少ないです(貧乏旅行に優しくない)。街の中心部にマクドナルド他が乱立する日本(と欧州にロシアに中国)とはなんか違う。都心部と郊外での生活が「別」ってことなんでしょう。
あ、でもアメリカでもシカゴはダウンタウン(ループ内)にコンビニやファーストフードは乱立してましたが。アメリカは汽車で一晩走ると別の国、という認識をした方が良さそうです。

緑は多い。坂も多い。
さて、シアトルの公共交通の特徴といえば「トンネルバス」。地下鉄ではなく、市内中心部にバス専用のトンネルを堀って地上の交通緩和を図るというのは独自です。
建設の経緯や沿革に詳しいのでリンク張って引用させて頂きます。
「海外LRTニュース・ひろい読み」より
2005/0918【シアトル】バストンネル2年間の一時閉鎖
http://urbantransit.seesaa.net/article/7059304.html
シアトルのダウンタウンは南北に長く,東西には狭い上に急坂です.ここにどうやって公共交通機関を通すか,特に郊外から通勤客を運んでくるバスをどこに走らせるか,これが長年の懸案でした.バスで道路は飽和状態になっていたのです.1980年代には地下にトンネルを掘り,南北のターミナル間を結ぶ交通機関の導入が検討されましたが,南北ターミナルでの乗換えを避けたいため,妥協策として今日のバストンネルが考え出されました.
デュアルモードバスを使って郊外では普通にディーゼルエンジンで走り,トンネル内ではトロリーで集電してモーターで走ります.
さて、モノレール駅も近いウエストレイクからトンネルバス駅探すのですが、入り口が分かりません! 10分以上荷物抱えたまま歩きまわりました。「地下鉄」の入口探すのに苦労したというのは生まれて初めての経験ですよ!!(二回目もシカゴで経験します……ずっと先に後述)
あの表示類がロシア語解者以外に優しくないモスクワやペテルブルグでさえメトロの入り口はわかりやすかったのに(苦笑)。
トンネルバスは通勤用という割り切りで、(英語圏も含めて)外来者の利用は想定してないのでしょうか? ちょっと不親切な印象です。
地上からの直接の入り口が無く、ショッピングモール経由でしか入れないようでした。

なんとか辿りついた地下コンコース。インテリアはアールデコ系(1980年代に復活してから不滅の様式ですよね、アレは)でなかなかお洒落。「地下鉄」ではないので改札口などはありません。

吹き抜けから「路面」を見下ろす。線路が見えます。
「将来LRTを走らせられるように線路を埋め込んである」程度の認識だったので驚きはしませんでした。この地点では「将来」が現在とはつゆしらず……ここに来るのはバスとトロリーバスだけかと思ってました。

「横断は違法」というちょっと威圧的な表記。「横断禁止」「横断は危険」とか柔らかな?表記出来ないところがアメリカのアメリカたるところ(ちょっと息苦しい)。
実はロスアンゼルスの地下鉄で写真撮ってて警官に怒られてるので、地下での撮影にはちょっとビクビクしていたり(注:撮影禁止のサインはまったく見かけませんでした)。写真に関するアメリカの息苦しさに関してはまた何れ……。


バス。基本的には同型の連接バスのみ。トロリーバスと聞いていましたし上には架線もあるのですが、やってくるのはディーゼルバス?ばかり(後で知りましたがハイブリット車)。

この先のスロープを登り切ると地上へ。
暫く地下を走る反対側に目を向けてみると……。あれ?

電車です。誰がどうみても電車!

3車体連接車の重連。
後で分かったのですが、セントラルリンクライトレールはこの年(2009年)7月から運行開始したばかりとのこと。下記に時刻表と路線図があります。
http://www.soundtransit.org/Riding-Sound-Transit/Schedules-and-Facilities/Central-Link-Light-Rail.xml

やはりバスと電車の共存? は不思議な情景ですね。早速乗り込んでみます。
なお、このトンネルバス区間はバスは無料エリアですが、電車には適用されないルールになってるので要注意です(このルールも外来者には分かりにくい!)。

車内。低床式で運転台周辺部分だけが高床(運転士が運賃収受行わない信用乗車制なのでこれで大丈夫)。
下ろし立ての電車ですから勿論ピカピカです。モケット張りの座席は固くないものでした。中間車体部分のみロングシートで他は1方向き固定クロスシートです。
そして、「近畿車輛」のプレートもありました。日本製の活躍を喜ぶべきなのか、(日本から見れば羨ましいほどの)LRTブームなのに鉄道車両を開発出来ないことを嘆くべきなのか……。

途中、パイオニアスクエアはアーチ屋根を持ちます。時間あったので降車。

凝ったデザインのアーチ。しかも大口径。御堂筋線心斎橋なんて比較にもなりません(笑)。モスクワメトロの壮麗さとはまた違った立派さです。

電車とバスの共存。それにしても電車やバスのサイズに対して駅施設の持っている「余裕」が印象的。ただ、利用者数がピーク時でも限られているが故の「余裕」と思うと切なくなりますが……他都市でも思ったのですが、アメリカの今出来の公共交通は「余裕」のあるものが多いのです……補助金漬けが普通ですし。

ここからはバスでインターナショナル・ディスクリクト(キングスストリート)へ。単線トンネル走るバスはやはり不思議ですね。



ここは掘割になっています。ひろびろ……。

電車はほぼ全て2編成の重連でした。閑散時は違うのかも知れませんが。
連結器まわりはこんな感じ。複雑怪奇な電連。大きなカバーですが、開閉は自動? 人力?

堀割の地上部分。整った広場になっています。左に見えるのがユニオンステーション。

近くには中華街。中華街は西海岸の都市の「お約束」なのでしょうか。

バストンネル(とセントラルリンクライトレール)の案内。絵柄は特徴をよく表すもので好感のもてるピクトグラムです。しかし、このバス停状の看板だけでは案内としてはやっぱり不親切。

ユニオンステーション。今は鉄道駅としては使われていません。右手の時計台のあるキングストリート駅に全列車が発着しています。

キングストリート駅。その背後には巨大なフットボールスタジアム。試合中で歓声がずっと聞こえていました。

架線を電車と兼用するのが難しいためトンネルバス区間から追い出されたトロリーバスも、地上では健在です。

セグウェイというのは絶対に西海岸特化の乗り物じゃないかと思うのです……(笑)。
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