これが「エンパイア・ビルダー」のリズムのような気がします。
1日1本の列車でも何とか生活圏を繋いでるという感じ。で、小さい駅でも数名の乗り降りはありますし。

Wolfpointの集落が見えてくる。

アメリカの内陸部って、日本からの心理的距離感は相当なものがあると思うのです。まず、身近じゃない。それに全然知らない。
(町山智浩氏のアメリカエッセイに云わせれば「普通の日本人が知ってるアメリカは大都市とせいぜいその近郊、観光地だけだ」とのこと。自分もその意味じゃ十分普通ですので)
まぁ、アムトラックのルートは内陸といっても未だまだ「開けて」いるのかもしれません。それに村とか町に無人でも1日1本でも駅と旅客列車の便があることの意義は大きいのでしょう。

Wolfpoint駅。昔は狼が出たんでしょうか?

ここらの駅には必ず穀物?のサイロと積み込み設備があります。

また、平原へ。
見事なまでに地平線はまっすぐ。大型のキャンピングカーもこんな土地には似合うものです。

そろそろ日が傾いてきます。
「地層」というのが凄く分かりやすい岩山。

たまには、水辺もあり。

石油掘りの井戸? こんな古風なものが未だ稼働中です。

岩山。現実離れした景色は感動に値するのですが、あんまり心動かなかったのは連続することでの「疲れ」でしょうか。

広大な放牧地。
1947年に導入された「エンパイア・ビルダー」編成のカフェ・ラウンジ車は放牧地の丸太小屋を意識したインテリアだったそうで(「写真で楽しむ世界の鉄道 2」より)。外形は流線型客車ですからミスマッチは狙いのうち?
でも、こんな景色を「借景」にすれば様になりそう。

また1時間ほど走って、willistonの集落があって駅があって、そしてまた積み込み設備。
これで19時位。

先にも記しましたが、意外と貨物列車見る機会は少ないのです。
BN(バーリントン・ノーザン鉄道)のカラーリング(緑)とマーキングの残るカヴァード・ホッパー車。

同じくBN時代の表記・カラーリングのカブース。
キューポラに手すり、煙突、ブレーキハンドルとカブースの必要条件を尽く満たした車。
カブースは1980年代に多くの列車から外されているはず……なのですが、今も事業用車として残されてるケースは多いようです。

今のBNSFのロゴマークは……SNCF(フランス国鉄)のように見えてしまうのは偏見でしょうか?


willistonの駅舎。レンガの立派なもの。
ここでも多少の乗車があります。

保存蒸機。
そういえば、アメリカでは蒸機時代の給水塔はまったく見かけませんでした。
保存なのか再活用なのか、とにかくやたらにレンガ造りの給水塔みかけたロシアとは対照的です。
模型などでみる限り、アメリカの給水塔は木製が多かった模様? だとすると蒸機時代が終わったらあっさり解体されてしまったのかもしれません。

そろそろ日の沈む頃。
食堂車の予約も取り、ラウンジで時間つぶし。
14ドルのローストチキンを選択。どの食堂車にもある定番です。
他は17.50ドルの魚料理(なんだったか聞き逃しました)
22.50ドルのステーキ。
16.75ドルの「本日のスペシャル」(これも内容聞き逃した……)。
あとはキッズメニューとベリタリアンメニュー。
デザートのアイスクリームは2ドルですが、ハーゲンダッツ! 農業国じゃ安いんでしょうね……。

パンとサラダ。

メイン。骨付きレッグがニ本ですから凄い量。かぶりつくのは好きではないので、ナイフで身を解してから頂きましたが、アメリカ人的には変な食べ方なんでしょうか……?
味は……普通(笑)。正直いうと、味わってる余裕もないのです。相席者と「英会話」しながら。そして量との戦いもありますから。でも昼のこと思えば普通は大事です。それにしてもこれで14ドルは安い(もちろん、何度でもおかわり次いでくれるコーヒー付きで)。
食事終えて(座席車客は後回しなので遅め。20時過ぎ)、席に戻って気がついたら寝てました。
翌朝まで、全然記憶がないのです……。
ちなみに、深夜でも1時間に1回ほど停車して集落の客を「拾って」行きます。
寝台・食堂・ラウンジにワイドなリクライニングシート……豪華な長距離列車のイメージのある「大陸横断列車」というのは、案外ローカルな乗り物。日本で云えば特急「北斗星」ではなくて、急行「八甲田」+「はまなす」辺りに喩えた方がしっくりきます。
或いは、特急「トワイライトエクスプレス」が座席車(多分グリーン格下げ)併結してて食堂車がリーズナブル(笑)、停車駅が急行「きたぐに」並と考えても良いのかもしれません。
こういうアムトラックは好きです。
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