AMTK#8のSt paul(ミネアポリス)発7:50発に対して、CM#6はミネアポリス・ユニオン7:30発。
AMTK#8のシカゴ15:55着に対して、CM#6はシカゴ14:55着(今のほうが遅いですね……)。
「モーニング・ハイアワッサ」の正確な時刻が分からないのですが、途中停車駅も概ねはなぞっているのではないでしょうか? 違うのはミネアポリスの駅。味気ない現St Paul駅は1971年にアムトラックが新設したものだそうで、昔は立派なミネアポリス・ユニオン駅に発着していたとか……。ひょっとするとグレートノーザン鉄道とミルウォーキー鉄道の代表列車同士が並んでいた時期もあるのかもしれません。
さて。
アメリカの鉄道は1971年に旅客輸送がアムトラックに統合されたのですが、残る貨物輸送もその後に合併などを繰り返し、模型や写真集で鉄道ファンにお馴染みだったかつての社名も多くは消えてしまいました。
グレートノーザン鉄道は、ノーザンパシフィック鉄道を合併。その後にバーリントン鉄道と合併し、バーリントン・ノーザン鉄道に。更にサンタフェ鉄道(ATSF)と合併して今はバーリントン・ノーザン&サンタフェ鉄道になっています。但し、機関車のカラーリングはグレートノーザン時代のものが使われていますし、現社名に合併元のものが含まれているのも救いといえば救い。
しかしミルウォーキー鉄道(正確にはシカゴ・ミルウォーキー・セントポール・アンド・パシフィック鉄道。略称CM)は1985年に倒産。スー・ライン鉄道に吸収されてしまいました。この地点でスー・ラインはカナディアンパシフィック鉄道(CP)の子会社になっており、その後に運営が統合された模様。会社は消えるは、隣国の企業に乗っ取られるわ……。ただ、このニュアンスは正確かどうか分かりませんが。アメリカ合衆国とカナダの関係って凄く分かりにくいんですよ(少なくとも鉄道という主要インフラ事業を売却出来るレベルで友好的だとは考えられるのですが)。
なんであれ、「大家」のこの大激変の中で頑張った「店子」アムトラックはすごいのかもしれません(そんなことより共和党政権で補助金減らされることの方がオオゴトだったのでしょうけど。大家より生活補助の方が大事!)。
ちなみに、乗車当時には前者はともかく(BNSFとかは日本でも知られてますから)、後者の事情は全然知らず……。ですから、「何でここにカナダの機関車が居るの?」と首を傾げることになるのでした(笑)。

スーパーライナー客車の貫通路。向こうは寝台車(愛称付き:なんと「PENNSYLVANIA」。無関係の路線で使われているのはご愛嬌)。貫通路も自動ドア装備。
StPaul出たタイミングで食堂車を覗き、丁度空席あったので朝食に。
本日のスペシャル(8ドル)を頼んでみました。

ビスケット(何度も出てきますが、日本でいうケンタのあれです)を半分に切り、そのうえにソーセージ(朝マックでマフィンに挟まってるアレです)を載せ、クリームソースを掛けたという恐ろしくボリュームのある朝食。美味しかったですよ。でも、昼飯はシカゴに着くまで我慢でいいや……と思える分量でしたが。
勿論クランベリージュースとコーヒー付き。
St Paulから先は、景色は市街地が多くなります。昨日の午後以降ずっと続いただだっ広い平原より退屈しませんし、日本人には安心感?があるってものです。

「TWO MEN」のイラストが楽しいトラックの荷台。

如何にもなアメリカの地方都市の風景。
更に嬉しいのは、だんだん鉄道系の密度も濃くなってくること! 機関庫に操車場、留置車両に胸がときめきます(笑)。

機関庫に留置されていた事業用?客車。典型的なスムースサイドタイプで1930-40年代の車の筈。

「ミネソタ・コマーシャル」という鉄道の機関車。後ろに繋いでるのは?

スラッグという珍車で、運転台なし・エンジンなし・モーター有りの機関車。隣の電気式ディーゼル機関車から電力を貰い、入換に必要な牽引力を確保するための補助機関車。これってディーゼル機関車なのか電気機関車なのか?

機関車がいっぱい。台枠の白いドット状の塗りは何のため? 警戒色??

錆びた貨車と云うのも趣あっていいものです。侘び錆び、じゃなくて侘び寂びの世界。

反対側に目を移すと、こちらは小奇麗な水辺が広がります。

立派なコンクリートアーチ橋。デザインが実に重厚。

その裏にはなんと可動橋も! ただ、シカゴからニューヨークにかけては可動橋は珍しくも何ともないことを、後々思い知ることになりますが。

貨物線が分岐。

再び水辺へ。川幅が広くなってきます。

今度は操車場へ。ラウンジカーの窓から眺める操車場と云うのもアメリカらしい景色と云えないでしょうか?
(大自然よりこっちがいい! と思う地点で病んでますが)
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