
勿論、鉄的密度の低い、普通の景色も続きます。自分的には「休憩時間」ですね。
昨日のようなだだっ広い平原ではないので、安心感もあります。

暫く、ミシシッピ川沿岸を走ります。
川というか河のスケールが違います。日本の河は論外としても、ロシアよりもこの辺は雄大。
あと、世界名作劇場の「トム・ソーヤの冒険」とか思い出す……(原作もあとで読まされたけど覚えてないわ)。あの時代って蒸気船はありましたけど、汽車は未だ広がってないころでしたっけ?

離れ小島。

ダム萌え。

堰の前後であまり水位差はありません。

アーチ橋。地震の少ない国のだと、物凄く華奢な造りになるのが印象的。
日本だとこの種の橋はもっと骨太になりますよね。

St paulを出て1時間で、Red Wing駅に到着。
駅舎自体も由緒のあるものであり、周辺も古い町並みが整備されています。
(時刻表では「無人駅」なのですが、それが信じられない雰囲気)
先にも触れたよう、この辺はかつてのミルウォーキー鉄道沿線。今でこそ1日1本のエンパイア・ビルダーのみが発着列車ですが、往年は2往復+1往復のハイアワッサ号(とその他普通列車?)が発着してたのでしょう。
写真にもあるよう、ここで結構な数のお客さんが乗り込んできます。座席車はほぼ満席に! この旧ミルウォーキー鉄道沿線の需要が恒常的なものであるなら、シカゴ〜ミネアポリス(St Paul)間の中距離サービス充実……本当の意味での「ハイアワッサ」復活もありえるのかも?

Red Wingの街並み。観光地かと思うほど、小奇麗に整備されています。

優雅で長閑な船溜まり。

また、巨大な堰が見える。

手前の操作室系が古風なデザインでカッコいいですね。
川べりを眺めつつ、先のRedWingから1時間ほどで、次の停車駅Winonaへ。

駅構内に留置されているのもお馴染みカバードホッパー車。

貨車の奥に、歴史ありそうな駅舎が隠れています。

ホーム。或る程度は昇降客が居ます。

小さな駅ながら、赤帽と手荷物扱いのサービスあり。

1887年築という駅舎はホームとやや離れたところにあります。駅舎に面してるのは貨物側線。
アメリカでは、思っていた以上に古い駅舎を大事に使っていますね。羨ましい文化です。

駅を離れると小規模ながら操車場に出ます。
手前のホッパー車は角形(リブサイド)と丸型(センターフロー)の中間的形状が独特。よく見ると台枠も必要最低限しかありません。かなり大胆な構造です。黄色系のカラーリングも強烈。

円筒状のシリンドリカル・カバード・ホッパー車。円筒形状でタンク車との垣根が曖昧になりそうな車ですが、日本の粉末用タンク車とは全く違う形状になるのは興味深いことです。
所有者は「Dominion Malting Limited」。

(他の駅で見かけた車ですが……)
ミルウォーキー鉄道の路線を引き継ぐ、カナディアン・パシフィック鉄道のシンボルはビーバー。勤勉さの象徴は鉄道会社にぴったり。
メイプルリーフのデザインは、並立するカナディアン・ナショナル鉄道(カナダ国鉄。CN)以上の「ナショナリズム(但し、健康的な意味での!)」を感じさせます。余談ですが、CNもアメリカ合衆国内に結構な延長の路線を持っています。
ほんとにいいんでしょうか? こんな気合の入った「外国」企業・公社にインフラ任せるようなことしちゃって……(笑)。アメリカ合衆国内とカナダの関係は未だに理解出来ないものの一つ。

遂にミシシッピ川を渡る。古い古い曰くのありそうな鉄橋です。

鉄橋より眺める。

渡りきったところに「粉もの」の積み込み基地がありました。
カーブポイントを含む留置線はやはり模型的風情。

一見してただの鋼製サイロにみえるのですが、何故タイヤが付いてるのでしょう? あとトラクタとの連結装置も頂部にみえるのは……?
まさかと思うのですが、ホッパートレーラをそのまま立てて荷降ろしをしちゃうということでしょうか?
(でも、それにしてはクレーンや油圧装置が周囲に見当たりません)
トレーラを転用したサイロなら、タイヤは要らないはず。ほんとに謎です。

円筒状のシリンドリカル・カバード・ホッパー車を端面よりみる。補強リブがカッコいいです。
この基地では粉モノ、といっても穀物ではなくセメント?を扱ってるような雰囲気です。アメリカの貨車は用途の明記が車体にないので、推測がしにくい……。

LAFX……LaFargeのことで、これはセメント会社ですね(日本には麻生ラファージュなんて会社もあったりします)。
セメントは穀物よりずっと比重が大きいですから、同じカバードホッパー車でも小柄になるようです。でも右の車は小さすぎ……左右で荷重は倍位違うのでは?

ここは水陸の連携基地のようで、艀への積み替え設備もあります。

如何にも「産業」な景色のなかに、ちょっと浮いた存在の遊覧船が係留中。

LA CROSSEの町が見えてきました。小さな教会とか住宅とか長閑な雰囲気。



構内から側線が分岐。そこに待機するディーゼル機関車。1両はSooLine塗装で、もう1両はカナディアン・パシフィック塗装。

LA CROSSEの駅舎。煉瓦建てながら装飾が少なめでやや近代的印象。1926年築とのことですから、普通にはコンクリの時代ですね。煉瓦なのは意図的なものでしょうが、これはこれで雰囲気あって良い駅です。
ここも荷物扱いのある有人駅です。

すれ違ったCNのディーゼル機関車。運転台窓が「ベイウィンドウ」化されています。

直角交差しそうな角度で分岐する専用線? 屯する機関車はBNSFのもの。
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