
ミルウォーキー駅近くで。
やはり線の細い印象のアーチ橋。

ミルウォーキー駅。近代駅舎で面白くも何とも無い……とこの地点では思ってました(笑)。
アムトラックとグレイハウンドの合同ターミナルって意外と少ないです(客層も違うので間違いじゃないかも……)。

!!
セントポールに続き、ここでも構内にプライベートカーが待機していました。
幸いにも20分停車です! タバコのために降りる客たちに混じってホームへ。

オープンデッキの展望車。他車種からの改造車と推測します。
カラーリングはNYC……ニューヨークセントラル鉄道風。やはり伝説の鉄道会社なのでしょう。

もう1両はドームカー。この車の車歴をなんとか調べました。
http://www.trainweb.org/web_lurker/UP/
UP 7003 - ["Challenger"-12/54], Auto Train 703 (6/72), James E Strates Shows (12/81), private party (1982), C P Huntington chapter NRHS (1982) (800377) "Sandstone Falls" (not applied) car was renumbered UP 7003 then to HUNX 7003 during 1993 due to a dispute with the UP. Car sold 5/2001 to Charter Wire Milwaukee WS for their business train. Rebuilt by Avalon Rail as "Charter Club".
1954年製。元ユニオン・パシフィック鉄道のドーム座席車でしたが、転売を繰り返し2001年より現状に収まっている模様。現オーナーによって寝台車に改造されたとも。
「Charter」とありますが、チャーター用というわけではなく、
「Charter Wire Milwaukee」
http://www.charterwire.com/
という鋼線会社の「社用車(BusinessCar)」です。

余談ですが、NYCにはドームカーはありません。東部の鉄道は車両限界が小さく、ドームカーの運用は困難だったのです(除:チェシーとB&O。前者は屋根高さを抑えた特製のドームカーを、後者はワシントンへの車両限界の大きい路線で使用)。ただ、渋いカラーリングはいい趣味で、この車に似合っています。

そして、同じ線路にもう1両が。
やはりスムースサイド客車から改造したものと思われます。「SILVER FOOT」との名称表記がありましたが、同名の企業のやはり社用車? 詳細不明でした。

4灯のヘッドライト?が賑やか。派手なカラーリングも悪くありません。
地上から電力?の供給を受けています。
デッキ部分は昔の客車の常で、裏面に斜めの手すりのついた塞ぎ板があります。


駅構内。アメリカで屋根付きの駅は珍しいようです(ニューヨークやシカゴのような大規模地下駅は兎も角)。

駅をでて、ミルウォーキーの市街と運河を眺める。
ここから終点シカゴまでは2時間弱。また、ここからシカゴまではアムトラックの中距離列車「HIAWATHA SERVICE」が一日7往復で結んでいます。ここからの小駅は「HIAWATHA SERVICE」に任せ、エンパイア・ビルダーは幾つかの駅を通過する由。

やはり、線の細ーいアーチ橋。
手前には気合の入った?古工場。

古そうな倉庫? ロシア訪問時の写真に混ぜておけば区別がつかない自信があります(笑)。

巨大サイロに、手前の廃墟。そして中程には可動橋。

可動橋が上がっているところ。かなり近代的なタイプです。
遮断機を下げ、車を抑制するようになっています。また、橋の路面部分が「メッシュ」になっていて軽量化されているのも印象的。
日本では「数えなきゃいけないほど珍しい」現役可動橋もアメリカでは至極当たり前のものでした。

最後の停車駅。Glenview駅。古風な駅舎に見えますが、1995年築とか。
アメリカ人が鉄道駅に求めている「理想」が分かるような気がします。ここはメトラ(METRA。シカゴの近郊鉄道)との共用駅。
また、ここからHostRailroadがカナディアン・パシフィック鉄道からメトラに代わります。日本で例えれば、長距離列車が「○○近郊区間」(国電区間)に入るような感覚です。とはいえメトラも2線除けば(サウスショア線と、イリノイセントラル線)非電化でディーゼル機関車牽引ばかりなので国電という表現は適切なのかどうか……。此処からはメトラだけの小駅も続きます。

Glenviewを出てすぐ、度肝を抜く平面交差。3線と複線の大規模交差。
平面交差はアメリカでは珍しくないようですが、旅客列車がどうどうと通過するところは流石に珍しいようで。

郊外住宅が並ぶ。

いよいよ、シカゴのビル群が見えてきました。
シアトル出て以来、最初で最後の大都市!

メトラの車両基地横を通る。ここも広大なものです。

ディーゼル機関車が二種類確認できます。客車は全てステンレス製プッシュプル・ギャラリーカー。乗車の機会は……ずっと後になりますね。「鉄道首都」シカゴは後のお楽しみ♪

事業用のカブース。本線用と違ってベイウィンドウもキューポラも無く、そして小柄。砂利積みのホッパー車に繋がっていました。

また、別のタイプの機関車。

操重車。事故復旧用には小さめなので、他用途でしょうか? このサイズであの大きな二階客車を持ち上げられるとはとうてい思えませんので。

メトラの複々線と、アムトラック用?の複線の計6線区間。

シカゴ・ユニオン駅近くでは線路が複雑に・立体的に入り組んでいます。しかも、大規模に。

ユニオンステーションに入る直前の踏切。東京とか上野の手前に踏切があると思うと変な感じですね。小田急新宿手前の踏切といえばそんな感じなのかも。
奥には「L」(高架電車)の高いガードも見えます。

大きくカーブして、巨大なユニオンステーションに進入。
配線はなかなか複雑です。

地下? 或いは人工路盤の下なのか? 何線もあるプラットホームも見えてきました。

駅規模の割にホーム幅が狭いのは気がかり。

到着。降車。
「エンパイア・ビルダー」2泊3日の旅の終わり(その前には「コースト・スターライト」の2泊3日!)。
とはいえ、ここで「終わり」ではありません。数時間後には「キャピタル・リミテッド」でワシントンDCを目指すのです。あと一晩と780マイル!
みな出口方面へぞろぞろ。ごろごろ。

ポートランドから牽いてきた77号機。

シカゴ・ユニオン駅は南北のブロックがエの字型に相対し、それぞれが頭端式の大駅になっています。真ん中のエの字の縦棒部分に駅舎・駅設備があると。
ただし、何本かの線路は南北のブロック間を接続しています。写真は連絡線に入るメトラの列車。

駅そのものはアムトラックの管理だそうですが、圧倒的に多いのはメトラの近郊列車です。

壮観!
阪急の梅田を小汚くそして大規模にして、「きたぐに」辺りが乗り入れたらこんな感じでしょうか?
「きたぐに」……もとい「エンパイア・ビルダー」は40分ほど遅延(先の「コースト・スターライト」の8時間遅れにくれべりゃ定時運転のレベル!)。18時50分発の「キャピトル・リミテッド」までの待ち時間は約2時間半ほど。
余裕はありやなしや? 駅は大規模!
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