北京〜モスクワ間列車で担ぎ屋系商人が硬臥を占拠している……のはどうやら、昔のことのようです。
何らかの規制がされたのか、商売が旨くなくなった(最近の運賃の値上げもあるかも?)のか、或いはたまたまなのか分かりませんが、その種のお客はあまり見かけませんでした(皆無ではないですが)。
白人旅行者は硬臥・軟臥・高包各クラスに散在しています。ちなみにウランバートルからモスクワの間では、日本人は自分だけでした。
北京→ウランバートルまでの間、高包にもう一人日本人(モンゴルの緑化事業に関わっている方)が乗っていました……貴重なお話有難うございます! あと東洋人ではモンゴルへの里帰りの方が一人と一組(親子)ほど。モンゴル人でこの列車の高包利用ということは、それなりの地位の方ということでしょうか?
さて。
歴史的経緯はともかく、現在の中国〜モンゴル〜ロシアの国際列車は
「臨時含み週3便、北京⇔ウランバートル間が設定され、そのうちの1便がモスクワまで足を伸ばす」というのが現実的な利用状況であるような気がします。それ位、
ウランバートルで乗車率が変わってしまうのです。 ちなみに自分が乗っていた10号車(高包)は、ウランバートルまでは13名乗客が居たのに、そこから先に向かうのは僅か3名! ただし、空き部屋は車掌の休憩室とか非番職員の「回送」用に使われてもいましたけど。
(昔、パンナムでは「回送」の乗務員は必ずファーストクラス利用だったそうな。それに比べりゃ……)
はっきりいえば、
北京⇔モスクワ間は実用的な交通機関としての役目は既に終わっているのでしょう。
硬臥より飛行機の方が安いのが現実です(前にも記しましたが、帰りのモスクワ→北京の航空券はCAのサイト予約で¥37700でした)。ただ、航空運賃は季節変動が激しいので、その意味では年間一律の鉄道運賃が有利な状況もありえるのかも? それでも所要時間を考えるとお話になりませんが(自分のような物好きは別)。
対して、
北京⇔ウランバートルはまだまだ鉄道の利用圏内! 所要時間は一晩で30時間程度ですから寝台なら普通の人も耐えられる範囲でしょう。そのうえ、ウランバートルは航空の便は良いとはいえないようです(北京便でさえ、1日1便)。
肝心の運賃も、荒っぽく調べた限りで、北京⇔ウランバートル往復は中国国際航空で
¥55300[公式サイト予約。日本で買える最安値?]。対して鉄道(片道)は高包1790元、硬臥1128元。同条件にするため、往復にして1元=15円で計算すると
高包¥53700、硬臥なら¥33840! ウランバートルまでの乗車率の高さも頷けると云うものです。……ここは夏季は毎日運行、冬季でも週3便とか張り切ってみる気は無いでしょうか? まぁ「現実的」にモスクワ行きが切られたら悲しいですけど。