東洋への憧れ乗せた欧州の列車が東方快車(オリエントエクスプレス)ならば、欧州目指す東洋の列車が「西方快車」を名乗っても間違いありますまい?(注1)
列車の「格」は如何なものかと?
往年……1970年代末廃止直前の東方快車(注2)にも、豪華な而して時代遅れだったワゴンリがぶら下がっていたのと同様、21世紀の西方快車ことK3/K4次にも、やはり豪華で時代遅れな高級軟臥(高包)RW19がぶら下がっています(編成中ほどに連結ですが細かいことは気にしない)。
末期のオリエント急行が出稼ぎ列車だったとはよく言われる話ですけど、K3/K4次もまた担ぎ屋列車(注3)。あらゆる国籍に等級を呑みこんだ、という点では共通性あるのではないかしらん。元来の高級な用務客には無縁になってしまったことも含め。
更に共通するのは、国境越えの面倒くささ(注4)。オリエント急行が越えてた国境の数は知るところではありませんが、それに劣るK3/K4次も異軌間の直通のため「台車交換」という魅せ場があります。
そんなわけで。
2009年5月26日〜6月7日までの間の、西方快車K3次乗車記を中心とし、中国・ロシアの鉄道旅行(シベリア鉄道)について記していこうと思います。
気が向けば以前や以後の旅行、あと国内の鉄道旅行についても触れることができればと。
しかし……。
このブログの紋様。月がモンゴルのにも、ロシアのにも似ていません(当たり前じゃ)。和柄が好きなので選んでみましたが、ちょっとミスマッチ。モスクワで見る漢字のサボも十分ミスマッチでしたけど。
◆◇◆◇◆◇◆
(注1)ちなみに同じ北京⇔モスクワを経由地変えて走るK19/20次はロシア持ち、即ち、東洋目指す欧州の列車ともいえます。愛称も公式に「ボストーク号(東方号)」ですし。
(注2)1970年代末の、ワゴンリ寝台車が外される寸前の「オリエント急行」を想定しています。同じ名を騙る過剰演出過剰豪華なベネツィア行クルーズ列車は想定外(手が届かないから僻んでるんですよ。正直なところ)。ちなみに今も走っているパリ⇔ウィーンのENの方は機会あれば乗ってみたいところ。良い意味で普通の列車のようですし。
(注3)2009年現在では殆ど見かけませんでした。中国〜モンゴル〜ロシアの間の商売は旨みがなくなったのでしょうか?
(注4)しかし「最強のパスポート」を携えた旅行者にとっては、それもまた旅のエッセンスに過ぎず、と。